たんぽぽ飛行船と星くず王国
今回も、片桐みかんさんの
《3つのお題に空想のひらめきを》
に参加させていただきました。
今回のお題は、
・星くずの郵便局
・たんぽぽ飛行船
・消えた王国の地図
です。
私の書く小説ってば、いつもヌメッとした、サイコロジカルな話ばかりで。
だから、今回はあえて絵本や児童書風な物語にしてみたのですが、ストーリーは考えられても、語尾などや使う言葉などが、どうしても大人寄りで😅
なので、体裁だけGemini氏に整えてもらいました(笑)
それでは、作:セラフィナ、監修:Geminiの
作品をどうぞ。
そこは、世界のいちばん端っこにある島。
むかしむかし、そこには豊かな王国があり、まぶしいほどの輝きに包まれていました。
ところが、あるときから不思議なことが起こり始めます。宇宙から「星くず」が、さらさらと降り注ぎ始めたのです。
すると、あんなに立派だった王様はすっかり怠け者になり、愛想をつかした人々は一人、また一人と島を去っていきました。
こうして王国は、いつのまにか地図の上から消えてしまったのです。
***
「王様!ついに見つけましたぞ。幻の王国が描かれた地図にございます」
家来のリドルフがうれしそうに報告すると、王様は目を輝かせました。
「おお、リドルフよ、よくやった! ついに、あの星くずの王国へ行けるのだな」
「ですが王様、世界の端っこへはどうやって行くのです? 誰もたどり着けない場所だと聞きますが……」
「それはな、リドルフ。飛行船で行くのだよ」
「飛行船……でございますか?」
「そう。風に吹かれる『たんぽぽの綿毛』を力にして進む、たんぽぽの飛行船だ」
「なんと! それは驚きました!」
二人はさっそく、たんぽぽの飛行船に乗り込みました。
ふわふわ、そよそよ。
数えきれないほどの朝日と月夜をこえて、二人はようやく世界の端っこ――今はもう亡きがらのようになってしまった、あの島へとたどり着いたのです。
「想像していたよりも、ずっとすごい場所だな……」
船を降りた王様は、目の前の深い森におどろきました。
「王様、本当にこんなところに、星くずを守っている者がいるのでしょうか?」
道は草木に埋もれ、人の気配はまったくありません。二人は一瞬、不安になりましたが、病気の王妃様を救うため、木々をかき分けながら進みました。
やがて、パッと目の前が開けました。
そこだけはきれいに草が刈り取られ、真ん中にお城がポツンと建っていました。
「あそこが、星くずの主(あるじ)の城だろうか?」
二人がおそるおそる近づくと、ギィ……とドアが開きました。
中から出てきたのは、カゴいっぱいの星くずを抱えた、キツネによく似た顔立ちの男の人でした。
「おや。私以外の生き物に会うなんて、ひさしぶりですね」
キツネ目の男の人は、二人を見てびっくりしています。
「怪しいものではありません。私たちは、ここに降る星くずを分けていただきたくてやって参りました」
「なるほど。王妃様の病気を治すために、わざわざここまで……」
事情を聞いた男の人は、少し困ったように言いました。
「ですが、ここに降るのは、空での役目を終えた星くずばかりです。本当にお役に立てるかどうか……」
「大丈夫です。国でいちばんの占い師が、そうお告げを下したのですから」
リドルフが胸を張って答えると、男の人は申し訳なさそうに続けました。
「お言葉ですが、ここには毎日、数えきれないほどの星が降ってきます。いったい、どの星くずが王妃様に合うのやら……」
三人はしばらく黙り込んでしまいました。すると、王様が静かに口を開きました。
「では……星くずを定期的に、わが国へ運んでもらうことはできませんか?」
「運ぶといっても、手段がありませんし……」
「それなら、私たちが乗ってきた飛行船をお使いなさい」
三人は、たんぽぽの飛行船のところまで戻りました。
「この大きさなら、たくさんの星くずを運ぶのもかんたんです!」
男の人は、飛行船を見て大きくうなずきました。
「ありがとうございます。では、今日からさっそくお願いできますか?」
「もちろんです。そうとなれば、今日から私は『星くずの郵便屋さん』ですね。そして私の城は、『星くずの郵便局』といったところでしょうか」
「それはすてきな名前ですね!」
「では、星くずの郵便屋さん。これからどうぞよろしくお願いします」
王様と星くずの郵便屋さんは、力強く、しっかりと握手を交わしたのでした。

