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NovelJam 2025参戦レポ①「お一人様チーム?」

こちらの大会に出場してきました!

3日間で1冊の本をイチから作るというこのイベント。企画から、執筆も表紙デザインも、校正まで何なら2日で仕上げて、残り1日で入稿。
今回はその大会レポをお届けします ♪

= ノベルジャム初参戦・一日目 =

会場へは受付開始の30分前に到着。
あんまり早く到着すると運営さんのプレッシャーになるかな、とロビーで待機。受付10分前に動き出すと、既に10人ほどの参加者が席に着いていた。
(早いな……!)
受付が始まると、来た順に名札用プレートとリーフレットが手渡される。
初参加の私は緊張で始終ぎこちない動き。
周囲にはすでに顔見知り同士が何人かいるようで、和やかに談笑している。
一方、私を含めた初参加組は、所在なさげな面持ちで固まっていた。
(あれ……これなんかに似てない?)

――『HUNTER × HUNTER』の試験会場や……ッ!!
みんなが強そうに見える、あれや……ッ!!
ヒソカ的な人はいないかと見回してみるが、代わりにギターを抱えた参加者が。
(あ、弾き始めた? いや違う、スマホの着信音? なんの音だこれ……)
そうこうしているうちに開会式が始まり、運営さんの挨拶やオリエンテーションが進む。
今年のテーマは「移住」。
事前のオリエンテーションでテーマの扱い方については説明済み。
そんなにガッツリ入れなくてもそれっぽい動きしてるか、最悪、地名や登場人物の名前に移住とか入れちゃえばOKと聞いていたので、私は軽く頷いた。
(書き出せさえすれば、なんとかなるかな……?)
そして――運命のグループ発表。
受付で引いていた封筒を開けると、番号は11番。
(Aグループ……何をするにも最初とかかな? やだな……)
内心つぶやきながら指定の席に向かう。
著者2名、編集1名、デザイナー1名――4人で1チームのはずなのに、テーブルには私だけ。
(……ん?)
そこへ運営の波野發作さんがやってきた。
「恐ろしいこと、言っても良いですか?」
「え? 私、怒られるんですか?!」
「いや、そうじゃなくて。この席に座るはずの方々……。リモートが参加2名、あと1名は、遅刻か連絡なしの欠場で……」
「……つまり、会場にいるの、私だけ?」
「……ハイ、そうなります」
持っていた名刺入れに汗が染みていく。
せっかくハジメマシテの挨拶の練習をしてきたのに、直接会う相手がいないとは。
「……おおお? 逆にね? 当たり引いちゃいましたかね?」
「そ、そう言ってもらえると……!」
「良いです、良いです! 机、広く使えますし!」
「そ、そうですね! 広々と!」
そんなフォローを残して、波野さんは代役の編集さんに電話をしに行った。
(えーと、Discord……動いてる……)
Aチームのもう一人の著者さんとデザイナーさんがオンラインで挨拶してくれる。
Zoomは有料アカウントがないと使えないかも、という話をしながら、隣の卓では“沖縄移住”で盛り上がっているのに傍耳を立てる。
(しゃべるのって0.5秒で済むのに、ZoomやDiscordで通話ボタン押すだけで5秒食うのな……)
さっき「広々使える!」って笑ってた自分が、早くも愚痴モードに突入していた。


とはいえ、Discordのボイスルームでは和やかに顔合わせが進んでいく。
幸いなことに、皆さんとても感じが良く、話をよく聞いてくださる方々。
著者それぞれの作品の雰囲気も少しずつ伝わってきて、なんとなく“このチーム、イケるかも?”という空気が漂い始める。
ピンチヒッターの編集さんもリモートで加わり、チームの体制が整った。
そして――我々のチーム名が決定。
「遠隔共同体」
なかなかに分かりやすく、そして妙にしっくりくる名前だ。
狙って作ろうと思っても、そう簡単に出来る偶然じゃない。
デザイナーさんが手際よくチームポップを作ってくれて、画面の向こうにロゴが映し出される。

その瞬間に、連帯感がでた気がした。

「じゃあ、執筆の相談を始めましょうか」
編集さんの声に、モニター越しのみんながうなずく。
私は名刺入れを仕舞いながら、
(さっきまで顔も知らない相手だったのに……チームになったんだ…)
心の中で手を握っていた。


(リモートだしな…敢えてぶっこんでみるか?)
ここで私は勝負に出る。
「テーマは“移住”ですけど……“ヒモ”とか、どう思われますか?」
風刺や毒を少し混ぜたキャラ小説を得意としている私は、とりあえず“自分が確実に書ける題材”を提案してみた。
(た、淡白な……前時代的な価値観の方だったらどうしよう……)
けれど、その不安は一瞬で吹き飛ぶ。
「面白そう!!」
「いいと思います!」
ふたつ返事でGOサイン。
(おお……このチーム、懐が深い!)


