【詩】拝啓 未練の影を帯びた私へ
つぼみはきっと、雨なんかに負けない。
拝啓 未練の影を帯びた私へ
今年も春が顔を見せ始めましたね。
踏み出しかけた一歩を
躊躇ったのは 引っ込んだのは
真冬に影を 残したからですか
背中に隠れた傷跡から
滲み出た涙が 少し見えたのは
粉雪がまだ 溶けないからですか?
優しくつぶやく春風でも
あなたの時間を 動かせないのは
思い出が 捨て切れないからですか?
それでも ほら
あの人の影を帯びたまま
赤い傷跡を抱えたまま
手を繋いであげますから
いつもより長い あなたの冬が
少しだけ顔を見せた あのつぼみのように
早く終わるといいね
私
