1on1は雑談でも管理でもない。「障害物除去」の時間
シーズン2 第3話
「1on1を実施しているけれど、最近ただの雑談になっている」「結局、業務進捗の確認だけで終わってしまい、部下が疲弊している」。そんな悩みを持つマネージャーは少なくありません。
1on1の目的が曖昧だと、それはただの「報告会」か「お喋り」に堕してしまいます。報告会になれば部下は「詰められる場」だと感じて防衛的になり、本音が出なくなります。運のいいチームを作るための1on1は、「管理」の時間ではなく「障害物除去」の時間であるべきです。

1on1が「報告会」になると、なぜ本音が死ぬのか
上司が「あれどうなっている?」「なんで遅れているの?」と矢継ぎ早に質問すると、部下の脳は「脅威」を検知し、防衛モードに入ります。すると、「順調です」「大丈夫です」といった無難な回答しかしなくなります。これでは、現場で起きている本当の問題(=不運の種)を早期に発見することができません。
1on1で目指すべきは、部下が抱えている「動きづらさ」を取り除き、本来のパフォーマンスを発揮できる状態に戻すことです。主役は上司の知りたいことではなく、部下の困っていることです。
1on1の目的を1つに絞る:「障害物は何?」
効果的な1on1にするために、質問をシンプルにしましょう。「進捗はどう?」の代わりに、以下の質問を使ってみてください。
障害物除去のための3つの質問
業務の障害:「今、進める上で一番邪魔になっているものは何?」
関係の障害:「連携がうまくいっていない部署や人はいる?」
内面の障害:「最近、気になっていることや不安なことはある?」
上司の役割は、部下が挙げた障害物を一緒に取り除くことです。「それは俺が他部署と調整しておくよ」「その作業はやらなくていいようにルールを変えよう」。これが「支援」の実感を生み、信頼関係(心理的安全性)を深めます。

"伴走者"の振る舞い(要約→確認)
部下が話し始めたら、すぐにアドバイスをするのは我慢しましょう。まずは「聴く」ことに徹します。そして、一通り聞き終わったら必ず「要約」と「確認」を行います。
「つまり、君が今一番困っているのは〇〇ということで合っている?」
この確認プロセスがあることで、部下は「正しく理解された」という安心感を得ます。解決策を出すのは、その合意が取れてからです。

まとめ:1on1が機能すると、運の回復が早くなる
トラブルや停滞(=不運)は、現場の小さな「詰まり」から始まります。1on1でその詰まり(障害物)を定期的に取り除くことができれば、チームは常にフロー状態で仕事ができ、結果として良い流れ(運)に乗り続けることができます。
【今週のミニ習慣】(所要時間:30秒)
次の1on1で、必ず1回だけ「今、仕事を進める上でいちばん邪魔している障害物って何?」と聞いてみる。
次回予告:
障害物を取り除いたら、次は成長のための燃料を注ぎます。次回は「フィードバックを『怖い』から『武器』に」変える技術をお伝えします。
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