1:バイオリンをやめてウクレレ始めました~その5~
こんな気持ちになるとは・・・。とりあえずもうここには来ないです。
その4・・・で書いた通り、かなり前向きにバイオリンと向き合う気持ちになった私でしたが、次のレッスンで(今回の記事)、その思いがスゥ~っとひいてしまいました。
これは予想外のことで、こんなにもあっさりとまたバイオリンから離れてしまうことになるとは思っていませんでした。
単に私の意志の弱さというか、すぐにめげるメンタルの弱さというか、そういったものがこの意思決定に大きく影響しているとは思うのですが、その引き金となった出来事を今回書いてみたいと思います。
この日も初回とおなじように電車に乗り、まぁまぁな距離をあるいて先生のレッスンにやってきました。
前回とおなじように丁寧にご対応いただきお部屋まで通していただいて、そこまでは良かったのですが・・・
レッスンがはじまり、まずはきらきら星を弾く流れとなったのですが、何となく、何となくですよ、先生の圧が前回より強くなっている気がしたのです。
冷ややかというか、具体的に何を言われたとかはあまり思い出せないのですが、なごやか、という空気とはかけ離れた「重圧」のようなものを感じたのです。
もちろん言葉遣い等は丁寧なのですが、その丁寧さが「慇懃無礼」を思わせるような感じです。
気のせいかなとは思ったのですが、長年生きている人間が肌で感じる何か、はそう間違ってはいないはずです。
もしかしたら、1か月もあって何も進歩していない、言われたことを守っていないじゃないか、という先生の見立てがあったのかもしれません。
バイオリンに、言ってみれば全身全霊を傾けてきた方です。50代にもなって、しかもこの甘さでバイオリンを弾けるようになるわけないだろう、というお気持ちだったのでしょうか。
彼の心の中についてありとあらゆる推測が働き、こちらは冷や汗ものです。
ただ、私も今回のレッスンに来るまでに、私なりの努力をしていたのでした。
カラオケボックスに通いタブレットでバイオリンの動画をみたりしながら、「楽器はこう持てばいい」「弓はこんなふうに動かして・・・」なんてやっていたのです。
この、「カラオケボックスで練習」というのも私にとってはそれなりにハードルが高く、その1歩を踏み出せたことについては、自分をほめてあげたいような気持でいました。
よくやった!と・・・。
しかしながら・・・。
こちらの先生は、YouTubeで発信している人の言うことをうのみにするような人は、おそらく好きではないんですよね。(これは先生の情報発信から確かだと思います)
それはそうですよね。
セカンドオピニオンみたいなものを嫌うお医者様と同じかなと思います。
ただ私としては、高いレッスン代を払えない、頻繁にレッスンに通えない、という状況で、そうなると自分なりの納得や動画による気づきなんかが必要だったのでした。
子どものころから練習し、肌で体でこの楽器を覚えている人とは違うのです。理屈から入り、その理屈通りになんとか体を動かし、それを覚えこませる。そんな風に練習するしかないと思っていました。
もちろん先生のおっしゃっていることを度外視して動画の内容を妄信するということではなく、先生のレッスン内容の裏付けを動画で確認する、というような感覚でした。
と、長々と書いてしまったのですが、実はこの日、今回の決断にいたる決定打のようなやりとりがありました。
私は弓を持つと、右手の小指が弓から離れてしまうのです。弓は本当に難しく、動かすのも持つのにも苦戦していました。
そこで、レッスンのときに、先生に聞いたのです。
「小指が弓から離れてしまうんですが・・・」と。
すると先生は
「それはあと!」とピシャリ。
それ以上は受け付けません、いいから弾いて、というような空気でした。
「あれ?質問はどんどんしてくれていい、じゃなかったっけ?」と思ったのですが、つまり弓から小指が離れるなんていう問題以前に、立ち方、楽器の角度のそもそもがなってないだろう、ということのようでした。
そういう言い方を先生はされませんでしたが、レッスンで注意されたことから、そのあたりの意味合いがあったと推測できます。
そこからは、正直もう先生に対しての信頼というか、この人についていれば大丈夫、というような感覚はなくなっていきました。
先生なら、「小指が弓から離れてしまう」と私が質問したら、「それはあとでまた説明しますよ。まずは立ち方、楽器の持ち方をもう一度確認しましょう」ではないでしょうか。
レッスンが終わり、駅までの道のりを歩きながら、なぜお金を払って遠くまできて、こんなみじめな気持ちにならなければならないのだろうと思いました。
夕暮れを過ぎて、もう外は暗くなっていました。
寒くて暗い、寂しい道をとぼとぼと歩きながら、「私はどんなことでも、楽しくないのであればもうやりたくない。努力、我慢、忍耐。そういうものを必死で発動しなければならないことは、もうしない!」と決意したのでした。
若くない私。何かを習得する時間もそんなには残されていない。
しかも仕事でではない何か、で、いやな思いはしない!!そんなんあたりまえや!という気持ちでした。
というわけで、非常に難しくて習得に時間がかかり、今回はたまたまですが、こんな思いをしなければならない可能性が高い楽器はもうやめよう。
おまえにとってのバイオリンはその程度のもんだったのか、と情けない気もしますが、それが私の今回の決断でした。
