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穀雨|恵みの中で、いのちを育てるとき

恵みの雨に、いのちが育まれるころ

やわらかな春の雨が、
大地をしっとりと潤すころ。

二十四節氣の「穀雨」を迎えました。

“穀物をうるおす雨”と書くこの節氣は、
種まきの時期に降る恵みの雨を意味します。

芽吹いたいのちが、
さらにしっかりと根を張り、
育っていくための大切なひととき。

目に見える変化だけでなく、
見えないところで、
着実に育まれているものがあることを
教えてくれる季節です。


穀雨という節氣

穀雨は、清明の次に巡る節氣。

澄みわたった世界に、
やさしい潤いが加わり、
いのちはさらに深く根づいていきます。

ここまでの流れの中で、

整え、
ゆるめ、
目覚め、
ひらき、
澄んできたものが、

いよいよ「育つ」段階へ。

焦らず、
比べず、
ただ、自分の歩みに寄り添いながら。

穀雨は、
そんなやさしい成長の節氣です。


穀雨は「育てていく」期間

二十四節氣の穀雨は、
四月二十日から五月四日まで。

春の終わりにあたるこの時期は、
次の季節へとつながる大切な橋渡しでもあります。

ここで大切にしたいのは、
すぐに結果を求めることではなく、

すでに芽吹いているものを、
丁寧に育てていくこと。

日々の小さな積み重ねが、
やがて大きな実りへとつながっていきます。


穀雨の暦

この時期の暦の流れを書き留めておきます。

四月二十日  穀雨
       一粒万倍日
四月二十三日 一粒万倍日
四月二十九日 昭和の日
四月三十日  春土用の戌の日
五月二日   満月
       八十八夜・一粒万倍日
五月三日   憲法記念日
五月四日   みどりの日・天赦日

一粒万倍日が重なるこの時期は、
小さな種が大きく育つことを象徴する巡り。

そして八十八夜は、
立春から数えて八十八日目。

新茶の季節でもあり、
「末広がり」の縁起のよい日とされています。

また、春の土用の期間とも重なり、
無理をせず整える時間も大切に。

育てることと、整えること。

その両方が、
やさしく重なり合う時期です。


穀雨の心がけ

この時期に大切にしたいのは、
「育てること」と「続けること」。

・はじめたことを丁寧に続ける
・日々のリズムを整える
・からだにやさしい食事をとる
・小さな変化に目を向ける

すぐに大きく変わらなくてもいい。

目には見えなくても、
確かに育っているものがあります。

その歩みを、
信じてあげること。


穀雨の香り

この季節に纏いたいのは、
「安定」と「育み」を感じる香り。

大地を思わせる落ち着きや、
やさしく包み込むようなあたたかさ。

ほんの少しの明るさを添えることで、
安心の中に、前へ進む力が生まれます。

穀雨の香りは、
ぐんと引き上げるものではなく、

「大丈夫、そのまま育っているよ」と
そっと寄り添ってくれるような存在です。


穀雨、親子でしたいこと

子どもと一緒に、
「育つ」時間を楽しむ。

種を蒔いてみたり、
小さな植物を育ててみたり。

毎日少しずつ変わっていく様子を、
一緒に見守る時間。

それは、
命の営みを感じる、かけがえのないひとときです。

また、八十八夜のころには、
お茶をいただきながら
季節の話をするのも素敵ですね。

日々の暮らしの中で、
自然の巡りを感じること。

それが、
子どもたちの中にも
やさしく根づいていきます。


清明から穀雨へ

清明で澄みわたった世界に、
穀雨で潤いが満ちていく。

光と水、
そのどちらもがそろって、
いのちは育っていきます。

私たちの暮らしもまた、
同じように。

がんばるだけでもなく、
休むだけでもなく。

そのどちらも大切にしながら、
やさしく巡っていくものです。


恵みの中で、育つ

降り注ぐ雨も、
あたたかな光も、
すべては、いのちを育てるためのもの。

今ある場所で、
今の自分のままで。

その歩みを大切にしながら、
日々を重ねていきたいものです。

この穀雨の期間が、
みなさまにとって
やさしく満ちてゆく時間となりますように。


二〇二六年 穀雨
暮らしのこよみ研究家 としみ

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