企業理念の怪(ようこそカネックスへ)Sping mix
名ジョブホッパーとして、語らねばならない会社や出来事が多すぎる。
今回の会社は、約10年前、投資をはじめるきっかけにもなった会社、(株)カネックスだ。
20人くらいの会社で、わたしが勤めた会社の中で一番小さい。
ほんとうの会社の怪談が存在するのは、これくらいの規模のところだと思う。
ファーストインパクトは、採用面接。社長が誕生日図鑑で、採用を決めるのだ。知っている人は知っていると思うが、中小の面接の現場では、よく当たると評判の誕生日図鑑が幅を利かせていることがある(※わたしは何度もその誕生日図鑑を見たが、確かに当たっているかもしれない)。
血液型も重要情報。
誕生日図鑑、血液型、そして社長の学歴コンプレックスが交錯し、そこにどういう作用が働くのかわからないが、結果だけを言えば、変人が集まってゆく。
わたしの入社後1年で社員の半数が辞める事件、ハワイ在住シャーマンの自主制作CD事件、社長室流血事件など怪談は多々あるが、今回は、会社の根幹となる、経営理念の話をしようと思う。
ハワイアン・シャーマンの事件はこちら(↓)
社長はとにかくお金が大好きだ。お金が大好きすぎるがために、社内に様々な歪みが生じ、毎回ピンチに陥り、一転、お金大好きが突破口になる。これはいったい何のサイクルだろう?
そのカネゴン社長は、言うことがころころ変わる。社員からは朝令暮改と言われ嫌がられていた。
社員の陰口を知ってか、なんかそう思われそうだなと感じたとき、社長はよく「うちの経営理念は『諸行無常』だからな」と言った。
諸行無常――。
最初に聞いたときは衝撃だった。
すべてのものは移ろいゆく、変わらないものなどない、という趣旨の仏教用語だが、それを経営理念に持ってくるとは……。
すごい経営理念だなと思いながらも、毎回言うことが変わるのも、諸行無常が経営理念なら仕方ないと、あきらめの気持ちが湧いてきたのもまた事実だ。
だが、ある日、取引先からの要請で、会社の経営理念を開示する必要に迫られた。
正確な文章を回答する必要があるため、部長に聞いてみる。「うちの経営理念って、どこかに書いてありましたっけ?」
「え、ホームページにあるやん」
「えっ、ホームページに書いてあるんですか?」
たしかに、ホームページの隅に「経営理念」という小さなテキストあった。
クリックする。
セカンドインパクトがわたしを襲う。
長々とごく一般的な教訓のようなことが書いてあったが、「諸行無常」という言葉はどこにもなかった。
社長、これが諸行無常ということなんですね。
わたしは、カネックスの経営理念を理解したはじめての社員となった。
いいなと思ったら応援しよう!
クリエイターであり続けたいー! が、整体に行かないと死ぬ。ポンコツゆえ、ポンコツゆえ、300円よろしくお願いしまーーす!