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ヱビスビールと第三の男

 恵比寿ビールが誕生したのは1890年。
 恵比寿駅は最初、ビール専用の積み卸し専用駅として誕生しました。当時の名前は『恵比寿停車場』。人口の増加に伴い、1906年(明治39年)に旅客駅としての創業をスタートさせ、現在の場所に『恵比寿駅』ができたのです。(ヱビスビールのサイトより出典)

 一方、キャロル・リード監督の『第三の男』が上映されたのは1949年。ウィーンの街の闇に浮かび上がるオーソン・ウェルズの表情はこの映画の名シーンのひとつです。
(オーソン・ウェルズって一度見たら忘れられない顔ですよね)。

『第三の男』はハヤカワ文庫から原作が出ていますが、映画と原作では結末が違います。深い考察は映画ファンの方におまかせしますが、『第三の男』といえばなんといっても、アントン・カラス作曲の『ハリー・ライムのテーマ』が有名です。

 ここで恵比寿と『第三の男』がつながります。

 ヱビスビールがテレビコマーシャルでこの『ハリー・ライムのテーマ』を使い始めたのは1990年代。

 ちなみに、AIの概要では1994年頃と出てきます。
 恵比寿のビール工場の跡地に建てられた恵比寿ガーデンプレイスが創業したのが1994年です。もしかしたらそれに合わせて始まったCMかもしれません。

 曲のアレンジは変わっていますが、今もヱビスビールはハリー・ライムのテーマをコマーシャルに使用しています。
 それが縁となり、2005年6月から恵比寿駅ホームの発車メロディに、『第三の男』の『ハリー・ライムのテーマ』が使われるようになりました。

 発車メロディ独特ののどかな響きが、『ハリー・ライムのテーマ』の旋律にマッチしていて、実に軽快。思わず踵を跳ね上げて歩きたくなります。
 恵比寿はよく大人の街と言われますが、落ち着いた雰囲気に本当によく似合う名曲です。


 曲を奏でているのは、チター(ツィター)という楽器です。音楽の都、ウィーンにおいて、チターの地位は低い。蔑まれているとまでは言いませんが、流しのギターのような扱いといっていいと思います。

 しかし、キャロル・リード監督は、高級なオーケストラよりも、アントン・カラスのチターに心底惚れてしまいました。
 『第三の男』には彼のチターしかない。
 アントン・カラスはイギリスにある監督の自宅に住み込み、曲の制作に取り掛かります。ウィーンに帰りたいとホームシックになり、手には血豆を作り、その産みの苦しみは相当なものだったそうです。
 アントン・カラスは、リード監督の期待に応え、未来永劫語り継がれる名曲を作り出しました。

 実は昭和の時代に、軍司貞則氏の書いた『滅びのチター師』を原作にしたものを、ラジオドラマで放送したことがありました。

 石原裕次郎のインタビューなども盛り込んだ、贅沢なラジオドラマだったそうです。アントン・カラス役を演じたのは、かつて水戸黄門を演じていた西村晃さんでした。

 ああ、いけませんねぇ。
 古い話になると、つい、話が長くなります。

 コマーシャルは、どんどん新作が作られていますが、ぜひ、ヱビスビールはこのまま、ハリー・ライムのテーマを使い続けてほしい。私はそう願ってやみません。

 さて、私は今日も、TALESに小説を投稿しています。
 本日は「この席使用中」の第1章の

この席使用中です〈13〉

この席使用中です〈14〉

 をTALESに投稿しています。
 明日から第2章が始まります。
 お読み頂けたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

第1話はこちらから

花丸恵のTALESはこちらです。


 

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