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子作りを「当たり前」にしない ─ 老子の無為自然から考える

私も妻も、四人兄弟の末っ子同士。
結果として、私たちは四人の子どもを授かり、育ててきました。

振り返ってみると、
「よし、四人産もう!」
と計画したというより、それが当たり前と考えていた──
そんな感覚があります。

私自身、小さな子どもが好きで、
仕事から帰ってきた時に子どもが家にいると、それだけで癒やされる。
同時に、活力の源にもなっていました。

だからでしょうか。
「結婚したら子どもを作るのが自然だろう」
と、つい思ってしまう自分がいます。

人口の観点から言えば


親が二人なら、子どもも二人いないと人口は維持できない。
理屈としては、もっともらしく聞こえます。

ところが、今の世界を俯瞰してみると事情は違います。

現在の世界人口は約82億人。
国連の推計では、2080年代に約103~104億人でピークを迎え、その後は緩やかに減少すると見込まれています。

少なくとも当分の間、
「人類が滅びるから産まねばならない」
という状況ではありません。

無為自然は、人によって違う


ここで大事なのは、

無為自然のかたちは、人によって違う

という点です。

私にとっては四人が自然でしたが、五人以上子どもがいる家庭を見ると、

「うわ、多いなあ」

と思ってしまいます(笑)。

たとえば、
杉浦太陽さん&辻希美さん夫妻は子どもが五人、
橋下徹さんは七人。
それを見て「すごいなあ」と思う一方で、「自分には無理だな」と感じるのも正直なところです。

逆に、
作ろうと思えば作れるけれど、あえて作らない、という選択をする人もいます。
たとえば女優の山口智子さん。
これもまた、その人にとっての自然なのでしょう。

そもそも「夫婦」という制度自体が人為的


子作りを他人からとやかく言われるのは結婚後ですが、
夫婦という制度そのものが、人間社会が作り出した仕組みです。

放っておけば、
一人の強いオスに人気が集中し、弱いオスはパートナーを得られない──
いわゆるハーレム状態になりやすい。

それを防ぐために、
一対一を基本とする婚姻制度が生まれた、
と考えることもできます。

これは善悪の話ではなく、社会を安定させるための人為です。

老子が嫌ったのは「欲の暴走」


老子は、

小国寡民しょうこくかみん(国は小さく、そこに住む民は少ない状態)

を理想としました。

人数が少なければ、欲が暴走しにくく、自然と均衡が保たれる。
そう考えたのでしょう。

たとえば、一クラス40人、男女半々だとします。
仮に、勉強もスポーツもできて、見た目も良い男子が一人いたとしても、
その男子が女子を独り占めするのは、かなり勇気がいるはずです。

他の男子の反感を買いますから、
せいぜい一人、よくて二~三人とこっそり付き合う程度に収まるでしょう
(それでも多いですが)。

女子の側も、
他の男子の良いところを何とか見つけて、競争の少ない、穏やかな幸福を選ぶかもしれません。

人数が限られていれば、皆と仲良く過ごしたいという思いも強まるはず。
結果的に個人の欲は自然と抑制されるのです。

子作りは、国家の道具ではない


国家は都合に応じて、

・産めよ増やせよ
・一人っ子政策

といったことを平気で言います。

これは明らかに作為であり、無為自然の真逆

にあります。

「当たり前」という固定観念こそ不自然


では、どう考えるべきか。

私は、

「結婚したら子どもを作るのが当たり前」という固定観念そのものが、不自然

だと思います。

無為自然とは、
人が勝手に作った価値観やルールを手放し、「あるがまま」を受け入れること。

子どもを作りたくない人に罪悪感や圧力を与えるのは、明らかな作為です。

心が、

「作りたくないなあ」
「育てたいと思えないなあ」

と感じているなら、それに従うのが、その人にとっての自然です。

夫婦で話し合い、その方向に落ち着くなら、何の問題もありません。

役割は、産むことだけではない


自分で産み育てる気はしないけれど、
教育や支援という形で子どもに関わりたい人もいるでしょう。

人間社会には、さまざまな役割があります。
どれが上で、どれが下という話ではありません。

気が向く方向へ進む。
それが老子的には、いちばん無理のない生き方
です。

問題は「理解してもらう相手」


問題があるとすれば、私のような、

「結婚したら子どもを作るのが普通じゃないの?」

と、無意識に思ってしまう人たちでしょう。

どうでもいい相手なら放っておけばいいだけです。
でも、親など、日頃から心配をかけている相手には、一度きちんと説明しておくほうがいいでしょう。

そうすれば、
「まだ?」
と聞かれ続けることも減るかもしれません。

子作りも、無為自然で


子作りについても、
「こうあるべき」から一度離れてみる。

無為自然でいきましょう。

※上の文章は、「子どもを持つ/持たない/持てる/持てない」の
どれかを良し悪しで語るものではありません。
思うようにならなかった経験を抱えている方がいたら、
その痛みもまた、あるがままの現実だと私は思っています。

※この記事は、ユーカリさんの以下の記事に触発されて書きました。
ユーカリさん、ありがとうございます。


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