「はじめてのお金」がもたらした、ほろ苦い思い出
わたしの場合、はじめてアルバイトをしたのが確か22歳くらいで、自分で稼ぐ体験をしたのが人よりはかなり遅いデビューだと思う。
というのも、大学に入ってからはアルバイトを一切せずに、公認会計士試験の受験勉強に明け暮れていたからだ。
当時、母子家庭でかなり極貧であり、大学は奨学金をもらっていたが、アルバイトもしないで資格試験の勉強をしている場合では、本当はなかったかもしれない。
しかし、当時は就職氷河期。合格しなければ、就職もままならないと感じたわたしは、この試験に賭けていた。
なのに2回続けて不合格。さすがに危機感を感じ、アルバイトを始めたのだった。
アルバイト代で小旅行へ
うちは母子家庭で、子供はわたし一人。
突然だが、母はそれなりの美人だ。
そのため、ずっと、いわゆる「ちやほや」されてきたようだ。
それが突然の離婚で、今まで働いたことのない母は急に働かざるを得なくなり、生活環境も一変。
苦労してわたしを支えてくれた。
娘であるわたしも、なかなか試験に合格できないし、
不安も大きかったと思う。
そんな中、アルバイト代を何か月分か溜めて、思い切って近場へ1泊2日で小旅行へ行くことにした。
たまにはリフレッシュも必要だろうし、
何よりわたしは、はじめて稼いだお金で親孝行がしたかったのだ。
「ありがとう」は聞けなかった
ホテルへ行くまでは、穏やかな時間を過ごしていたと思う。少しは親孝行ができたかなと、自己満足に浸りつつ、宿泊先のホテルへ到着した。
しかし、ロビーには誰もいない……。ベルを押して人を呼ぶ形式だった。
というのも、あまり予算もなかったので、わたしは手頃な某ビジネスホテルを予約していた。
母は過去、「ちやほや」されていて高級ホテルにばかり泊まっていたので、
ロビーに人もいない、簡素なビジネスホテルが結構な衝撃だったようだ。
「何このホテル、こんなとこに泊まったことないわ」
はじめて稼いだお金は、ほろ苦い思い出に
悪気などない、ただ思ったことを言っただけだと。
いまはそう、思うのだけど。
「はじめて稼いだお金」のことを思い出すと、どうしても胸がチクッとしてしまう。
でも、誰かのために何かをしたい、その気持ちは嘘ではなく、その体験を「はじめて稼いだお金」は実現してくれたんだと思っている。
いろいろありましたが、母には感謝しています。
その後、無事公認会計士試験に合格し、
母の希望によりマンションを購入しました。
その時の話はこちら。良かったら読んでみてくださいませ。
「お金を稼いだこと」に対する想いの話じゃないので、応募してよいのか躊躇しましたが、
「はじめてのお金」にまつわるエピソードということで、下記のイベントに参加させていただきます<(_ _)>
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