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2月下旬頃花期を迎える早咲きの河津桜。原木は静岡県伊豆河津町、京都一条戻り橋にも


2月に咲きはじめるサクラ


2月上旬は全国的に寒い日が続くが、暦の上では早くも立春。そして早咲きで知られる河津桜カワヅザクラが咲きはじめるころだ。
日本原産である河津桜(学名:Prunus lannesiana cv. Kawazu-zakura)は、早ければ2月の初めから咲き始める。
寒い時期に濃いピンク色の花が咲き、花期が約1か月、3月上旬位までと長いのが特徴。故郷は伊豆半島、静岡県賀茂郡河津町。

※カワヅザクラ:バラ科サクラ属、日本固有種 オオシマザクラ(大島桜)とカンヒザクラ(寒緋桜、ヒカンザクラとも)の自然交雑から生まれたとみられる。1955年頃河津町で発見、1968年頃から接ぎ木などで増殖されている。早咲きの桜として全国で植樹されるようになった。
参考:(公財)日本花の会・植木ペディア・Wikipedia

カワヅザクラはソメイヨシノのように一斉に満開になって、一斉に散ってしまうサクラではないため、見頃でなくても長く楽しめるのが良い。
わたしは過去2回河津に見に行ったのだが、見たところ開花は個体差がかなりある。最もたくさんの桜が見頃を迎えるのは、一週間から10日間くらいらしい。町では菜の花や梅の花も楽しめる。

河津町で見つかった一本の原木から植樹で増やしてきた河津桜が、河津町全体で約8千本あるという。河津川沿いには約4㎞にわたる桜並木がある。1970年代後半から植樹がはじまり、1991年に見ごろを迎え第1回桜まつりが開催された。その後TVで紹介され全国に知られるようになり、人口わずか7千人に満たない河津町に、桜まつり期間中100万人近くの観光客が訪れるそうだ。近年はインバウンドも増えているとのこと。(河津町ウェブサイト)

河津駅前「伊豆の踊子と学生」の像

河津桜まつり


毎年2月から3月にかけて一か月間開催される。今年はいつから始まるのかなと公式サイトを覗いたら、もう始まっていた。
2026年は、2月7日から3月8日まで。

◎満開でなくても、六分咲き以上で見頃宣言が出るそうで、2026年は2月13日に宣言が出た。

できれば満開に合わせて訪れたいが、河津桜は年によって満開時期が大きくずれることがある。咲き始めても満開が遅くなり、桜まつり終了後も見頃が続く年もあったり予定が立てづらい。開花情報とにらめっこになる。
車で行く場合、見頃宣言後の週末は駐車場を探すのが大変。町内にある駐車場はどこも同一料金で週末は1日2,000円。
最寄は伊豆急行河津駅。桜並木や原木は徒歩で回れる。原木は河津駅から1.3km北。

河津桜開花情報
河津桜まつり公式サイト

河津川の桜並木

京都一条戻り橋の河津桜


京都市上京区の晴明神社から、堀川通を南に100mほど下ったところにある一条戻り橋。橋の傍に河津桜がある。堀川沿いの小さな細長い公園の一角だ。京都の2月は非常に寒く雪も降る。その中でも咲き続けるこの河津桜のファンは多い。陰陽師安倍晴明ゆかりの戻り橋というのもあって、絶好の写真撮影スポットになっている。この河津桜も年によって開花時期がかなり違う。

わたしは以前、晴明神社の近くに住んでいたことがあり、よく見に行った。早咲きの桜として知られるようになったのは、三十年くらい前だと記憶しているが、ここにぽつんと植えられた経緯は調べてもわからなかった。
今では京都市伏見区の淀水路に2002年から約200本の河津桜が植樹されるなど、京都のあちこちで見かけるようになった。全国的にも桜並木として植樹するところが増えている。

戻り橋(上京区一条通堀川)

