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映画「名無し」感想(ネタバレあり)

映画「名無し」 感想文。
思ったことをつらつらと。

映画名無し、舞台挨拶などを含めて7回観ましたー!


佐藤二朗さんが5年かけて作られた作品ということで、やっぱり話がよく考えられてるな、練られてるな、と感心しました。

伏線や仕掛けの面白さにビックリした! 

ネタバレあります!注意!!



1、アツシと国枝について

子どもの頃のアツシは、理屈っぽくて、すごくいい味出してた。写真を撮る時の照夫とアツシのやり取りは、唯一声を出して笑ったシーンだった。

空の絵を真っ黒に塗っていたアツシは、なぜそうなってしまったのか疑問に思った。

照夫が、「空は繋がってるって信じてる」って言うから、最初はきっとお母さんが亡くなっちゃったのかな?と思ってたけど、思ったより長生きしていて、逆に驚いた。

アツシは理屈っぽく、頭がいいから、同級生と馴染めず、友達ができずにいたか、イジメられていたのかも?と思った。

だから、照夫はアツシと、太郎が友達になれるかと思って、一緒に動物園に連れていったのかな?


でも子供の頃の理屈っぽいアツシと、国枝の熱血っぽいキャラは結構変わったなーと思いました。(顔も)

照夫が亡くなってから、苦労して犯罪者を絶対許さないような熱血キャラに変わったのかも知れない。


国枝がレストランで亡くなった客の情報を読み上げる所グッと来る。毎回泣きそうになる。

他の刑事は笑ったりしてるけど、国枝は父を亡くしているから、被害者の気持ちがよく分かっているんだと思った。

2.照夫について

照夫は、ぶっきらぼうな昭和の親父という感じで、とても良かったです。

最初、めんどくさそうに太郎に対応する感じもとてもリアルでした。

だけど、人はみんな一人じゃない、とか、空は繋がってるとか、ちょっとアツい事も言うのね。

アツシが友達がいないとしたら、励ますためにそう言ってるのかなーと思いました。

照夫がいいセリフを言うシーンがあっさりしていて良かった。感動的に撮られていたら、偽善的で、冷めてしまうかもと思うので、いい塩梅だなと思いました。

動物園のシーン、唯一のほっこりとしたシーンでとても好きでした。

殺人シーンが多すぎると観るのが辛くなってしまうから。
照夫の存在が救いでした。


丸山さんの近年の役にしては、癖がなくて、根は優しいお父さんで、かなり「普通」の役だと第一印象は思った。

まるちゃんは雑誌で「普通」と一括りにしたくないと言っていたけど笑


子供の対応にちょっと困りつつも、優しい面もあったり、アツい面もあったり、雑な面もあるっていう揺れも含めてリアルで素晴らしかったです。


3.子供時代の太郎と花子について

太郎と花子の関係、子供の頃の太郎と花子はどういうふうに暮らしていたのか、どう知り合ったのかはちょっと謎でした。

太郎はきっと右手の力で両親を殺してしまって1人になってしまったんだろうな。

花子については全く想像できない。


太郎と花子の子役さん、台詞が少ないのにとても上手かったー!

花子がキャラメルを食べるシーンがゆっくりと妖艶に撮られていた。

その時の太郎のドキッとした表情を見て、太郎は花子のことが好きなのかも、と思った。

照夫のファインプレーで、太郎の左手で花子と手を繋いでいたけど、左手で人と繋がることは出来るよね?と思った。


花子はとても賢くて、先の事までよく考えていて、大人っぽい所もあるから、達観しすぎて、希望を持てなくなっている感じが伝わってきた。

太郎と花子の、子供時代と大人の時代が、顔も雰囲気もとても似ていてピッタリだなと思いました。


4.大人になった太郎と花子

大人になった花子が、太郎に右手で触ってって言って、太郎がビクって反応して嫌がるのも、花子が太郎のことを試して遊んで面白がっているのかな〜と思った。

子供時代から花子の方が大人びていて、賢く、1枚うわ手な感じがした。

赤ちゃんがお腹にいて、二人で生活している時、植物も生き生きしてたし、太郎が名前を考えてニコニコしている時、とても楽しそうだった。

太郎がスクラップ工場みたいな所で働いていて、空を見上げた時は、唯一の青空だった。

その時は空は青く希望に溢れていて、太郎にとって1番幸せな時だったと思う。


花子がいなくなり、10年後、太郎が花子を見つけた時は、運命の出会いみたいに花子が光って見えていた。

でも、花子は子どもを守るために、太郎に子どもをおろしたと嘘を付いた。

太郎が最終的に決めた名前も花子は付けずに、息子を守るために別の名前を付けたんだね。

太郎は絶望してしまい、人と繋がることを完全に諦めてしまい長かった髪を切った。

照夫が屋上から落ちた時の音楽や、太郎が警察官を叩いている時の音楽がとてもゆっくりで、鈍い感じの、不思議な音楽ががかっていた。
なんと言うか、自分の事じゃないような、現実感がない音楽がとても耳に残った。

太郎は最後に、国枝に捕まって、クズと言われて笑っていた。
自分でもその通りだと思ったのか?
国枝が太郎と真剣に向き合い、怒ってくれて、クズというある種の名前をつけられたのが嬉しかったのか?
太郎と名前をつけた照夫のことを思い出したのか?
分からないけど。


人と繋がることを諦めた太郎だったけど、息子に会えて、最後に繋がれて幸せだったように見えた。太郎が最後に目から流した血は嬉し泣きのような気がした。

だけど息子は天に向かって唾を吐いた。

散々罪のない人を殺してきた太郎だったから、今度は息子に殺された。

それは因果応報を意味してるのかなと思った。


殺人は許されないという事が、国枝によってはっきりと描かれていてスッキリした。

人と繋がれない、という絶望の中で、やっぱり人と繋がりたいという強い思いがハッキリと感じられて、とても伝わってくる映画だなと思った。

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