台所に梅の季節がやってくる
わたしの家には梅の木がある。
この時期になるとたくさん梅が生るので、毎年恒例の「梅仕事」が始まる。
さて、まずは子どもたちに大人気の梅シロップから。冷やした炭酸で割るのが好きなようで、毎年それで暑い夏を乗り切っている。
材料の分量は、梅1:砂糖1が基本。
(例えば梅1kgなら砂糖も1kg)
これさえ覚えておけば大丈夫。
瓶の中に梅→砂糖の順に入れていく。瓶の消毒も忘れずに。一日一回瓶を振って、3週間ほどで完成だ。
わたしは砂糖を氷砂糖やきび砂糖に変えて、いくつか作る。
氷砂糖が入った瓶を振るときの、ガランゴロンという音が好きだ。
子どもたちがまだ幼かった頃、「いい音〜」とにこにこしながら小さな手で瓶を振っていた光景が浮かぶ。
梅は身体にいいんだよ、夏なんてへっちゃらだよ、と言いながら、みんなで出来上がりをまだかまだかと楽しみにしていた。
子どもたちが小さかった頃の台所のにぎやかさも、今は少し静かになったけれど、梅ジュースは変わらず飲んでくれるので、今年もたくさん作る。
それから仲良しの友人に電話をして、収穫した梅をおすそわけ。
今年は何作る?とリサーチすると、カリカリ梅、らっきょう酢漬け、梅ジャム、梅醤油、梅味噌……いろいろ出てくる。
「出来たら味見させてね」
「いいよ、そっちのも味見させてね」
「いいよ、いいよ」
「野菜スティックに付けたら美味しそぅだね」
「お肉にも良さそだね。」
「梅添えて肉」
「…好きすぎて滅」
「わはは!フレーズ似てる! 笑」
そんなやりとりをしていると、今年も梅の季節がちゃんとやってきたなと思う。
そして青梅が黄色くなったら、いよいよ梅干し作りに取りかかる。
毎年同じように梅を仕込んでいるのに、その年の気温や空気や、わたしの気持ちまでもが少しずつ味に混ざっていくような気がする。
変わらないのは、梅が実り、手を動かし、季節を受け取るということだけ。
その繰り返しの中で、今年のわたしの梅仕事も、またひとつ形になっていく。
