「帰らないと一生後悔する」直感を信じたあの日。愛犬ハナが最期に教えてくれたこと。
ハナがお空へ旅立って、もうすぐ5年。
時間が経っても、
思い出すたびに胸がぎゅっとなります。
今日は、
私がハナを見送った日のことを書こうと思います。
2021年の夏。
コロナ禍のまっただ中でした。
ハナは実家にいて、私は結婚を機に県外で暮らし始めて10か月ほど経っていました。
家を出てからというもの
寝たきりのハナのことが心配で、
毎日見守りカメラを確認しては、
父に「変わりない?」と連絡していました。
父は
体位変換、ごはん、くすり、排泄のお世話まで
文句ひとつ言わずに続けてくれていました。
今振り返っても、感謝してもしきれません。
そんな2021年7月のある日。
私は、いつものように電話でハナの様子を聞きました。
すると父は、
「下痢をしている」
「ごはんもあまり食べない」
と話しました。
それまでも食欲に波があることはありました。
でも、そんな時でもおやつは食べてくれていました。
それなのに、その日はおやつも食べない。
しかも下痢までしている。
寝たきりになってからも、
ハナは比較的しっかりした便をしていたので、
私はその話を聞いた瞬間、嫌な予感がしました。
『会いに行かなきゃ』
そう思いました。
自宅から実家までは、車で4時間ほど。
私は運転が得意ではないので、帰る時は夫に運転をお願いしていました。
幸い、その日は夫の仕事が休みの日でした。
朝、父からハナの不調を聞いて、
私は夫に泣きながら
「ハナに会いに帰りたい」
と伝えました。
でも、その頃はコロナ禍で県外移動にも気をつかう時期でした。
それに加えて、私は妊娠初期でもありました。
心配性な夫は、最初は強く反対しました。
それでも私は、
「帰らなかったら絶対に後悔する」
と泣きながら伝えました。
すると最後には夫も理解してくれて、
私たちは午前中のうちに実家へ向かいました。
実家に着いてハナを見ると、
呼吸が少し速く、浅いように感じました。
でも、苦しそうというよりは、
静かに眠っているように見えました。
私はその日、ずっとハナのそばにいました。
そばで撫で続けながら、
ただひたすら一緒の時間を過ごしました。
そして夕方が近づいた頃、
ハナの呼吸の仕方が変わったことに気づきました。
お腹を大きくへこませるように呼吸をして、
呼吸と呼吸の間隔が少しずつ開いていく。
その様子を見て、直感的に思いました。
ああ、もうすぐ旅立つんだ。
私は父に
「ハナの呼吸が変わった」
と伝えました。
父もそばで見守る中、
私はハナに上半身を近づけ、体を撫でながら何度も声をかけました。
「大丈夫だよ」
「ハナ、ありがとう」
「愛してるよ」
何度も伝えました。
ハナは、最後に答えてくれるようにひと鳴きして
そのまま、静かに呼吸を止めました。
穏やかで、まるで眠っているような顔でした。
そのあと、お風呂場で汚れているところを
きれいに洗い、乾かして、ブラッシングをしました。
少し落ち着いてから、足型のスタンプも取りました。
現実を受け止めているようで、
まだ受け止めきれていないようで。
頭の中はふわふわしているのに、
心にはしっかりと大きな穴が空いていて。
何の前触れもなく涙があふれてくる、
そんな数日間を過ごしました。
SNSでつながった方たちからは、
「ハナちゃんはきっと幸せだったよ」
と、たくさんの言葉をかけてもらいました。
介護を経験させてくれたこと。
長生きしてくれたこと。
最期までそばにいさせてくれたこと。
ありがとう、という気持ちがありました。
その一方で、どこかやりきったような、
達成感にも似た不思議な気持ちもありました。
でも、ひとつだけはっきり言えることがあります。
あの日、父からハナの体調の変化を聞いた時に、
「今回は帰らない」
という選択をしていたら、
私はきっと、ハナの最期に立ち会えなかったことを
ずっと後悔していたと思います。
だからこそ、
自分の気持ちに正直になって本当によかったと
今でも心から思っています。
この経験があってから私は、悩んだ時は
「自分がいちばん後悔しない選択はどれか」
を考えて行動するようになりました。
ハナがお空に行ってから、もうすぐ5年。
それでも、
こうしてこの記事を書きながら思い出すだけで、
涙が溢れてきます。
別れはつらくて、
何年経っても寂しさが消えることはありません。
それでも、
あの日の自分の選択を、
私は今でもよかったと思っています。
ハナがくれた時間と経験を、
これからも大切にしていきたいです。
ハナ。
これからもずっと、あいしてるよ。

