11月。物語の続き
これはきっと、
10月のわたしから託された細い希望で
確かな物語の続き、なのだと思う。
*
10月の振り返り日記を書きながら、今月はエッセイ何本書けたかな、と数えたことを覚えている。
10月のわたしは「書けたら書く」という気持ちでいて、
その中でようやく、「書けるような体調ではないけれど、書きたい気持ちのほうを大事にしてやろう」と思える夜も、訪れていた。
結果、10月最後の言葉は、15本目のエッセイとなった。
だいたい2日に1回のペースで言葉を紡げたことを、嬉しく思っている。
泣くほど、嬉しく思っている。
控えめな言葉だけど、
ほんとうに「泣くほど」だった。これ以上の言葉がなかった。
もう二度と書けないかもしれない、と思った夜のことも、覚えているから。
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この調子で毎日書こう、と思った11月を
いま、無事に駆け抜けたことを噛み締めている。
ああ、この記事を投稿したら、カレンダーをめくろう。
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コロナウイルスに感染して、まるっと4ヶ月。
焼き尽くされたわたしの身体は、次の春を待っている。次の芽吹きを、どうにかして
緑を生み、大きく育つことを、願っている。
体調には浮き沈みがあって、何かがよくなれば、別の症状が悪くなるような、そういうのを繰り返して、じりじりと”日常”に帰ろうとしている。
わたしの、信じていた世界へ。
毎日書くことはかんたんではなかったし、元気だったら書いていたわけでも、毎日書きたいことがあったからでもなくて
「今月は書こうかな」と思ったひとつき前の、小さな願いを叶えてやりたかっただけ。
毎日書くことはかんたんではなかった、とはもちろん思うけど
それは、7月以前も同じだったし
たぶん、連続更新が100日に、1年に満たないころのほうが難しかったような気もする。
手の抜き方を知らなかったわたし。
近頃顕著に現れている症状は「ブレインフォグ」を呼ばれるものだろう、と医者にも言われている。
わたしも、そうなのではないかなあ、とうすぼんやり思う。
頭に霧がかかっているような、と表現される状況で
近頃のわたしは、集中するとぼんやりと重たい頭痛を起こす。仕事でも、ゲームでも、本もあんまり読めなくなってしまった。
友達のはなしも、半分くらい聞けていない。それでも許される人、にしか会えていない。
会話の「ええと」「なんだっけ」が3倍に増えた(もとから多かったのに)
LINEの返事だって、言葉を選ぶのにずいぶん時間がかかるようになってしまった。
それでも毎日書く、と決めたわたしがもうひとつ決めたことは、「こだわらない」ことだった。
もちろんいまでも捨てていない矜持みたいなものはある。
これを捨てたら書いたって意味はない、というもの以外の、すべてを持たないことにした。
以前なら取り扱わなかった題材とか、文字数とか、書き方とか、思いついたものはぜんぶやった。
*
味覚も散歩も失って、
ああ、どんなことを書くんだろう
たのしみだな、と思ってしまった。
ばかだなあ、
ほんとうにばかだよ。
なんで、まぬけで前向きなわたしは、死んでくれなかったのかなあ。
パンドラの箱みたいだ。
ねえ、満足した?
11月12日のわたしに会えたら、聞いてやりたいよ。
それから数日後の病院で、ついに禁煙を言い渡されてしまったから、煙草も吸えなくなっちゃったじゃないか。
あれから2週間、ほんとうに1本も吸ってないんだよ。
いまのわたしにとって、ほとんど唯一の変わらない嗜好品だったのに。
煙草だけは吸えるようになって、匂いも戻りつつあったっていうのに。
コーヒーもまずいまま、煙草も吸えなくて、散歩もできないのに、よくもまあここまで歩いてきたよ。
*
病気であることは認めるし、決してはむりはしないけれど
病気以前の問題で、課題だったものがあることも自覚していきたい。
あまり言い訳せずにやっていきたい
そんなふうに手紙に書いたことも、覚えている。
そう、貯蓄がないその日暮らしをしていることとか、将来への不安とか、いまの仕事のままでいいのかとか、社員登用の話を受けるべきか、その先にわたしの望みはあるのか、そもそもわたしの望みって、仕事には一体なにを求めているんだろう。そもそも、お金の価値ってなんなんだ
そういうことはもともと不安だったじゃないか。
書き続けてどうしたいのか、とかね。
いまはわからないままだし、
たぶん元気になったらすぐに答え合わせできるようなものじゃないだろうけど
もともと、よくできた人間ではなかったのだ。
でも、エッセイは書けたしピアノが弾けたから、しがみついただけ。
*
頑張ってくれてありがとう。
これでまた次に希望をつなげるよ。
もう、12月だね。
治療は次のフェーズに移行することになった。
話を聞く限りいまのわたしの症状に合っている、ような気がするし、最初にこの治療法を提案されたときと比べて改善された点があって、効果を感じる人も増えたとも言っていた。
この治療は、すぐに効果が出る人もいるらしい。
もし、急にスーパー元気になっちゃったらどうしよう。
いままでの暮らしとか、ふつうとか、わたしが欲しいものって、なんだったかな……
やっぱりいま考えるのはめんどうなので、
具合が完全に戻っても、1ヶ月位は会社に黙っておいて(まだ様子見です、なんて言っちゃって)、まだ開封してないポケモン(ブリリアントダイヤモンド)でもやろうかな。
ぼおっとしてると、次のポケモン(LEGENDS アルセウス)発売しちゃうからなあ。
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慌てなくていいよ、なんて言いながら生きてきたら、もういいおとなになっちゃったけど
不安もあって
あんまり格好良くないかもしれないし
憧れたおとなになれたかって言われると、なにに憧れていたかもよくわからないけれど。
だせえ、とは思ってない。
仮にださくても、誇らしくて、よく晴れた秋の空みたいな、すがすがしいやつだと思っている。
*
次にこの振り返り日記を書くのは、12月の終わりで、年末か、きっと年始だね。
そのときにはきっと、生き長らえたこと、それだけを褒めてあげるよ。
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