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三線と不登校

結婚して数年後、嬉しい気持ちになれた時の話を思い出した。

私の主人の、父方母方どちらも祖父母は沖縄出身で、主人は沖縄贔屓びいきだ。

三線(サンシン/蛇皮の三味線)の音色が好きで本人はケースに入った本物の蛇皮の三線セットを持っている。

私にも弾きたくなったらと、新婚旅行で沖縄へ行った時、プリント柄の三線を買ってくれた。

三線の左手で弦を抑える部分に工工四(クンクンシー/ドレミのようなもの)のシールを貼り、「安里屋ユンタ」(沖縄民謡)「島人ぬ宝」、「島唄」、「涙そうそう」など、本を見ながらよく練習した。

だいぶ経って、三線が置物化し始めた時、主人の従姉妹の息子さんが中学校の文化祭で三線を使った出し物をすることになったので、貸して欲しいと依頼があった。

うちは私用のプリント柄の三線を貸してあげた。

文化祭は成功し、三線を返してもらった時、担任の先生作成の本番と練習風景などを撮影したドキュメントタッチのDVDを頂いた。

葉加瀬太郎さんの情熱大陸のテーマ曲に合わせて始まる物語をワクワクしながら、家族で視聴した。

うちが貸した三線は、工工四シールが貼ってあったからか、指で押さえる場所を覚える為に、演奏された全生徒さんが最初の練習に使ってくれたそうだ。

そして、不登校だった女の子が、文化祭の練習を通して登校するようになり、本番は私の三線で演奏に参加できたと聞いた。

それを聞くだけでも、お貸して良かったと嬉しい気持ちになった🌸

そして、生徒さんたち1人1人のお手紙のコピーも付いていて、それぞれ練習が大変だったこと、三線を弾けるようになっていった喜び、皆んなで協力して楽しかったこと、三線を貸してくれた皆さんへのお礼が書かれていた。

私も全く楽器が弾けなかったが、練習したら弾けるようになった時の喜びを思い出し、自分も文化祭に参加できたような気分になり嬉しかった。

返ってきた三線を眺めると、大変な練習を証明するかのように、工工四シールは何が書いてあるか分からないくらい、擦り切れていた。

三線はギターのように掻き鳴らすのではなく、下の弦に当てるくらい強く一音を大切に弾くといい音が出るという。

三線の上手な方に習って、皆が真剣に練習したからだろう。
私の三線はお貸しする前より、上等な音色の三線になって返ってきた。

うちの三線を育ててくれて、ありがとう!

あの頃、中学3年生だった生徒さん達は社会人になってるよね。

三線を頑張って練習した時のこと、まだ覚えてるかな〜

忘れていたとしても、私のように何かの拍子に嬉しかった気持ちを思い出したり、勇気や力をもらえたらいいな🍀

頑張ったことは決して消えない。
きっと、その後の人生の糧になるから。。

#創作大賞2025
#エッセイ部門


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