【#77】映画memo『レンタル・ファミリー』
スキマからこんにちは。
落ち着いたヒューマンドラマなのに、ブレンダン・フレイザーのお芝居があまりにも素晴らしくて、観終わった後は大興奮してしまいました。
Amazing!! He is very special!! Don’t you think so?
……となぜか英語で誰彼構わずに話しかけたくなっちゃうような作品。
ブレンダン・フレイザー、マジで最高だぜ!
HIKARI監督最新作
『レンタル・ファミリー』
※少しでも展開がわかることが嫌な方は、鑑賞後にお読みいただけるとうれしいです。
画像:
Searchlight Pictures
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あらすじ
「ザ・ホエール」で第95回アカデミー主演男優賞に輝いたブレンダン・フレイザーが主演を務め、全編日本で撮影を敢行したヒューマンドラマ。長編デビュー作「37セカンズ」やドラマ「BEEF ビーフ」などで注目された日本人監督・HIKARIがメガホンをとり、東京で暮らす落ちぶれた俳優が、レンタル・ファミリーの仕事を通して自分自身を見つめ直していく姿を描く。
かつて歯磨き粉のCMで一世を風靡したものの、近頃は世間から忘れ去られつつあるアメリカ人俳優フィリップ。俳優業を細々と続けながら東京で暮らし、すっかり街になじんでいた。そんなある日、フィリップはレンタル・ファミリー会社を経営する多田から仕事を依頼される。レンタル・ファミリーとは、依頼人にとって大切な「家族」のような役割を演じることで報酬を得る仕事。最初のうちは、他人の人生に深く関わることに戸惑うフィリップだったが、仕事を通して出会った人々と交流していくうちに、いつしか彼自身の心にも変化が起こりはじめる。
レンタル・ファミリー会社を営む多田役で平岳大、レンタル・ファミリー会社の俳優として働く愛子役で山本真理、老優・喜久雄役で柄本明が共演。
家族を“演じる”ことで見つかる本当の自分
舞台は東京と九州。主演にブレンダン・フレイザーを迎えたハリウッド作品ということで、英語と日本語がちゃんぽんの映画。
正直「観にくかったりする?」と少し心配していたけれど、まったくの杞憂でした。
むしろ「国籍や年齢、考えが異なっても、人は通じ合える」というメッセージが静かに、でも確かに胸に残る。
何歳でも、どこにいても、誠実に人と向き合っていれば、人生はもう一度あたたかくなれる。そんな物語です。
ブレンダン・フレイザーという奇跡
とにかく彼が素晴らしい。日本で暮らしながらも俳優としてはくすぶり気味のフィリップ。どこか自信を失い、少しだけ世界からはみ出してしまった彼の“居場所のなさ”を、フレイザーは驚くほど自然にまとっています。
忘れられないのが、電車のシーン。大きな背中を丸め、静かに座るフィリップ。あんなに体格のいい人が、あんなふうに小さく見えるなんて。
思わず守ってあげたいと思ってしまった。
本当の父親ではないことがバレてしまった後の子どもとのやりとりが泣けます。取り繕わない。言い訳もしない。ただ、真っ直ぐに向き合う。
言葉よりも先に感情がにじむ、あの“目”。
悲しさと優しさと、ほんの少しの諦めと。ずるい。あれはずるい。
泣かせてくるぜ。
一度ハリウッドの第一線から遠ざかり、再び脚光を浴びたブレンダン・フレイザー。世間から忘れられかけた俳優を演じる姿が、どこか彼自身と重なって見えるから、余計に刺さるのかもしれない。
この役は彼でなければ成立しなかったと思う。
『ザ・ホエール』が“圧倒”なら、本作は“包容”。今の彼だからこそできるお芝居なんじゃないかな。
光と孤独が交錯する街TOKYO
HIKARI監督が映し出す東京は、やわらかくてきれい。
でも、その美しさの裏で、人々は静かに孤独を抱えている。
日本には300社ものレンタル家族ビジネスがあるという。驚きつつも、どこかで納得してしまう自分もいます。
誰かに頼りたい。でも、本音は言えない。
そんな“ちぐはぐな孤独”が、東京には漂っているのかもね。
みんなもっと正直に生きてー、とスクリーンに向かって叫びたくなっちゃった(迷惑だからやめてー)。
HIKARI監督は、フィリップが暮らすマンションの画を、序盤はブルーを基調としたものにし、中盤以降はフィリップの心の動きを表すかのように小道具なども用いて明るく表現。衣装もポップだけれど優しい色遣いのものが選ばれていて、心あたたまる印象になっています。
特に秀逸なのは、キービジュアルにもなっている神楽坂での「化け猫フェスティバル」のシーン。フレイザーも子役の子も最高にキュートです。あ、子役といえば、本作ではゴーマン シャノン 眞陽ちゃんの才能と魅力も全開。デビュー作とのことで、今後が楽しみすぎる逸材です!
人生ベスト20に入りそうな作品
記憶障害を抱え、葛藤する老俳優を演じる柄本明さんもいい。そりゃあ役者は役者をうまく演じられるだろうとは思いつつ、いいものはいい。俳優の悲しみが心底伝わる(詳しくは劇場で!)。
『木挽町のあだ討ち』で息子の佑くんのお芝居を観たばかりだったから、変な感じでしたがw 親子ともども極めて丁寧なお仕事ぶり。
レンタル家族ビジネス会社の代表を演じるのは、平岳大さん。見た目もかっこいいんですが、相変わらず完璧なお芝居で、ぐっときます。代表自らが孤独を抱えていて、家族をレンタルしてしまっているというね。
彼ぐらいの英語力、私も欲しいなー。
他にも語りたい魅力は山ほどあるけれど、それを書き出したら数日かかりそうだから、今日はこの辺で。
間違いなく、今年のマイベスト候補。全力でおすすめ!!
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!
気になった方は、ぜひ劇場へお急ぎくださいませー。
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