介護で怒鳴ってしまった日もある|それでも続けるための心のケア|犬の認知症#4
シニア犬介護のメンタルケア
――ー認知症の子と暮らす飼い主さんへーーー
前回の記事でも少し触れましたが、犬の認知症の介護でいちばん消耗するのは、体力よりも「心」かもしれません。
特に中期に入ると、
夜鳴きが続く
コミュニケーションが一方通行になる
できることが減っていく、変わっていく姿を目の当たりにする
伝わらない、呼んでも振り向かない
こうした出来事が積み重なって、
胸の奥がずっとざわざわするような日々になります。
私も、悲しくてたまらなかった。
少しずつの変化がなかなか受け止められなかった。
仕方ないことのか…と『辛いこと』はなかなか他の人に相談できず
抱え込んでいました。
「心配・不安・寂しさ」が襲ってくるのは自然なこと
認知症の介護は、ほとんど付きっきりになる日もあります。
自由な時間は減り、睡眠が削られ、生活の予定がその子中心に組み替わっていく。
すると心の中には、相反する感情が一気に増していきます。
心配(この先どうなるんだろう)
不安(今日は寝られる?事故は起きない?)
寂しさ(以前の“あの子”が遠くなる感じ)
この状態は、心理学でいう「予期悲嘆」や「曖昧な喪失」と呼ばれるものに近いです。
愛犬は目の前で生きているのに、記憶や性格、絆のが薄れていくように感じます。
悲しみの終わりが見えにくく、心がずっと緊張したままになりやすいのです。
ここで大切なのは、つらさを「自分の弱さ」や「愛情不足」に変換しないこと。
認知症の介護は、そう感じてしまうことが多いです。
私も、だんだん受け入れられるようになりました
最初はただただ苦しかったけれど、
私は少しずつ受け入れられるようになりました。
きっかけは、SNSで同じように介護している人たちとつながれたこと。
「かわいいね」
「今日も頑張ったね」
そんな言葉を言い合えるだけで、孤独が少し薄くなっていったんです。
そして、日々の中に“尊い瞬間”が確かにありました。
すやすやと眠る寝顔を見るとき。
一生懸命ご飯を食べる姿。
それは、介護の大変さとは別の次元で、
特別に愛おしい気持ちでいっぱいになりました。
追い詰められて怒鳴ってしまった、今でも後悔している
正直に書きます。
精神的に追い詰められて、怒鳴ってしまったことがあります。
夜鳴きで起こされ、ぐる活(徘徊)に付き合いそれでも寝てくれなかった時…
泣きながら怒鳴っている自分がいました。
今でも後悔しています。
でも同時に、ここも伝えたい。
追い詰められるほど頑張っていた、という事実もそこにあること。
睡眠不足、終わりの見えない不安、誰にも言えない孤独。
人は余裕が削られると、普段の自分ではいられなくなります。
もし私と同じように後悔することがあっても、自分を責めないでください。
「抱え込まない」ために、共有できる人はいますか?
辛い思いを、誰かと共有できていますか?
家族でもいい。友人でもいい。
SNSでもいい。
当時の私にはなかったですが、今はAIに相談相手になってもらうと言う方法もありますね。
シニア犬の介護は、まだまだ社会的に理解されにくいと感じます。
「犬の介護ってそこまで?」
「家にいるんだからできるでしょ?」
そんなふうに軽く扱われてしまうこともある。
だからこそ、経験者同士や家族で「気持ち」を共有することが必要です。
共有は、解決策をもらうためだけではありません。
「つらいと言っていい場所」を作ること自体が、メンタルの安全策になります。
今すぐできるセルフケア:ジャーナリング(書き出すケア)
おすすめしたいのが、ジャーナリングです。
難しいことは要りません。5分でいい。
今日つらかったこと
不安だったこと
寂しかったこと
言えなかった気持ち
全部、書き出します。
きれいにまとめなくていい。
正しい言葉じゃなくていい。
「つらい」「無理」「もう嫌」でもいい。
書くことには、感情を外に出す“排気”の役割があります。
頭の中に詰まっていたものが、少しだけ整理されて、気持ちが落ち着くことがあります。
完璧主義にならないで
介護をしていると、「できなかったこと」に目が向きやすいです。
でも、完璧を目指すほど、心が折れてしまいます。
おすすめしたいのは、“今日の方針をゆるくする”こと。
たとえば、こういうふうに自分に許可を出す。
昨日はぐる活(徘徊)にたくさん付き合った。だから今日は「できる時になでなで」でいい。
今日は全部は無理。優先順位をひとつに絞る
できなかったことより、できたことを数える
例:
「トイレは失敗しちゃったけど、ご飯は昨日より食べられた」
この見方は“甘やかし”ではなく、介護を長く続けるための技術です。
外部サービスは「贅沢」ではなく、必要な休息
そして、強く願っていることがあります。
もっともっと、老犬ホームや訪問看護が気軽に利用できる世の中になってほしい。
現実には費用や地域差があり、簡単じゃない。
でも考え方としてははっきりしています。
飼い主が休むことは、贅沢ではありません。
戦略的な休息です。
睡眠不足を取り戻す
自分の体調を整える
感情の限界値を下げない
家族関係を保つ
外部の力を借りることは、愛犬を突き放すことではない。
最後まで愛し抜くための手段です。
まとめ:今日を乗り切るために必要なのは「頑張る」より「守る」
犬の認知症介護は、知識や環境整備も大切です。
でも、それ以前に飼い主さんの心が守られていないと、継続が難しくなります。
悲しいのは自然な反応
追い詰められるの心が弱いからじゃない
共有できる場所を確保する
書いて吐き出す(ジャーナリング)
完璧主義を手放し、加点で一日を閉じる
休むことは「愛のある決断」
介護の中で、少しでも呼吸できる瞬間が増えるように。
今日できることを一つだけ、頑張りすぎずに積み重ねていきましょう。
さいごに、質問です
今、いちばん大変だと感じるのはどれですか?(近いものを1つ)
A. 睡眠が取れない(夜鳴き・昼夜逆転)
B. 見守りが必要で休めない(徘徊・旋回・転倒が怖い)
C. 片付けが限界(トイレ失敗・粗相)
D. 食事の悩み(食べムラ・食欲低下・工夫疲れ)
E. 心がしんどい(罪悪感・怒り・涙・孤独)
F. 両立が難しい(仕事/育児/家事、家族の理解、費用)
よければ、コメント欄で教えてください。(同じ悩みの方の助けになります)
「同じ状況の方がいたら、ひとこと“私もです”だけでも大丈夫です」
「書きにくい方は“スタンプ感覚”で A〜FだけでもOKです」
