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小説「ダーリンとマダム」:ピカデリーサーカスの奇跡第7話 ダーリンの打ち明け話

彼は私を見て、照れくさそうにいつもの仕草で左手を挙げて「やあ、マイフレンド」と言った。「お久しぶりね」と私が返すと、「本当に久しぶりだね、元気だったかい?」と彼は言い、立ち上がろうとした。

「立たなくてもいいのよ、ここで何をしていたの?」と聞いた。もしかしたら私の声は少し震えていたかもしれない。

彼は立ち上がり、私に時間があったら以前就職の前祝いをしたあの近所の小さな公園に行こうと誘ってくれた。それで、2人でゴールデン・スクエアというビジネス街の真ん中にある小さな公園に行くことにした。

途中で2人でティーを買って公園のベンチに座り、ティーをすすりながら近況を話し合った。私の近況なんて代わり映えもせず、忙しく仕事をしたり、ボランティア活動をしたりしていた。彼が見当たらなくなって心配していたこと、でも他の仕事に代わったのかもと思っていたことなど、一気に話した。何故だか彼の話を聞くのが怖かったから。

その後、私たちはしばらくの間、黙ってティーをすすりながら、お互いの存在を感じていた。春の午後、暖かい日差しが私たちを包み込み、風が心地よく頬を撫でていた。

彼はふと口を開いた。「実は、君に伝えたいことがあるんだ」と彼は言った。「何かしら?」と私は尋ねた。

彼は言いにくそうに口火を切った。私は生唾をゴクリと飲みながら彼の口元を見つめた。  
「僕さ、実はスペシャルホテルに6ヶ月行ってたんだ」と彼。  
「うーん、悪いけど私、どういう意味かわからないのだけど」と私。  
すると彼は手招きで私を近くに寄せ、耳元で囁いた。「プリズンに入ってたんだ」  
私はしばらく文字通りに口を開けてボーゼンとしていた。彼が「マダム、大丈夫?」と言うまで何も言えなかったからだ。  
「OK、大丈夫よ、少し驚いただけだから」とやっと声を絞り出すように答えた。

そして、ひと息大きく深呼吸をして、彼が話しだすのを静かに待った。数秒もしないうちに彼は話し始めた。  
彼は、最後に私と会った数日後に彼の会社のオーナーが急にいなくなって仕事を失ったということ。新聞売りをしようとしたけど正規に雇ってくれるところが見つからなくて困ったことを深い息をついて話し始めた。「その上、僕が働いていた会社のオーナーが失踪した後、僕は借金取りに追われることになったんだ。オーナーが借りたお金を返すのは当然のことだって。でも僕にはそんなお金はなかったから、必死に働いて何とか返そうとしたんだけど、間に合わなくて…。それで、最終的には無理やり借金取りに連れて行かれてしまったんだ」

彼の話を聞きながら、私は胸が痛んだ。彼がどれだけ苦労してきたかを思うと、涙が溢れそうになった。でも、彼の前では泣かないと決めていたから、必死に涙をこらえた。
「6ヶ月間、ウサギ小屋のような所で過ごすことになって…本当に辛かった。でも、その間にいろんなことを考えたよ。僕の人生、このままでいいのかって」

彼の話に、私は言葉を失った。彼がどれだけ辛い経験をしてきたかを思うと、自分の悩みなんて小さなことに思えた。でも、彼の話を聞いているうちに、私は彼がどれだけ強い人間なのかを改めて感じた。

私は驚きながらも、心の中で「オー,ディアー!(何てこと!)」と叫び、なんとかティーを飲みつつ彼の話を頷きながら聞き続けた。
彼の人生の理不尽さに涙を止めることができなかった。彼は「マダムのことじゃないのに泣くことないのに」と言い、ポケットからサンドイッチショップの紙ナプキンを差し出してくれた。「ごめん。ちょっとゴワゴワしてるけど」と口添えしながら。

それから私は、また彼が刑務所に入らなければならなかった理由を話してくれるのを待った。
今度は彼が話し始めるのに時間がかかったように感じた。ビジネスビルの上にある大時計に目をやると、彼が紙ナプキンを手渡してからしばらく経ったようだった。  

「マダム、僕は君に再会する前に、ある場所に行ってきたんだ。そこは僕が子供の頃によく遊んでいた場所に似ていて、今でも時々行くことがあるんだ。そこで、君に見せたいものがあるんだ。話はその後でもいいかな」
と彼は言った。

