少年ギギの旅 −物語−
「あー何て可哀想なギギ。。。」そういってお婆さまがボクを抱きしめた。
お母さまが動物に襲われて死んだって。
お父さまは、狩に行ったきり戻って来ない…そうボクは一人ぼっち。
お婆さまは沢山の愛情をくれるけど、ボクの心には小さなオアシスさえもできない。
何処かで生きているお父さまに逢いたいと思う気持ちがドンドン膨らんでいくんだ。
ある日、ボクは星座を目印に北へと歩き出した。
⌘⌘⌘
ボクは歩き疲れると像の背中で休むんだ。時々水を掛けて身体を冷ましてくれる。仔象達はお母さんの横で甘えて体や頭をすりつけてくるんだ。
ボクもそうだった。お母さまに甘えたい時は。。。
「男なら強く生きるんだ。生まれてくる時も死ぬ時も一人なんだ」ってお父さまが小さいボクに言っていたと聞いていた。だからボクは泣かない。きっとお父さまもそんなボクを誇らしく思ってくれるから。
サバンナの夕陽はまあるくて大きい。
キリンに乗って地平線に向かって走るんだ。
風が気持ち良い。でも何処まで行っても地平線には追いつかない。
お父さまの背中にも追いつかないんじゃないかって、ボクは悲しくなるんだ。
⌘⌘⌘

それは突然やってきた。
黒い影が大地を覆ったんだ。
でも、その日陰のお陰でボクは暑さから逃れられた。
見上げるとそこには見たこともない大きな鷲がいた。いや、足はライオンだ。
動物達は恐れてボクを残して走り去ってしまった。あの百獣の王もチーターも、象もキリンも。
本当に一人ぼっち。。。。
『ねえ、キミが来たから皆んないなくなっちゃった。ボクは一人でサバンナでは生き。。。』そこまで言って、お父さまの言葉を思い出して両手で口をふさいだんだ。
夜は不安で一人では眠れない。
そんなボクの気持ちを察したのか、鷲はじーっと側に居て、時々羽根でボクの顔を撫でて、柔らかいお腹に抱いてくれた。
『ボクが立派な男になるまで、一緒に居てくれたらいいのに。』
⌘⌘⌘
「ギギ、今だ!」
グリフィンのお陰でボクは自分で生きていける力を身につけた。
そうあの日から鷲のことをグリフィンと呼び、彼から生きる術を学んできた。
逞しくなったボクを見たらお父さまはきっと喜んでくれるに違いない。
『グリフィン!見ててくれ!お前が嫌いなハイエナをいま仕留めてやる!』
狙った獲物は必ず仕留めることができた。
「やめろ、ギギ。いま彼らはただ移動しているだけだ。殺す意味はない。」
グリフィンの言葉は絶対だった。
その夜、ボクはグリフィンの背中でお父さまの言葉を思い出していた。
『お父さま、ボクは立派な男になりました。
一人で生きてゆける知恵を得ました。今はお婆さまの事が心配です。お父さまに逢えないのは残念ですが。。。』
「お婆さまは、お前の帰りを待っているぞ、ギギ。帰って守りなさい。」
そう言うと、グリフィンの羽根が寂しく空を仰いだ。
それが別れの言葉とボクは気づいた。
『ありがとう、グリフィン。大好きだ。お父さまと同じくらい大好きだ!』
そして最後の夜、ボクはお父さまの夢を見た。
<完>
こちらの企画参加作品になります😊
まさかのサバンナ〜どうかな🙄
いいなと思ったら応援しよう!
頂いたチップは、今後の活動に使わせて頂きます。ありがとうございます💛