子供のゲーム時間、どうします? ~ポリゴンショックと私~
お子さんが「言葉が遅い」「動きが激しい」「癇癪が多い」あとは「視線が合いにくい」といった、様々なご相談にいらっしゃる方がいます。
ただ、これらの事は一見関係(共通点が)なさそうに見えますが、「生活のリズム」を整えてあげて情緒が安定してくるだけで随分改善してきます。
仙台市北部/南部発達相談支援センター主幹 小児科医の奈良千恵子先生のインタビューがリンクから読めます。
皆さんはこどものゲーム、アリかナシか、どちらですかね。
私は「アリだけど生活リズムを大切にして。」という話を親御さんに何度も伝えています。ゲーム自体が悪いわけじゃないです。今や日本のゲーム産業は国内だけでも2兆円越え。海外にも積極的に進出しています。いずれは国家の基幹産業の一つになるかもしれません。てか他の基幹産業が心配。
ゲームを楽しむ大人も増えています。安易に禁止したり、極端に制限して子供の疎外感・孤立感を高めるようなかかわり方は、もはや現代では通用しなくなってきています。
さて、その上で今回は私の経験と、ゲーム含むメディア視聴、その他の活動と子供への指導についてお話をしていきたいと思います。
ポリゴンショックと私
1997年12月16日、あの日、日本中の子供たちが受けた衝撃は計り知れません。私は8歳の小学生でした。テレビアニメ「ポケットモンスター」のある回で、激しい点滅が原因で体調不良を訴える視聴者が続出したのです。これが「ポケモンショック」、あるいは「ポリゴンショック」と呼ばれる出来事です。直接の原因となったのは、ポケモン「ポリゴン」が登場する回での、ピカチュウが放った「十万ボルト」の演出に使われた赤と青の高速な点滅でした。
当時小学生だった私も、このニュースを固唾をのんで見守っていました。大好きだったポケモンが、急に「危険なもの」として扱われ、テレビから姿を消したことに大きな戸惑いを覚えました。ちなみにこの回は宮城県では放送自体されていなかったのですが、学校では、友達と「本当に光で倒れるの?」「俺は平気だったけどな」と、真剣に議論を交わす子が多くいました。ポケモンカードを見ただけで倒れると信じている子供もいましたね。
ゲーム批判への波及
当時の両親の反応をよく覚えています。ゲームなんかしていると頭が悪くなる、ゲームのせいで倒れる子がいる。脳になにか影響があるんだ。
いやいや、アニメで倒れたんだよ。ゲームはただの原作だよ。と言ってもいまいちピンと来ていない顔をしていましたね。
そんな言説がテレビでも家庭でも学校でも、頻繁に聞かれました。魔女狩りに近いものがあります。ゲームというたかだか子供の遊び程度のものを、大人たちが本気で廃絶しようとしている姿は滑稽に映ったものです。
この経験を経て、私はなんとなく人間を信用しなくなりました。自分で経験したり体験したことのないものについてあらぬ妄想を語り、安易な決め付けで物事を判断したり、それを科学だなんだと既存の権威と関連付けて語ろうとしていた人が多くいたわけです。
こんな本も、2002年には出版されましたよ。
後に疑似科学と批判されるようになりました。Amazonで1円から買えるのがなんか皮肉で良いですね。
何事であってもやりすぎは良くない
水って毒なんですよね。飲みすぎると水中毒を起こします。
醤油って有害なんですよね。一升瓶まるごと飲むと血液の浸透圧が正常に保てなくなって倒れます。
酸素が有毒って知ってます? 濃度100%の酸素を吸うと酸素中毒になって動けなくなりますよ。
つまりそういうことです。
ゲームが悪いんじゃない、ゲームのやりすぎがヤバい。
何だってそうですがやりすぎは良くないんです。
勉強1日18時間やって生活リズムぶっ壊れる人もいます。
睡眠時間を削って中国拳法をやっていたら社会人になってから鬱を発症した友達もいます。
小学校教諭の仕事が楽しくてついついのめり込んだ結果双極性障害を発症した奴も……これは私ですね。
子供はよく寝るから生活リズムに注意
冒頭引用の奈良先生によると、子供の睡眠時間は幼児だと昼寝を合わせて「10~13時間」、学齢になると「9~11時間」の睡眠時間が必要だと言われています。
1日は24時間、ここから学校にいる時間(7時間程度でしょうか)を引くと17時間、食事やお風呂で2時間程度使うとして、15時間。このうち睡眠時間を11時間引くと、4時間。子供の余暇時間って1日4時間ぐらいしかないんですよ。中学生だとこれに部活が入ってくる? 冗談だろ??
この状況で毎日5時間ゲームしてたらそりゃあ体を壊します。それだけ没入して辞められなくなるタイプの遊びですからね。
睡眠のリズムを整えてあげるだけで情緒が安定し、お子さんが落ち着いてきたり、コミュニケーションがスムーズになってくることがあり、親御さんの心配事が解消される場合がよくあります。
まとめ
南部発達相談支援センターの研修は受けたことがあるのですが、そこでも発達障害疑いで来所する子供の中には一定数、メディアなどの視聴時間が異常に長く生活リズムが乱れているために、「発達障害に似た状態」を示す子供がいるという話がありました。
生活リズムの乱れから、「言葉が遅い」「動きが激しい」「癇癪が多い」「視線が合いにくい」といった状態に陥っている子供がいたら、その子に対してやるべきは生活リズムの改善です。この改善とは、ゲームやメディアを取り上げることではなく、それに依存・没頭するような状況に対して行うべきです。時間を決めるでも、場所を決めるでも結構です。
エルサゲート動画とかみたいにコンテンツ自体に悪質・悪意のあるものが含まれている場合はまったく話は別ですが、年齢制限を守り、法律を遵守してゲームをしているのであればですよ。ゲームをすることにのみスポットを絞った批判・指導は子供の心を痛く締め付けます。それらの物語の中にある子供の経験や時間を否定することになるからです。
ゲームに対してはフラットな目線で関わりたいですね。
また、ゲーム以外の熱中しやすい活動(スポーツ,外遊び,釣り,音楽など)が相対的に無罪になる雰囲気も、ちょっと良く無いと思うんですよね。土日完全につぶすぐらいやりこんだら、どんな活動も生活リズムに少なからず影響しそうな気がします。
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