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ブーメランを10000回投げたら、大河ドラマになった。

2020年12月23日

「やばい動画が上がった」
君はその夜、神妙な顔でつぶやいた。


「はじめしゃちょーが、10000回ブーメラン投げてる」


同居人の影響でYouTubeを見るようになって、数年。
最近は在宅時間も多く、うちはテレビが映らないので「なんか見ようか」というときには、だいたいYouTubeが立ち上がる。
そして「なんか見ようか」というときの大半に見ているのが、”はじめしゃちょー”の動画である。
はじめしゃちょー、または”はじめしゃちょーの畑”が我が家では鉄板。

はじめしゃちょーの斬新な(というか、思いついても普通はやらない。だから結果が気になる)取り組みと、
大学時代の友達が本気のバカ騒ぎをしているような(めちゃくちゃ褒めてます)畑の動画は、わたしたちの暮らしの、笑顔を支えてくれている。

わたしの機嫌がちょっと悪いとき、寝起きのとき、バテてしまっているとき
はじめしゃちょーと、畑のみんなが笑ってくれたから、わたしも笑えた。

はじめしゃちょー(うちでは親しみを込めて”はじめ”と呼ばせていただいている)の衝撃的な動画が上がった夜を、わたしは忘れない。


「すごいんだよ!」と、同居人は興奮して語る。
「最初ぜんぜん投げれなかったんだけど、後半はめちゃくちゃキャッチしてるし、フォームもすごい安定してる!!!」

それが、ブーメランを10000回投げた動画だった。



この興奮と感動をお伝えするにあたり、最初の5000回を投げる動画から振り返りたい。

そもそも、10000回投げないよ…
心のどこかで「10000回練習すればうまくなるかもしれない」と思っても、やらないよ…

それを実現させてしまうのが、はじめしゃちょーだ。
「おもしろそう」で各所に許可を取り、家にライオン(本物)を呼んだ男だ。

まず大前提として、投げたブーメランは戻ってこない。
びっくりするくらい、全然戻ってこない。
投げ始めたばかりの頃は、謎のストレート。全然弧を描かない。

まず、45回目で「ちょっと惜しい」「同じ軌道」というセリフが飛び出してくる。しかし、手元まではほとんど戻ってこない。
物語はまだまだ始まったばかり…

200回目で風の重要性に気づいたと発言したあと、10000回目までのいたるところで「風の重要性」について語っている。

535回目で初キャッチの映像が流れ、「コツが掴めてきた」と発言。
891回目で、「1000回にしておけばよかったと思い始める」と字幕が流れ、見ているわたしも「そりゃそうだよなあ…」と激しく頷いてしまった。
しかし、1000回の時点では、キャッチまでわずかに届かない。

手元にブーメランが戻る頻度が増え、キャッチの難しさに気づいて軍手を装着したのは1200回目の頃。
ブーメランって、凶器みたいなスピードで手元に戻ってくることを知った。
「痛い」「折れた」も、このあと10000回目まで定期的に発言されている。

そしてまた、1951回目あたりで「投げるコツを掴めた」と言って、その後キャッチ。

5000回目まで進んだところで、2ヶ月経過。
1日に投げれる回数は300回〜400回が限界で、何度も熱中症になったと字幕が流れていた(ほんとうにお疲れさまです…)。「夏のあいだには無理なので、一度動画を締めます」と言って、前半戦が終わる。

この時点で「風の影響が大きい」ことに気づき、複数回「コツを掴めた」「落下地点が安定した」と発言している。ブーメランの真理には気づきつつ、物語は後半へ続く…(ほんとうにすごい)


そして、12月23日にアップされた動画がコチラ!!!

6000回に近くなり、腕の角度が安定し「ブーメランを投げる角度の重要性」を更に確認。
「なんで6000回やって気づくんだ?」と言っていたけど、これ名言だと思う。やっぱり人生には、6000回やらなきゃ気づかないことってあると思う。100回、1000回じゃわからないことが、きっと。

このあたりから、強烈なBカーブを描くように、彼は成長していく。

【Bカーブ】
ギター等のツマミに使われる用語。
聴音上の音量変化が均一に聞こえるAカーブに対し、Bカーブは変化が急に感じられる場合がある

今まで「風の影響が大きい」と、失礼ながら「風を言い訳にする」ような印象があったけど、「風に合わせてフォームを変える技術がついてきた。柔軟な対応力が求められます」の字幕が流れる。
彼は、「風を味方にする」ことを覚えたのだ。
風の影響が大きいと言っても「風が強いからできない」ではなく、「良い風や向き、場所を探して適切に投げる」というのは、大きな差だと思う。

「ここまでいくと楽しい」も印象的なセリフだった。
ブーメランが戻ってくるようになって、楽しい。
できるようになると、物事は楽しくなってくる。
そして同時に出てきた「もう練習しなくてよくね?」というセリフにも、激しく頷いた。
できるようになって、楽しくなって、もうここでいいじゃん。
数を決めていなければ、きっとここで辞めるようなポイントだと思う。

ここからうまくブーメランをキャッチする、はじめしゃちょーの笑顔が増えた。
「風が読めればかなりの確率で返ってくるようになった」というのも、このあたりだ。

そして風と友達になった男は、投げ続けた。

7000回目では、動画を見ているわたしからすると「結構取れている」という感想で、4連続成功。
「ミスった」と言っているときも、投げた瞬間にミスがわかるところまで成長していた。すごい!

