いい年してK-popにハマった
いい年をしてK-POPにハマった
かなり年を取ってからK-POPにハマった。
多分2014年だったと思う。
EXOが現れた。
“MAMA”“HISTORY”。
完璧なルックスとダンス、そしてMVの完成度。
それはもう、優れた芸術品を鑑賞するかのようだった。
そのあとBTS、NCTと続き、最終的にはWayVに落ち着いた。
とにかくイケメンに酔ってしまうのである。
生活の中の一つの灯火になる。
彼らの努力は凄まじい。
だからこちらも頑張らねばと思う。
だがその努力の結晶を、
中年の私がスマホ越しに消費している構図は、
冷静に考えると少し怖かった。
コンサートにも何度か行った。
少女たちは会場の最上部までびっしりと詰めかけ、
豆粒のようにしか見えない彼らに大枚をはたく。
私は何度行っても、
コンサートの記憶が残らない。
覚えているのは帰りの駅の混雑だけだ。
日本の美人画や歌舞伎役者絵に熱狂した人々と
構造はあまり変わらないのだろう。
美しいものに熱狂するのは人間の性だ。
場違いな年齢の私が会場に立っていると、
ふと考える。
この子たちの親はどう思っているのだろうか、と。
そしてこの巨大な性エネルギーは、
どこにも向かわず空中で燃焼している。
もしこれが現実の生活に変換されたら、
少子化など一瞬で解決するのではないかと
馬鹿げたことも考える。
現実の男子に、
彼女たちはここまでときめくのだろうか。
この巨大な熱狂を設計した大人たちは、
静かに利益を回収している。
観客席の少女たちだけが、
純粋な顔で光を振っている。
それでも、
私にとってK-POPは確かに灯火だった。
生活の中の、小さな光だった。
だからこれは批判ではなく、
ただの回顧だ。
いい年をして、
少しのあいだ夢を見ていたという記録である。
