【なつかしアニメ】 アベノ橋魔法☆商店街 【パロディ多め】
約20年前に放送された『アベノ橋魔法☆商店街』。
大阪の下町を舞台としたほのぼのコメディ作品であり、"笑い"のレベルもかなり高かった覚えがある。
昨今ガクンと数の減った印象があるこのジャンルだが、それだけに飢えている方も多いのではないだろうか?
ということで筆者にとっては懐かしい平成の力作をサラリとご紹介。
放送:2002年
原案:山賀博之
監督:山賀博之
構成:あかほりさとる
音楽:鷺巣詩郎
制作:GAINAX、マッドハウス
GAINAX渾身のコメディ
制作は主としてGAINAX。
昨年ニュースにて破産が報じられたが、かつては日本を代表する名作工場としてその名を馳せた。
伝説の劇場アニメーション『王立宇宙軍 オネアミスの翼』(1987年)に始まり、『トップをねらえ!』(1988年)、『ふしぎの海のナディア』(1990年)、『フリクリ』(2000年)、『天元突破グレンラガン』(2007年)など、アニメ史に残る名作を数々生み出してきたが、なんといっても最大のヒット作は『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)に他ならない。
社会現象と呼ばれるほどのブームを巻き起こし、日本のみならず世界のアニメ史まで変えてしまった平成の怪物作品『エヴァ』。
2007年から始まった「新劇場版」シリーズは流石に冗長感が否めなかったが、オリジナルシリーズの放った輝きは永久に色褪せる事はないだろう。

そんなGAINAXの手による本頁『アベノ橋魔法☆商店街』だが、『エヴァンゲリオン』とは似ても似つかないテイストの作品となっており、画面(えづら)などはむしろ『フリクリ』や『グレンラガン』に近いものを感じる。
このあたりはやはり時期の違いも多分に影響しているのだろうが、彼のスタジオがいかに多様な作品展開をしていたか・・・そんなことも認識させられる存在感が本作にはあった。
コテコテの"浪速アニメ"
本作が他のコメディアニメよりも"優れて"いる要因のひとつとして、流暢な関西弁による会話が挙げられる。

主人公「サッシ」(CV:サエキトモ)、ヒロインの「あるみ」(CV:松岡由貴)、そしてもうひとりの主要登場人物である「ムネムネ」(CV:久川綾)の3人は担当声優が全て大阪出身という本格キャスティングであり、極めて自然なイントネーションが味わえる。
かつて昭和の名作『じゃりん子チエ』が関西出身者を多くCVに起用していたが、それを彷彿とさせる力の入った演技は間違いなく本作の見どころだ。

それ以外にも実在する大阪の地名や風景が頻繁に登場しており、これはGAINAXの初期メンバーが関西出身者で占められていたことと因果関係があるのだろうか?
1クールでも大満足の内容
全体的にパロディ、下ネタ多めの作風だが、一方で単調な印象はない。

エピソードごとに中世ファンタジー、SF、原始時代、学園ラブコメ、ハードボイルドなどなど・・・テイストの異なる設定を楽しむことができる。

このようなシリーズ展開の場合は2クールだと長すぎるため、本作のような1クールというスパンが丁度よく、さらに終盤ではちょっぴりシリアスな展開もあり、大満足の全13話だった。
生まれ続ける後継?作
『エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督はGAINAXを去ったのち、スタジオカラーを設立。
『新劇場版エヴァ』を完結させた他、『シン・ゴジラ』などの「シン」シリーズで実写作品にも確かな足跡を残している。
そして同じくGAINAXの流れを汲むTRIGGERも2011年に設立され、『グレンラガン』の今石洋之が『キルラキル』(2013年)や『プロメア』(2019年)でも監督を務めている。

これらはコメディに特化しているわけではなく、むしろバトルアクションがメインの作風となっているが、今石が『アベノ橋』の一部エピソードに参加していたことからもGAINAXの"ポップ路線"を継承しているものと筆者は捉えている。
ゆえにTRIGGER作品のファンには是非ともその"上流"に位置する本作も堪能して頂きたい・・・そう思っている次第だ。
