【生き延びるために芸術は必要か】を読みました。
「アートなんて、生活に直接役立たない」と思っていませんか?
【生き延びるために芸術は必要か】
タイトルからして素敵な本。
美術家の森村さんが、
自然災害、戦争、AIの発達、地球環境、パンデミック、情報革命、差別、貧困……などがはびこる世の中で「芸術」を手がかりに、「生き延びるとは何か」というテーマに取り組んだ素晴らしき著書です。
世の中は、「生き延びること」について危機を痛感する事態が繰り返し起きていますね。
この本には、〈人が人であるために必要なもの〉が詰まっています。
著者が問いかけるのは、「生きるために本当に必要なものとは何か?」。
パンや水のように目に見えるものだけが命をつなぐのではない。アートは、心の酸素。社会がギスギスし、未来が見えなくなった今だからこそ読みたい一冊です。
絵画の解説などもあり、美術書としても楽しめますが、
ただのアート論では終わらない「人間性のコア」に触れる哲学書でもあります。
著者は、三島の「金閣寺」にも触れており、
「生き延びるためには勇ましくあってはならない」
と言っておられます。
著者の言葉は、アートを特別な人たちのためのものではなく、誰にとっても生きる道具なのだと教えてくれました。食料や住居のように目に見える生存条件ではなく、心をつなぎとめる無形の糧としての芸術。
それは、言葉にならない不安や孤独を受け止め、次の一歩を踏み出す力をくれるものでした。
私も文学や絵画、舞台、音楽などから大きなエネルギーをいただいてきました。
だからこそ、「生き延びるために芸術は必要である」と思っています。
そして「表現することで人は、自分の苦しみを客観視できるようになる」と感じています。だからこそ、SNSに書く一言、落書き、歌声…。
どんな小さな表現も、私たちの命を支えているのだと思いました。
「何もしたくない」「先が見えない」と感じたとき、この本はそっと手を握ってくれます。
そして静かにこう語りかけてくれるのです。
「大丈夫、生き延びる力は、あなたの中にある」と。
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