ゲームジャムで、コーラをすごろくにした
Ultimate AI-Powered Game Jam #1に参加して、
『真夜中コーラ』というゲームを作った。

生成AIの利用が必須で、72時間以内にゲームを作るというもの。
最初に発表されたテーマは「COLA」だった。
そこからクラフトコーラを作るゲームを思いついた。
ただ、材料を選んで混ぜるだけでは、あまりゲームらしくなる気がしなかった。
甘いシロップを入れる。炭酸を足す。レモンやスパイスを選ぶ。
それだけでは、正解のレシピを探す作業になってしまう。
そこで、コーラ作りにすごろくの仕組みを取り入れることにした。

王冠を弾いて進む数を決め、分かれ道で次の仕込み方を選ぶ。
材料は瓶の中に順番に積み重なっていく。容量を超えると、下にあった材料がこぼれる。
途中には、材料の順番をひっくり返したり、
上下を入れ替えたりするマスもある。
最後は、瓶に残った材料や場所などから、
そのコーラの名前と味わいが決まるようにした。
何点取れたか、勝ちか負けかではなく、
「今夜はどんな一本ができたか」が残るゲームになった。
二つ目の隠されたテーマである「COFFEE」は想定外だった。
別のルートを足すことも考えたが、複雑になりすぎることを避け、
「焙煎シロップ」という素材を追加することにした。
コーヒーは主役ではなく、コーラの奥に残る、少し香ばしい香りとして取り入れた。

BGMは一切使わなかった。
その代わり、炭酸の音、スイッチ、金属音など、効果音を約30種類使った。
深夜の工房の静けさや、少しノスタルジックな空気を音だけで作りたいと思った。
そして結果画面は、思わず誰かに見せたくなるようなものにしたかった。

前作の Yakitori Wars は、実際に遊んだ方からは面白いと言ってもらえた一方で、そもそも遊んでもらうまでのハードルの高さも感じた。
何をするゲームなのか伝わること。
始めたらすぐに触りたくなること。
遊んだあとに結果を残したくなること。
今回はその三つを、最初から強く意識してみた。
圧力計をタップすると前に進み、材料が瓶に入る。
説明を読まなくても、まず一歩目を踏み出せるようにしたかった。
そして、参加者同士だけが採点できる仕組みを経て、
発表された結果は、全17作品中2位だった。
優勝は惜しくも逃した。
でも不思議と悔しさはなかった。むしろ清々しい気持ちだった。
短い制作期間にもかかわらず、周りの参加者の方のゲームは多種多様で、かなり刺激を受けた。
コーラとコーヒーという同じテーマから、ここまで違うものが出てくるのかと驚いた。
そして何より、勝ち負けも、点数も、ステージクリアもないゲームを遊んで、さらに評価してくれる方々がいた。
「音がいい」
「実際に飲んでみたくなった」
「今日の気分を表したコーラみたい」
そんなふうに、自分の言葉で返してくれた。
以前はSNSもやらず、誰にも見せない自分専用アプリを作り続けていたくらい、作品を公開することに抵抗があった。
でも今は、作品を公開することは、単に完成度を評価されるだけではないことがわかった。
実際に遊んでもらい、生の意見をもらうことで、自分だけでは見つけられなかった作品の一面が見えてくる。
そしてもちろん、課題も見つかった。
自分の操作がどこまで影響しているのか。
最後に何ができあがるゲームなのか。
先の盤面がどうなっているのか。
作っている自分には当たり前に見えていたことが、初めて遊ぶ人にはまだ伝わっていない部分もあった。
それでも、今回の手応えはかなり大きかった。
72時間という制限があり、生成AIの利用が必須でも、
表現が雑になることはなかった。
むしろ、自分が作りたいものへの距離が少し近づいた気がする。
まだ公開したばかりのゲームだが、作品を外に出すことの意味が少し変わる、印象的な一本になった。
