【100分de名著】『華氏451度』加速化する社会
レイ・ブラッドベリの『華氏451度』では、本が禁止され、人々が自ら考えることを放棄し、テレビなどの情報消費に浸る「加速化」社会が描かれています。
1950年に描かれたこの社会は、現代社会にも共通しており、私たちはまさに情報と娯楽の急激な加速化の中で生きています。
戦後から現在に至る社会の変化を見ると、映画やテレビや漫画やアニメやゲーム、そしてインターネットが普及したことで、情報は高速化・細分化され、人々の生活は絶え間なく新しい娯楽に追われるようになりました。
さらにスマートフォンの登場により、いつでもどこでも瞬時に大量の娯楽に触れられるようになったため、自ら何かを作り出したり、静かに思索する時間が奪われています。
そして情報を流す側も、意図的に依存するように作り、相手の時間をうまいこと奪う仕組みになっています。
いくら娯楽や情報を大量に消費して、情報をただ受け取る一辺倒では豊かな人生や深い理解を得ることはできません。
この加速化する社会で私たちに必要なのは、情報や娯楽の波に流されるのではなく、自ら考え、疑問を持ち、何かを作り出す創造的な時間を意識的に作り出すことです。
娯楽と情報を「消費」する側ではなく、自分の思考と創造を軸にして生きることが、真に豊かな社会の実現につながるのです。
