韓国のDMZトレインってなんだ?
以前ソウルから軍事境界線付近まで走るDMZトレイン(別名:平和列車)と呼ばれる列車が走っていました。2014年に乗ってきたときの記憶を呼び戻してその内容を記したいと思います。

1.DMZとは
非武装地帯の英語である「Demilitarized zone」の略です。
第二次世界大戦終戦間際の1945年8月8日にソ連は対日宣戦布告を行い、日本に侵略を始めました。同時に日本領だった朝鮮半島にも北側から侵入を始めました。当初朝鮮半島はアメリカ、ソ連、イギリス、中華民国の信託統治をすることで同意していたアメリカはこれに危機感を感じ、北緯38度線を境に南部をアメリカ、北部をソ連が占領することで合意しました。
その後、朝鮮半島は北部を(主にソ連を後ろ盾にした)金日成が、南部はアメリカを後ろ盾にした李承晩がそれぞれ独自の国を建国しました。
当初は「戦後の一時的な占領政策」だった38度線での分断が、実際に両国が建国したことで、政治的な分断になってしまいました。
その後「朝鮮統一(朝鮮半島の共産化)」を目論む金日成が南侵して始まったのが「朝鮮戦争(625戦争:육이오 ユギオ)」です。
1950年6月25日に始まったこの戦争は、1953年に板門店での休戦協定締結で実質的に戦争は終わりました。
その時に当初の南北の境界であった38度線が実質的な「国境」として固定化されました。
この38度線では局地的な紛争を防ぐ意味もあったでしょうが、その周辺が「緩衝地帯」になっており、民間人も立ち入りできない「非武装地帯:DMZ」となりました。
2.DMZトレインとは
上記の通り、DMZに民間人はいくことができません。もちろん日本人も同様です。
しかし、一部板門店などへの有料ツアーはあります。
そして過去にはKORAIL(韓国のJRみたいなもの)がDMZ行きの列車を走らせていました。それがDMZトレインです。
(1)いつ走っていたの?
運行開始:2014年5月4日
運行終了:2023年12月28日(実質2019年10月の運行が最後)
(2)どこを走っていたの?
出発駅:ソウル駅
到着駅:都羅山駅(ドラサン:도라산)
経由駅:汶山駅(ムンサン:문산)
臨津江駅(イムジンガン:임잔간)
京義線(キョンイソン:경의선)という、ソウルから北側に向かう路線で走っていました。
3.ツアー内容
普段行けない場所まで行けました。
①都羅山駅

②第3トンネル(北朝鮮が南侵:韓国侵略のため地下に掘ったトンネル)
トンネル内まではトロッコで行けます。ただし撮影は禁止でした。

③都羅展望台

ここからは北朝鮮が見えます。

④列車内から見える風景:自由の橋
朝鮮戦争時に北の捕虜になった兵士が兵士が帰還する時に渡ったという橋。南に帰還する際、「自由万歳」と叫んだことから、「自由の橋」の名で呼ばれるようになった。この時は橋脚のみが残っていました。

ソウルとDMZトレインの目的地の位置関係はこんな感じです。

4.料金
2014年当時の料金です。
片道:8,700ウォン(往復17,400ウォン)
往復で購入の必要があり、行き帰りの列車(時間)は固定です。
半日のツアーにしては盛りだくさんで満足でした。

5.現在のDMZトレインはどうなっているのか
2026年4月から運行を再開したようです。列車は当時と変わっています。
【記事から抜粋】
列車は5月までは第2・第4金曜日に各1回、1便あたり120人規模で運行される。6月以降は月4回、毎週金曜日に運行を予定している。
また行ってみたいものです。
6.留意事項
DMZに行くことからかなりの制約があります。
①パスポートは必須
②韓国語の注意事項を読み解く語学力は必要
③入境申請書(韓国語)を読んで自力で提出することが必要
運行再開した現在がどうなっているかは分かりませんが、2014年当時は上記が必須でした。


6.YouTube動画
YouTubeでDMZトレインに乗ったときの様子を動画にしています。
興味あればご覧ください。
