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明けがらす

時々無性に食べたくなる明けがらす。
岩手県遠野市の銘菓で、米粉の生地に胡麻とくるみが入っている。

名前の由来は、くるみの切り口が明け方の空を飛ぶカラスに見えることから。胡麻は遠くを飛ぶカラスやスズメ。
和菓子の見立ての世界。美しいですね。

味と食感

まず、添加物が入っていないので味がシンプルなのが良い。砂糖と水飴の優しい素朴な甘さ。胡麻とくるみ、大豆の香ばしさ。全然くどくない。

そして何といっても、食感が独特なのである。モチモチしつつ、少し粉感というかシャリっとした歯触りがあって、これが絶妙。この食感が他にないもので、非常に癖になる。時々プチっと胡麻がはじけて、口の中が楽しい。

包装紙

18個入の包装紙

書道と美術が好きな人間としては、見逃せないこの包装紙。明けがらすの「明」の字、左が日ではなく目になっている。
まつだ松林堂さんのホームページでは、二代目桂次郎氏による「わざと間違った漢字を使うことでお客様の気を引くため」のアイデアとのことだったが、この形、楷法の極則といわれる欧陽詢の「九成宮醴泉銘」にも出てくる。

欧陽詢「九成宮醴泉銘」より

「明けがらす」と名付けたのもこの桂次郎氏のようだし、この方、知っていてあえて使ったのではないかしら。なんだかロマンを感じます。
包装紙全体のデザインもすごく凝っていますよね。どことなく漂う「遠野物語」感。

明けがらす、100年以上作り続けられてきたそうで、その時間の長さを思うと、今も変わらず食べられることがとてもありがたいし、嬉しい。


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