「もちろんよ。それはどこなの?」と私は尋ねた。

「ここから少し歩いたところにある、古い教会の近くなんだ」と彼は言った。

私は彼の話に興味を持ち、一緒にその場所に行くことにした。彼に導かれて、私たちは古い教会に向かって歩き始めた。道中、彼は私にその場所の思い出や、子供の頃の話をしてくれた。

教会に到着すると、彼は私をある小さな庭に連れて行った。そこには、美しい花が咲き乱れていて、まるで絵画のようだった。「ここは、僕が子供の頃によく遊んでいた場所に似ている所なんだ」と彼は言った。「この花たちを見ると、何だか心が安らぐんだ。だから、君にも見せたかったんだ」

私はその花たちを見て、彼の気持ちが伝わってきた。彼がどれだけこの場所を大切に思っているのか、そして、その思いを私と共有したいという気持ちが伝わってきた。「ありがとう、ダーリン。こんな素敵な場所に連れてきてくれて。本当に嬉しいわ」と私は言った。

彼は微笑んで、「君に喜んでもらえて本当に良かった」と言った。

その後、私たちはしばらくの間、その美しい庭で過ごし、花たちの香りを楽しんだ。そして、再び公園に戻ると、彼は私にこう言った。「マダム、君との再会は僕にとって本当に特別なものなんだ。君といると、まるで時間が止まったような気がするんだ」と彼は言った。

「私も同じ気持ちよ、ダーリン。あなたと一緒にいると、心が安らぐの」と私は答えた。その時、突然の風が私たちの周りを吹き抜けた。木々の葉が揺れ、花びらが舞い上がる。まるで自然が私たちの再会を祝っているかのようだった。

「ねえ、ダーリン。この瞬間を忘れないように、何か記念に残るものをしない?」と私は提案した。

彼は少し考えてから、「そうだね。ここに何か植えようか。この公園に、僕たちの記念の木を」と言った。「それは素敵ね」と私は賛同した。

私たちは近くの花屋に行って、小さな桜の木を買った。そして、それを公園の隅に植えた。彼がスコップで土を掘り、私が桜の木をそっと植える。二人でその木に水をやりながら、未来に向けての希望を込めた。「この桜の木が、大きく育つといいわね」と私は言った。

「そうだね。僕たちも、この木のように成長していこう」と彼は答えた。

桜の木を植え終わった後、私たちはその木を見つめながら、しばらくの間黙っていた。静かな時間が流れ、心地よい風が私たちの頬を撫でていた。

その後、彼は「これから、また新しい物語を作っていこう」と言った。「もちろんよ、ダーリン。私たちの物語はまだまだ続くわ」と私は答えた。

私たちは手を取り合って、公園を後にした。夕暮れが近づき、空がオレンジ色に染まっていた。彼と一緒に歩くその道が、まるで新しい未来への道しるべのように感じられた。

「ダーリン、あなたと再会できて本当に良かったわ。これからも友だちでいてね」と私は言った。

彼は優しく微笑んで、「もちろんさ、マダム。それが僕の一番の幸せで希望だから」と答えた。

私たちは、その日が特別な一日になることを感じながら、共に歩き続けた。私たちの物語は、これからも続いていく。新しい挑戦や困難が待っているかもしれないけれど、二人でなら乗り越えられると信じていた。

その瞬間、私たちの心は一つになり、未来への希望が胸に広がった。彼と一緒に過ごす時間が、何よりも大切なものだと再確認した。

そして、私たちは歩き続けた。まるで新しい冒険が始まるかのように、一歩一歩を大切に踏みしめながら。私たちの物語は、これからも続いていく。互いを支え合いながら、共に歩んでいく。

その日の最後に、彼は私にこう言った。「マダム、これからもずっと気持ちは君のそばにいるよ。どんな困難が待っていようとも、君と一緒なら乗り越えられるから」と。

私は彼の言葉に胸がいっぱいになり、涙がこぼれそうになった。でも、彼の前では泣かないと決めていたから、必死に涙をこらえた。

「ありがとう、ダーリン。私もあなたと一緒なら、どんなことでも乗り越えられるわ」と私は答えた。

その瞬間、私たちの心は一つになり、未来への希望が胸に広がった。彼と一緒に過ごすこの時間が、何よりも大切なものだと再確認した。

そして、私たちは歩き続けた。まるで新しい冒険が始まるかのように、一歩一歩を大切に踏みしめながら。私たちの物語は、これからも続いていく。互いを支え合いながら、共に歩んでいく。

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