【目の前で見た、巨大な壁に挑む「一筋の光」】参議院予算委員会傍聴記
今回チケットが当たり、私は参議院予算委員会の傍聴に参加した。
会場に入った瞬間、もうびっくり!
テレビの画面越しに見ていたあの空間が、驚くほど狭い。
傍聴席からほんの7〜8メートルの距離、同じ目線の高さに高市総理が立ち、質問に答えている。
視線を少し動かせば、わずか3メートル先に共産党の小池議員、その隣には参政党の安藤裕志議員。
そして小池議員の後ろに、もうここから5メートルほどの至近距離に、奥田議員が座っていた。
もう、奥田さーん!と言って手を振りたい衝動に駆られるも、さすがにそんなことはしない(笑)。
総理が席に戻ると、隣には片山さつき財務大臣、さらに林総務大臣の姿もある。
まさに国の重鎮たちが、手の届きそうな場所にひしめき合っている。
そんな緊迫した空間でありながら、どこか不条理な光景も目についた。
一般の傍聴席はわずか25席(立ち見を入れて40人)しか用意されていないというのに、その前に3列もある「記者席」には誰も座っていない。
記者やカメラマンたちは、質疑が始まるとサイドスペースにどこからともなく現れ、写真を撮り終えるとまた足早に去っていく。
記者席は終始、がらんとしたままだ。
「この3列に一般の傍聴者を入れれば、あと30人は座れるはずなのに。」
もっと多くの国民にこの現実を見てほしいというもどかしさが、胸に込み上げてくる。
以前傍聴した時は、途中で何度も入れ替えがあって目当ての議員の質疑が見られなかったということもあった。
しかし今日は運命に導かれるように、公明党の質疑で入場してから、小池議員、安藤議員、そして奥田議員まで、一瞬も途切れることなくすべての質疑を同じ席で見届けることができた。
そして、奥田議員の質疑が始まった。
彼女が言葉を紡ぐ最中、自民党の議員2人が突如として委員長席に駆け寄った。何事かを激しく抗議している。委員長が口を開く。「奥田議員の不適切発言がありました。あとで審議します」と。
私は憤りで胸が震えた。不適切な発言など、何一つしていない。彼女はただ、国民の、地域の、ありのままの真実を、嘘偽りのない言葉で叫んでいるだけだ。
またいつものように、重箱の隅を突つくような言葉尻を捉えて、寄ってたかって足を引っ張ろうとしている。その姿は、卑怯千万に映った。
そんな妨害を跳ね返すように、奥田議員は地元の生の声、日々の生活に苦しむ高齢者たちの切実な現状を、必死に、そして痛いほど分かりやすく総理に訴えかける。
ところが、対する高市総理の態度はどうだったか。
「そんなことはありません。年金も(1000〜2000円)増やしていますし、いい国だと思いますよ」
落ち着き払ったお行儀のいい態度で、しかしその眼差しは、相手の言葉をハナから聞こうともせず、どこか嘲笑うかのように冷ややかだった。
はらわたが煮えくり返るとは、まさにこのことだ。
あなたたち特権階級にとっては、お金も自由も手に入る「いい国」かもしれない。だが、私たちが生きる地べたでは、国民が苦しいと悲鳴を上げているんだ。
非情にも、無慈悲なタイムカウントが告げられる。
「時間が過ぎていますので、まとめてください」
わずか6分というあまりにも短い持ち時間。その中で、最低限の訴えを届けることすら阻まれようとしている。それでも彼女は、声を振り絞った。高齢者を救ってほしい。障害者年金が足りずに困窮している人たちを、どうか見捨てないでほしい!
その真剣な、魂の叫びのような姿をすぐ目の前で見たとき、私の目から熱い涙が溢れ、止まらなくなった。
これが、テレビの画面からは決して伝わらない「ライブ」の凄絶さだ。
目の前で繰り広げられていたのは、まさに巨大な悪の組織に、たった一人で立ち向かう一筋の光そのものだった。
政治の世界を動かす巨大な力に比べたら、一人の人間はあまりにも無力に見えるかもしれない。
それにしてもどうして国民のために、ここまで命を削るように戦えるのだろう。
委員会室を退出したあとも、廊下で涙が止まらなかった。
周りを見渡せば、敵ばかりの四面楚歌。
つい先日まで、私たちと同じように普通の市民であり、母親であり、ピアノの先生として穏やかに生きていた一人の女性が、あんな冷酷な組織の首領たちに真っ向から立ち向かっているのだ。
怖くないはずがない。心細くないはずがない。
野党と言われる大形勢の男たちだって、普段はいかにもな反対意見を並べ立てながら、最後の最後には「党議拘束」という言い訳の後ろに隠れ、結局は体制側に賛成してしまう腰抜けどもの集まりではないか。
そんな孤独な戦場で、一歩も引かずに、凛々しく、美しく戦い抜いた一人の女性の背中。
私はあの姿を、生涯忘れることはないだろう。
彼女の戦いは、冷え切ったこの国に残された、本物の希望だった。
本当に今日は来てよかった。
ドラマや映画を見た時以上の感動を味わえた。
奥田議員のような議員を支えなければ、日本はもうなくなるんじゃないか?
そんなふうに思えてしまった。

