半導体浮世絵東海道五十三次(48) 坂下|〜熱で整え、峠へ向かう〜
半導体浮世絵工房
東海道五十三次「坂下」
熱で整え、峠へ向かう
東海道五十三次、48番目の宿場町「坂下宿(さかしたじゅく)」。
現在の三重県亀山市関町坂下に位置し、
東海道最大の難所の一つ、
「鈴鹿峠」の東側に広がる宿場町でした。
参勤交代の大名や、
多くの旅人たちは、
この地で身体を休め、
峠越えへ備えました。
険しい山道へ向かう前の、
重要な休息と出発の拠点。
それが坂下宿です。
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私はこの「坂下」に、
半導体の
“バッチ式アニール炉”
を重ねました。
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半導体は、
イオン注入や加工工程によって、
結晶へダメージを受けます。
その結晶を、
熱によって整え、
次工程へ送り出す。
それが、
アニール工程です。
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今回の作品では、
坂下宿の象徴でもある
山峡の滝を、
熱流として重ねました。
崖の間を流れる熱。
静かに加熱されるウエハ。
そして、
複数枚のウエハを一括で整える、
バッチ式アニール炉。
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ただ、
私は今回、
単なる装置説明図にはしたくありませんでした。
目指したのは、
「自然の中に、
半導体工程が潜んでいる世界」
です。
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実際、
「坂下」という地名そのものの周辺には、
大きな半導体工場があるわけではありません。
ですが私は、
この宿場町が持つ
“峠へ向かう前に整える”
という役割に、
強く惹かれました。
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旅人たちは、
鈴鹿峠へ向かう前に、
身体を整える。
ウエハは、
次工程へ向かう前に、
熱で結晶を整える。
その姿が、
どこか重なって見えました。
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半導体浮世絵工房
東海道五十三次「坂下」。
鈴鹿の山峡で、
今日も静かに、
熱が流れています。

