旅の目的は?
海外旅行に行った時の、入国審査官の質問ではありません。
木漏れ日から、声が聞こえました。
お前は、何をなすのか。
考える時間はありませんでした。
心の底にあった言葉が、そのまま飛び出しました。
二人の娘を、立派に育てます。
世の中の役に立つ人間になります。
そして、もう一度生かしてもらえるなら、これまでお世話になった人たちに、きちんとお礼を伝えます。
そう答えたのだと思います。
その言葉を口にしたあと、何が起きたのかは覚えていません。
次に意識が戻ったとき、私の目に映ったのは、救急治療室のまぶしい照明器具と白い天井でした。
それが本当に三途の川だったのか。
極度の痛みの中で見た幻覚だったのか。
医学的に説明できる現象だったのか。
私には分かりません。
けれど、あの体験が私に残した問いだけは、今も消えていません。
「人生という旅の目的は?」
私は世に言う「娯楽」にあまり関心がなく、話題の映画やドラマ、アニメ、マンガをほとんど知りません。
それなのに、何故か全巻買って繰り返し読んでいるマンガ
「葬送(そうそう)のフリーレン」
1000年以上生きているエルフという種族の魔法使いフリーレンが
人間で魔法使い修行中のフェルンと、人間で戦士のシュタルクと、
オレオール(天国と呼ばれる場所)に向かって旅をする。
ストーリーは淡々と静かに進んでいく。登場人物それぞれが過去の心の傷を抱えながら、望むこと望まないことを様々に経験していく旅物語。
始まった旅がいつか終わるように、人生も終わりがくる。
自分に残された時間をどう過ごすかは、自分の裁量にゆだねられている。
1年前に深刻に悩んでいたことが、問題が解決していなくても
今では悩みでなくなっているように、
今の悩みも1年後にはきっと悩みでなくなっている。
自分には命があり、時間がある。
たくさん挑戦して、たくさん笑って、たくさん泣こう。
自己肯定感が低くても、人生は旅できる。