8000回目を超えたところで、13回連続キャッチ。

9000回目以降は、かなりの安定感で投げていた。
動画を見ていても、後ろ姿がほとんどブレないのがわかる。


そして4ヶ月を経て、彼は「ブーメランを10000回投げた男」になった。


ブラボー!!!
拍手喝采!!!

投げ終わったあと「投げるフォームは完璧です」と言い放った姿は、本当に格好良かった。
結果「風の良い日は10回くらい連続で返ってくる」としていたので、風は結局大事だったけど、もう彼は「風を言い訳にする男」ではない。

ブーメランを10000回投げた男は、
ブーメランが、はちゃめちゃにうまい男になっていた。



「すごいね」「感動したね」同居人とわたしは、何度も頷き合う。
「いままで楽器を、これほど真面目に練習したことがあるだろうか」と言う。
ふたりで、首を振る。

はじめしゃちょーは大切なことを教えてくれた。

ひとつは、どんなことも10000回やればうまくなること。
もちろんその中で、「うまくなろう」とか「気づきを大切にする」とか、ただ投げる中で、彼は「練習」していた成果だとは思う。
でもきっと
わたしだって、何かを10000回やれば、うまくなる。
その可能性があることを、教えてくれた。
そして、その過程や最初のうちは「うまくいかなくて当然」であり、そこから進化できる可能性があることを。

そして「1000回でよかったんじゃね?」と思ってから、彼は10000回投げた。
教わったもうひとつのことは、1000回は旅の途中ということだ。

もう1000回頑張った。
もういいだろ、と思う。
でも、このブーメランで言うと大きな変化ポイントは6000回だった。

「1000回頑張っても、まだ途中か〜」と、絶望する人もいるかもしれない。
でもわたしにとっては、すごくすごく希望だった。

わたしのnoteの記事は800を越え、毎日更新は270日を越えた。
YouTubeの動画は、50本と少し。stand.fmのおしゃべり配信は50回。
叶った夢もあるし、まだ語れない夢もある。
進化もしたけど、足りないところもきっとある。

でもこれも、旅の途中なんだ。
足りなくていい。ここからまだ、足掻けばいい。
そして、10000回にたどり着いたとき、とわたしは夢見る。
この夢こそが、わたしにとっては希望だった。

ここまで走った自分を否定しない。
でもいまが、最終進化系じゃなくても大丈夫。

わたしにとっては、そんなやさしい物語になった。


かなり序盤で風の重要性や角度、に気づきながらも、何度も同じことを言い続けたはじめしゃちょー。
2900回目くらいのときに、風と角度について発言したあと「同じこと言ってる気がする」と言っていたけど、きっと2900回目の気づきと、6000回目の気づきと、9000回目の安定は違う。
違うよね、実際にうまくなってたから。

この動画のことを、敢えてひとことで伝えるならば、きっとこうなる。

これは、生まれたての子供が立派な成人ブーメラン戦士になるまでの、大河ドラマである。



はじめしゃちょー、
努力の姿を見せてくれてありがとう。
めちゃくちゃかっこよかったし、わたしも何か「あとに続きたい」と思える、希望の物語でした。

我が家は、2021年もはじめしゃちょーと畑を応援します。

はじめしゃちょーと畑のみんなが笑ってくれたから、我が家の喧嘩の回数は激減し、いつでも笑顔でいられました。

これからもはじめしゃちょーの「思いついてもフツーやらない」を、楽しみにしています。
いつもたくさん笑ってるけど、こんなに大きな学びを与えてくれたこと、本当に感謝しています。

好きです!!!!!


この記事がおもしろかったら、
または「文章だと全然伝わってこない」と思ったら、ぜひ!はじめしゃちょー本人の動画を見てください!!!

水切り1000回の動画も感動しました。


2021年の元旦にこのエッセイを書きました。
はじめしゃちょーの勇敢な物語が、誰かの勇気に繋がればいい。わたしがその"繋ぎ"になれたら嬉しい。
そしてわたしは、大好きなはじめしゃちょーについて書けてしあわせでした。

わたしもまだまだ、旅の途中。
この気持ちを抱えて、2021年を駆け抜けようと思っています。


2021年1月1日 まつなが



【photo】 amano yasuhiro
https://note.com/hiro_pic09
https://twitter.com/hiro_57p
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