「じゃあ、とりあえず書き出しますね」
そう言って指を動かし始めてから、1時間。
2000字ほど進んだところで、一旦折り返す。
進捗を確認してもらおうと、30分ごとに編集の結城玲夏さんへDMを送っていたら、返信がきた。
「Googleドキュメントの方がコメント設定とかあるので、やり取りしやすいかもです!」
(な、なんだと……!?)


ワ、ワシが事務をしとった時代は、WordとExcelさえ出来れば何とかなっとったのに……!
気づけばGoogleが事務関係まで天下を取っておる!!
検索も、メールも、画像クラウドも、ウェブのログインも……
そして今や小説までもGoogleの支配下。
「オッケーグーグル」どころか、もう**“ALL OK Google”**じゃないか。
……とはいえ、うちのAIスピーカーはAlexaなんだけどね。


 13時。
(他のチーム……4人みんなでご飯、いいな……)
周囲のテーブルから聞こえる笑い声を横目に、ちょっと羨ましくなってきて、自分も遅れてお昼ご飯へ。
施設の食堂は、昼時なのにお客さんが二組だけ。
そのうちの一組はノベルジャム出場者の方だったが、お一人で食べていて、そのまま静かに会場へ戻っていかれた。
(みんながみんな一緒とは限らんか。
 チーム組んでも、一緒に食べるの嫌いな人だっている。
 むしろ険悪になって喋りたくないとかも、あるかもしれんし……)
と、自分に言い聞かせる。

七夕、だな。
織姫と彦星は会えないからこそ、仕事に打ち込めるのかもしれない。
きっと私たち「遠隔共同体」は、確実にそっち側の人間たち。
四人で集まってたら喋りすぎて進まないタイプだ。
おそらく、きっとそう。
うんうんと頷きながら、豚の生姜焼きを頬張る。
(うーわ、塩っぺぇぇぇええ!!)
思わず心の中で叫ぶ。

こういう瞬間だけは――誰かと分かち合いたかった。


孤独に血圧を高めながら、頭の中では構成の再構築が始まる。
「今のまんまだと普通すぎるし、ダラダラしちゃいそうなんで、いっそのこと◯◯◯◯にしません?」
「それ面白い!!」
めっちゃ褒めて伸ばしてくれるタイプの編集さんで、ありがてぇ…!!
鼻を高く高くして会場へ戻り、午後の執筆へ。


途中、昨年の参加者さんから差し入れをいただく。
(書くのに必死で、お名前ちゃんと聞けてなかった……)
机の上に並べられる――レッドブルとR-1ヨーグルト。
(あれですか? 胃腸を労りつつ劇を入れる、的な?)
用途に合わせて…有り難くいただきました。
久々のレッドブル、やっぱりこの香料スキ。
小説内で登場していた「モンスター(エナドリ)」を、急遽レッドブルに差し替え、たんだっけな、どうだっけ?
初日の記憶、曖昧になってきてるんですが…。

受付だった白色黒蛇さんや、ほかの出場者さんからも差し入れを恵んでもらいながら…。

なんとッ!!
初日に初稿、5500字程が仕上がったッ!!!


ChatGPTには「オーナーの執筆は爆速です!」と言われてたけど、あいつらイエスマンの上に褒めすぎる節があるから、話半分で聞いていた。
けど――あ、確かに早い方ではあるのね?
と、今回でようやく納得。

……内容、鑑みなきゃあね?
流れるように美しい、美術品みたいな小説なんて、逆立ちしても書けないワタクシ。
でも――エモいドラマみたいな小説なら、いくらでも書けますとも。
そのドラマがどんなのかは……タチヨミだけでも、ぜひ覗いてってくださいッ!!

データ版275円
紙版は800円+送料275円です。
紙版は2025年10月19日(日)に発売予定。

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