見出し画像

答えを渡すより、問いを置く。変革が起きる場所はいつも同じだった

運命レボリューション Season 14「変革の技術」EP05

答えを与えるより、問いを置く。変革の設計はそこから始まっていた。

説明した。資料も用意した。理由も丁寧に伝えた。

それでも変わらなかった。

そういう経験をしたことがある人は、もしかすると「答えの渡し方」に原因があったのかもしれない。

言葉の中に、特別な形がある

Season 6「言語化革命」から積み重ねてきた話の中に、「言葉が場を変える」という視点があった。

今回はその延長線上で、言葉の中でも特殊な形式に注目してみたい。

「問い」だ。

問いは、答えとは全く異なる働きをする。答えは情報を渡す。問いは、受け取った人の中に考える空間をつくる。

この違いが、変革においては大きな意味を持つ場合がある。

アプリシエイティブ・インクワイアリーが示すこと

デイヴィッド・クーパーライダーが提唱したアプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)は、組織開発の分野で広く研究されてきたアプローチだ。

「何が問題か」ではなく、「何がうまくいっているか」を問いの出発点にする。この視点の転換が、組織の変化に与える影響を、クーパーライダーは数多くの事例から記録した。

問いの向きが変わると、注目するものが変わる。注目するものが変わると、次の行動が変わる。行動が変わると、場の文脈が少しずつ変わっていく。

問いは、場を特定の方向に傾ける力を持っている。

ソクラテスが残したもの

ソクラテスは、答えを教える人ではなかった。

彼は対話の中で問いを投げかけ続けることで、相手が自分で考えることを促した。「ソクラテス式問答法」と呼ばれるこのやり方は、相手の中にあるものを引き出すことを目的としていた。

この手法の核心は、「あなたはどう思うか」を問うことにある。答えを渡すのではなく、相手が自分の中に答えを見つけるプロセスに付き合うことだ。

変革の設計においても、同じことが言える場合がある。「こうすべきだ」と伝えるより、「これについてどう思うか」と問うほうが、相手の中に変化の種を植えることができる。

問いには「開く問い」と「閉じる問い」がある

問いを使う上で知っておくと役立つ区別がある。

「開く問い」は、相手が自由に考えられる問いだ。「あなたにとって、この状況で一番重要なことは何か」のような形だ。相手の思考を広げる。

「閉じる問い」は、はいかいいえで答えられる問いだ。「これに同意しますか」のような形だ。相手の思考を特定の方向に絞る。

変革の文脈では、最初に開く問いを置き、対話が深まった段階で閉じる問いに移ることが多い。場面によって使い分けることが、問いの効果を高める。

誰もまだ声に出していない問いを置く

問いの中でも、特に変革の力を持つものがある。

その場にいる人が感じてはいるが、誰も声に出していない問い。「これって本当にこのままでいいんだっけ」という、空気の中に漂っている疑問に言葉を与えること。

たとえば、売上目標は達成しているのに、チームの誰もが疲れた顔をしている場がある。数字だけを見れば「うまくいっている」はずなのに、会議室の空氣はどこか重い。

そこで交わされる会話は、たいてい「来月の目標をどう達成するか」で止まる。本当は誰かの中に、「このペースを、この先も続けられるんだろうか」という問いがある。しかし、そのことを口にすると数字への氣持ちを疑っているように聞こえるから、誰も言い出さない。

そこで最初に「このやり方を、あと1年続けられそうですか」と問いを置いてみる。答えを求める問いではない。みんなが薄々感じていたことに、輪郭を与える問いだ。

それを最初に声に出す人が、変革の入り口をつくることがある。

答えは持っていなくていい。問いを置くことが、すでに変革の設計の一部になっている。

今日の一手

自分が関わっている場で「誰もまだ声に出していない問い」を、一つ書き出してみると、変革の入り口が見えることがある。

「本当は〜じゃないか」「〜を試してみたらどうなるだろう」という形の問いが見つかれば、次の会話や場に置いてみる方法がある。

あなたに聞いてみたい

「この問いが場を変えた」と感じた経験はありますか。どんな問いだったか教えてもらえると、読んでいる人の参考になります。

次話へ

問いが変革を起こすことがわかった。

では、変革の過程で避けられない「摩擦」とどう向き合うか。

次話では、摩擦を変革の邪魔と捉えるのではなく、変革を深める素材として扱う考え方を見ていく。


📚️この記事を紹介してくださったマガジンです📚️

    ぜひチェックしてみてください



© 開運シェルパ|@hanamiti369 運命レボリューション Season 14「変革の技術」EP05「問いが変革を起こす」

いいなと思ったら応援しよう!

開運シェルパ ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 もし今日の内容が「一歩が軽くなった」「視界がひらけた」と感じたら、チップで応援していただけたら嬉しいです。 いただいた応援は、次の記事の取材・検証・推敲のエネルギーに変えて、また“実装できる形”でお届けします。

この記事が参加している募集