今そこにいない犬の話をきく
唐突ですが、クイズです!
①「私の家ってどこですかね?」
②「○○小学校はどう行ったらいいですか?」
③「英語、話せるといいと思いませんか?」
④「そこのスーパー、最近ダメなのよ!」
⑤「最近私の家の犬(夫、娘、隣人とバリエーション豊か)がさぁ……」
⑥「ちょっと、背中拭いてくれない?」←銭湯の脱衣所で。
⑦「今日は何があったんですか?」
道を歩いているとき(もしくは銭湯で)にわたしが
急に知らない人からされる会話は、
この①~⑦の中でどれでしょうか?!
正解は、全部です。
まず、百歩譲って家庭の話や近所のスーパーの話をするのはいいんです。
愚痴言いたくなっちゃったんだろうから。犬の話もね。可愛いからしたくなりますよね。通りすがりの知らない人に、急に今連れてない飼ってる犬の話をしたくなるって時。愛があふれて、みたいな。あるよね。わたしにはありませんが。
小学校の場所とかも
見た感じ「誰かの母ちゃん」感出てたんでしょうね。
(それもどうなんだ)
いや全然いいんだけど
わかる範囲で答えるんだけど
なにかの場所について聞かれるときに
問題なのは、
住んでない土地で聞かれることです。
住んでないから
知らんのよ。
本当に申し訳ない。
「子どもいそうだな、この人。きっと知ってるに違いない」
と思われたんだろう。
でも「この土地の住民じゃない」とは思わなかったんだな。
ちょっとそこの病院に行く予定なんですよ。
電車を乗り継いでやってきたんですよ。
しかも予約時間ギリギリで急いでるんですよ……。
「すいません!ここに住んでないものでわかりません💦」
と急ぎ足で立ち去る日々。相手の驚きの顔。
「は?住んでないって何?そんな近所をうろうろするような格好で?」
何も言ってないのに聞こえる、相手の声……。
立ち去りながら立ち上る、自己嫌悪ハリケーン。
予約時間ギリギリじゃなければ○○小学校や××駅をスマホで調べることもできたかもしれないのに。
あと、家がわからなくなっちゃった人は、
高齢社会あるあるだよね!
よかったよ、言ってくれて!危ないからね!
(こういった話をされた時は、なんだかんだお話ししながら、近くの交番へ一緒に行ってます)
背中もね、高齢社会ですからね!
届かないよね!
(言われれば拭かせてもらってますが、おひとりで来たんですか?と心配になります。大体は息子さんと二人で来ていて、嬉しそうに息子さんのお話をしてくださいます🌸ほっこり案件🌸)
そして拭きながら、目の前の背中の人に憧れるのです。
知らない人に、今自分が困っていること(背中が届かなくて拭けない)
を言えるってわたしにとってはすごいこと。
「人に迷惑をかけてはいけない」がすべてにおいて正義!の精神のもとで育つと、なかなかこの言葉が言えなくてさまざまな場で困ることになる。よほどお金にだらしなくて何度も何度も「困ってるから貸してくれ」みたいな場合は「迷惑だなぁ」とそりゃ思う。そういう人ももちろんいる。そういう場合は助けられる人が助けたらいいのだと思うから、それ以外は助けて、って言ってみたらいい。自分にとっては困難なことも、他の人にとっては他愛のないことって結構あるものだ。ってわかっているのに、それができない。
息子には、わたしにはないこのスキルが身についてほしい。そしてわたしもいつかはこうなりたいものだ。
背中が届かなくて拭けないから、拭いてくれ。まだ今のわたしには言えない。きっとびしょびしょの背中のまま、服を着るだろう。
で、「今日は何があったんですか?」って、なに?
急にどういうことなの。主語はなんですか??
まさか日経平均株価の話?上がった(もしくは下がった)けど何があったの?ってこと??
もし世界経済のことをわたしに聞いてるなら、他をあたってください……。
(大変申し訳ないけど、この手の問いかけには急ぎ足で立ち去っています)
そして英語話せるといいと思いませんかって……。
英会話教室の勧誘かなにかなんだろうけど
なんで私が英語話せないって知ってるの?
英語話せなさそうな顔してますか
こわい。
何がこわいって、
「この人英語話せなさそう。話せないに違いない。そうに決まってる」
と思ってわたしに話しかけてきた、彼の勇気。
わたしにはないもの過ぎて、こわい。
わたしは最近、
写実的なトラがプリントされたトップスに憧れている。
テレビの街頭インタビューでよく見かける気がする。
そしてそのトップスは、関西圏にお住いの同年代の女性が着こなしているイメージが強い。偏見か。
友人はもちろん、知人でも、電車やバスの中でもこのトラ柄の服を着ている人を見かけたことはないのでもしかして関東には売ってないのかな、と思ったら
あった。
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ステキ。シャー!って顔がたまらない。
猫好きにはたまらない、ネコ科動物のTシャツ。
これらを着ていれば
わたしの悩みは解消される気がする。
このトラたちがわたしの代わりに威嚇してくれるおかげで
まず勧誘(と、よくわからない問いかけ)はされまい。
これで、病院も歯医者も予約時間に間に合うし
バスも電車も、乗り遅れない。
すごく困っている人の助けにもなれないかも?というのは本意ではないけど
多分すごく困っている人は誰彼構わず威嚇してくるトラが胸にいたとしても
話しかけてくれるでしょう。「背中拭いてくれ」に至っては服関係ない。そもそも着てない。
しかし
これらのトラ柄のトップスを着たら多分トラに目が行きすぎて、トラと会話しているような錯覚を与えるんじゃないか。本体(わたし)の方を忘れられてしまうんじゃないか。という懸念がある。
わたしは今まで長いこと制服のある仕事をしてきたこともあって
服をそれほど持っていない。夏は黒のTシャツ、白のTシャツ、オオカミが威嚇してくるTシャツの三枚しか持ち合わせていない。
それを
トラのTシャツ、オオカミのTシャツ、白のTシャツに挿げ替えたとしたら
「あの、ほら、トラ柄とオオカミの柄の服着てる人よ!えーっと……誰だったかな……」
てなるに違いない。
実際着てる人はそうならないのだろうか。テレビの画面越しからは、なっている印象はない。きっとこのトラ柄のトップスたちは関西圏のあの女性たちのパワフルさあっての服なのかもしれない。
このトラが顔の下にあったとしても負けないくらいの明るさと、強い輝き。命の輝き。
私が憧れているのは、周りを照らすパワフルな明るさと、命を燃やして今を生きる女性たちの生きざまなのかもしれない。
この輝きが身につかない限り、私は勧誘され続けるし話しかけられ続けるのかもしれない。
大体、今までオオカミが胸のあたりで散々威嚇していたのに
何の効果もなかったのだから。
そう考えるとわたしは
「誰かの母ちゃん」感のある風貌で
電車に乗ってまぁまぁ遠くまで来たのに
近所をうろうろしてるように見えてしまう恰好で
英語が話せなさそうな顔で
世界経済について(じゃないかもしれないけど)
問いかけられる。
そんな世界をこれからも生きていくしか
ないのかもしれない。
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