藤田嗣治「絵画と写真」展で「えっ、これ生成AIでつくりました?」と思った話
藤田嗣治「絵画と写真」展に行ってまいりました。
正直、不安だった。
藤田の絵は、いろいろな展示会ですでに目にしているので、はたして新しい発見、新しい感動が得られるのだろうか……と。
藤田嗣治「絵画と写真」は東京ステーションギャラリーで開催中(~8/31)
まったく――杞憂だった。
濃いんだ。濃すぎるんだ。
藤田嗣治の濃さを食い尽くすなんて不可能だ。
早くこの濃さを伝えたいので、画家の解説は生成AIにまかせる。
藤田嗣治(1886–1968)は日本生まれの画家で、フランスで活躍しました。乳白色の肌と細い線で描く独自のスタイルで注目され、「フジタ」の名で世界的に有名に。
まず、ご本人の見た目が濃い。チラシの写真を見ておくれ。

どの写真を見ても、この髪型とメガネとヒゲは変わらない。
濃い、フジタしかいない。
解説を読むとセルフブランディング戦略とのことだ。
撮影禁止だったので、以下、文章でお伝えします。
カメラ目線の写真が圧倒的に多い。ポーズを決め、こちらを見つめ、背後には自分の作品がちゃっかり映っている。自分というキャラクターを商品化し、使い倒している。
ここまで強烈なメディア戦略を使うアーティストが、あの時代にいたことに驚いた。
もうひとつ印象的だったのは、フジタ(とその関係者の人)のポーズって、生成AIが描いた失敗作のイラストみたいなんだ(特に展示の最初のほう)。
もう一度、上の写真を見てみてー!
わたしはAIでよくイラストをつくるのだけど、「人間の骨格ってこういうふうにならないよね」といくつもボツにしてきた。
そのボツにしたポーズを、あの人たちはしている。
一瞬、これAIイラストじゃないかと疑ったくらい。思わず、指の本数と配置を確認してしまった。

なお、この記事のサムネ画像はわたしがつくったAIイラストです!(フジタっぽい色だったので採用しました)
◇ ◇ ◇
今回の「絵画と写真」というコンセプトはものすごくよかった(プロの写真家が撮った写真と、フジタ本人が撮った写真が展示されている)。
シンプルに写真が良かったというのもある。
その感動をXに投稿したので、こちらをご覧ください。
藤田嗣治展に行ってきた。なんで写真家やアーティストの撮る写真ってあんなにカッコいいんだろうね?
— 焔ふぁい (@rockstar_narite) August 2, 2025
悔しいから東京ステーションギャラリーの一部を撮ってみた。なんか足らんか🤔 pic.twitter.com/daxPKoGnKB
――が、ただの写真の展示にとどまらないのがこの企画のすごいところだ。
フジタは生前、絵画の製法を同業者に対して厳しく秘密にしてきたようだ。
その、秘密にしていた製法のひとつが写真の使い方。
写真を撮って、それを参考に絵を描くことはごく普通のこと。だが、フジタは写真をコラージュして使う。いろんな写真を組み合わせて絵画を制作している。
ある絵画で、どの部分がどの写真を使っているのか解説している図解があって、とても面白かった。
ぜひ現地で見てみてね!
そして、えらく共感してしまった。
そうですよね! コラージュしますよね!
わたしは創作で、記憶を複雑に組み合わせている。A社を描いていても、それは現実にあるA社ではなく、転職で経験したB社とC社を組み合わせたものだったりする。
自分でもよくわからなくなってくる。描写はA社だけど、あの人はB社で、あの人はC社で……。
これからも、そういう手法を使っていきたいと思った。記憶や写真、とにかく気になったものを組み合わせる。
そのためには、もっと世界を探求しなくてはいけない。
◇ ◇ ◇
フジタは、常にその発想で動いている。
展示会には、世界を旅するフジタがいた。フジタはヨーロッパだけではなく、アジアや中南米を旅している。
途中から、わたしにこの曲が流れ出した。
「Last Train Home」
ジャズギタリスト、パットメセニーの代表曲。
曲から伝わる旅のイメージだけが原因ではない。もっと直接的な理由がある。
ご存じの方も多いだろう。この曲はアニメ「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース(漫画でいうと第3部)」のエンディングテーマに使われていた。
最初からそれっぽい部分があったのだけど、展示が進むにつれ、フジタの絵がどんどんジョジョっぽくなっていった!
フジタの絵は、人の周りをぼんやりした光が囲んでいるものが多いのだ。
次々に、この人スタンド使いみたいだなーと思う登場人物が現れだした。ボリビア編でそれはピークを迎える。

どう見ても、全員スタンド使いだろ!
スタンドとは、術者の精神力、生命エネルギーの具現化。つまりは、生命のエネルギーにあふれた展示でした。
圧倒的におすすめです!

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