『日帰り異世界旅行社記録簿・第十二巻』
『日帰り異世界旅行社記録簿・第十二巻』
『ファンタスティック・ナイン9』
「日帰り異世界旅行社」
社員・主要キャラクター一覧(現行チーム構成)
高倉 健司
人間
社長・記録探査リーダー
エーテル鞭《サーペント・ロープ》/行動力と対話力の象徴
スイム
スライム
帽子型支援・健司の護衛
擬態変形《フュージョン・シールド》/健司の“帽子”として守る使命
バニラ
獣人(うさぎ)
戦闘秘書・記録管理
蹴撃《ハイヒールキック》/俊敏で頭脳明晰なバニー戦士
コロ
獣人(コアラ)
火力&防御担当
火炎噴射《フレア・コロナ》/むちむちグラマーの姉御肌
リュシア
エルフ
支援・癒し・調停
癒しの歌《セレルの祈り》/森の叡智と優しさを持つヒーラー
ゴン
小人族(ドワーフ)
近接戦・交渉
戦鎚《クラッグ・ハンマー》/鍛冶屋出身の説得戦士
ヴァルゴ
魔族
影の護衛・記録の裏側調査
影剣《ヴェイル・カリバー》/黒衣の静かなる戦士
レオナ
竜族(赤竜)
外交修行中・記録具現の象徴
真の竜姿への変身能力/気品と武力を兼ね備えた竜の姫
ミオ
元・巨人族
対話係・記録継承者記憶の声を通じた対話/巨人化して仲間をかばう優しき少年
プロローグ『創世の記録と、女神の願い』
この宇宙には、「最初の記録」が存在する。
名も形もない混沌より生まれたその一片は、やがて言葉を持ち、理を編み、星々と命を産み落とした。
それを編み上げた存在がいた。記録の創始者。
この世界に“意味”を与えた存在――彼女を、人は「女神」と呼ぶ。
けれど今、その女神が記録の旅人たちのもとを訪れた。
「世界が、歪んでいます。……いえ、正確には“記録”が、喰われています」
語るその声には、全宇宙の理を見守ってきた神の威厳と、どこか少女のようなかすかな揺らぎがあった。
彼女の姿は光であり、影であり、全存在の母のようでもあった。
旅行社本社の会議室に座る九人の社員たち――高倉健司、スイム、バニラ、コロ、リュシア、ゴン、ヴァルゴ、レオナ、ミオは、沈黙の中にいた。
「私は“記録の流れ”そのものです。ですが今、私の根幹に、**《空虚》**が広がっているのです。
喰らわれた記録は戻らない。けれど、それでも止めなければ、やがてこの宇宙そのものが“意味を失う”」
その名は――ブラックホール・ワルダー。
記録を、存在を、物語を、星ごと呑み込む虚無の核。
無数の世界が、彼の歪みに吸い込まれ、忘れ去られた。
それはただの災厄ではない。記録の消失は、そこに生きたすべての証の否定だ。
女神は言った。
「皆さんにお願いがあります。
どうか、“最初の記録”を守ってください。
これは、私個人の願いです。女神としてではなく、記録を愛する一人の旅人として……」
その瞬間、健司はゆっくりと立ち上がり、笑った。
「了解だよ、女神さん。俺たち旅行社だ。どんな異世界にも行く。
たとえ、それが“世界の始まり”でも、“記録の終点”でもな」
そして女神は、その笑顔に目を細め、そっと指を差し出す。
「あなたたちに、新たな名を贈ります。
――“ファンタスティック・ナイン9”。
この宇宙を旅する最後の英雄たちへ」
その瞬間、天井が光に満ちた。
9人の胸に、記録の紋章が輝く。
物語は、宇宙の果てへと動き始める。
それは“旅”であり、“戦い”であり、
なによりも、“記録”そのものを巡る旅路。
この世界を、守るために。

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