河津桜原木物語


原木は1955年に河津川沿いで野生種が偶然発見され、民家の庭に植えられたもの。1968年頃から増殖されはじめる。1974年に「カワヅザクラ」と命名された。

▼原木横の立て看板より
昭和30年頃の2月のある日、この家の主人であった飯田勝美氏が、河津川沿いの冬枯れの雑草の中で芽吹いていた約1㍍位に育った桜の若木を偶然見つけて、庭先に植えたのが始まりでした。約十年後の昭和41年1月下旬、やっと花が咲き始めました。同年4月、主の勝美氏は花が咲くのを見届け永眠しました。その後、きれいに咲く桜を見て譲ってほしいという話もありましたが、思い出の桜のため手放さなかったそうです。当時、この家の屋号からこの桜は「小峰桜」と呼ばれ親しまれていました。その後の調査で、新種の桜とわかり、昭和49年に河津で生まれた桜であることから「河津桜」と命名され昭和50年4月に河津町の木に指定されました。

原木(民家の敷地内にある)樹齢60~70年

植樹から50年が過ぎ、劣化の懸念


どこの地方にも共通する高齢化と人口減少の中で、河津町にとって河津桜は重要な観光資源となっている。ところが肝心の木の劣化が始まっているという。
参考) 静岡県交通基盤部管理局・河津町役場 「河津川の挑戦」から

・桜の木全体の7割に劣化、障害が判明。現状のままでは堤防沿いの桜は寿命を迎え、景観を保てない恐れがある。
・河津川沿いの桜の多くは河川法に基づいた植樹基準を満たしていない⇒治水安全度の低下を招く恐れがある。
・桜の適切な維持管理、伐採、移植が必要。また河川背後地などに新たな桜並木の形成を行っていく必要もある。
津波対策:河津川河口部に襲来が予想される津波の高さに対し、現況は高さが不足。

木の寿命に加え、河津川の桜並木は河川法や津波の問題があって、ただ植え替えればいいというだけでは済まないようだ。現状少しでも寿命をのばせるようボランティア団体「河津桜守人の会」が主体で管理しているという。

原木

日本全国で戦後の高度成長期に植えられた桜並木(主にソメイヨシノ)の老朽化が進んでいる。病気に強いというジンダイアケボノ(神代曙)など、新品種に植え替えられているのも目にするようになった。

川津来宮神社(杉鉾別命神社)

▼酒にまつわる神社
神社公式ウェブサイト
原木の近くに川津来宮神社カワヅキノミヤジンジャがある(㊟河津ではない)。旧称来宮(木宮)明神。酒好きの神、杉桙別命スギホコワケノミコトが主祭神。平安時代の「延喜式」に記載されている古い神社だ。
10月の例大祭では、「どぶろく開き」の儀式が行われ、宮司が仕込んだ「神の酒」を祭神にささげた後、訪れた見物客にも振舞われる。
神社の授与品には、ユニークな酒難除け「お酒を呑む人の御守り」がある。

※ちなみに、10月26日は『どぶろくの日』:どぶろくのシーズンは10月下旬からで、「ど(10)ぶ(2)ろ(6)く」と読む語呂合わせから。

▼「鳥精進トリショウジン酒精進サカショウジン」の風習
杉桙別命が酔って寝てしまい野火に囲まれたとき、たくさんの小鳥が羽に水を含ませ消火し、命を守ったという伝承がある。これから「|鳥精進・|酒精進」という氏子の風習ができた。
この風習は、毎年12月18日~12月23日の六日間、酒を断ち、鳥・卵を食べないというもので、これを怠ると火事になると信じられている。
この期間は、なんと河津町の小中学校の給食メニューからも、鶏肉や卵を使った料理が外されるそうだ。
参考)伊豆下田経済新聞 2024/12/21 の記事

推定樹齢千年以上といわれる御神木の大楠オオクスは国の天然記念物。

高さ約24m

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