モンテヴェルディ La giovinetta pianta SV 60|金管五重奏の楽譜
金管五重奏のための楽譜、モンテヴェルディ「La giovinetta pianta(若木)」を公開しました。トランペット・ホルン・チューバを吹くみなさんの合わせや発表会、演奏会、レッスンにどうぞ。楽譜はnoteのメンバーシップで公開しています。
みなさんこんにちは!音楽企画ハーモニーオンは、音楽を通じて人と人がつながる場所。挑戦する人が、安心して学び、発表できる環境を社会に広げていきたいと考えています。
この「楽譜つかい放題プラン」では、オリジナルの楽譜や編曲楽譜と、その曲を深く味わう解説を、毎回ひとつずつお届けしています。楽譜はアンサンブルの練習から発表会、演奏会まで自由にお使いいただけます。
今回お届けするのは——ルネサンスの巨匠モンテヴェルディが、マントヴァ時代の最初の成功作『マドリガーレ第3巻』の巻頭に置いた5声のマドリガーレを、金管五重奏のために編曲した一曲です。
この曲について
「La giovinetta pianta(若木)」は、クラウディオ・モンテヴェルディ(1567–1643)が作曲し、音楽企画ハーモニーオンが金管五重奏のために編曲した楽譜です。
編成:金管五重奏(B♭トランペット3・F管ホルン・チューバ)
調:実音で調号♭4つ(B♭を中心とする旋法的な書法)
構成:単一楽章の通作(through-composed)/全102小節
拍子・テンポ:4/4・♩=112
演奏時間:通し演奏で約3分40秒
原曲はソプラノ2・アルト・テノール・バスの5声による無伴奏マドリガーレ(1592年『マドリガーレ第3巻』第1曲)です。今回はその5つの声部を5つの金管に置き換え、金管がのびやかに鳴る調と音域へ整えています。
この曲の背景
「La giovinetta pianta(若木)」は、モンテヴェルディ(1567–1643)の『マドリガーレ第3巻』(ヴェネツィア、1592年)の巻頭を飾る一曲です。この曲集は、彼がクレモナを離れてマントヴァのゴンザーガ家に仕えて最初に世に問うた作品集で、時の君主ヴィンチェンツォ・ゴンザーガ公に献呈されました。モンテヴェルディ自身がこれを「熟して味わい深い果実」と呼んだこの第3巻は、彼にとって最初の大きな成功となり、以後30年以上も版を重ねて愛され続けます。宮廷では先輩格の巨匠ジャケス・デ・ヴェルトが5声のマドリガーレを得意としており、その書法が若きモンテヴェルディの筆にも息づいています。ルネサンスの様式が結晶した一冊でありながら、次に来るバロックの気配をすでに宿している——本作はその扉の、いちばん最初に置かれた曲なのです。
原典は、ソプラノ2・アルト・テノール・バスの5声による無伴奏のマドリガーレ。通奏低音を持たず、5つの声部が対等に絡み合う、ルネサンス多声書法そのものの姿をしています。作者不詳のイタリア語詩は、「若木は陽を浴びていっそう美しくなる」と歌い出されます。そして当時、こうしたマドリガーレは「歌うためにも、楽器で奏でるためにも」書かれていました。声楽作品をヴィオール(ヴィオール属の合奏)などで奏でるのは、特別な工夫ではなくごく自然な習慣だったのです。実際、この曲そのものを5挺のヴィオール用に編んだ譜面も残されています。
ですから今回の金管五重奏への編曲は、原曲を「作り替えた」ものではなく、もともとこの音楽が備えていた可能性のひとつを取り出したものと言えます。5つの対等な声部が、そのまま5つの金管——3本のトランペット、ホルン、チューバ——へと移されました。モンテヴェルディ自身、弦楽器奏者としてゴンザーガ家に迎えられた人であり、彼にとって歌と楽器はひとつの世界の裏表でした。金管がのびやかに鳴る調と音域に置かれた本編曲は、その地続きの精神を今の楽器で受け継いでいます。
ここから先は、5つの声部がどのように響きを立ち上げ、絡み合っていくのか。楽譜とあわせて、吹くときの聴きどころをご案内します。
曲のご案内
曲の流れ
反復も区切りも持たない、ひと息で流れる通作のマドリガーレです。冒頭はまずトランペット1・トランペット3・ホルンの3声が、F mollの静かな響きを立ち上げます。数小節ののち(6小節目)、トランペット2とチューバが加わり、ここで5声の満ちた響きへと開きます。以後は5つの線が対等に織り合いながら流れ、終盤は属和音(F dur)を経てB♭ durへ——フェルマータの付いた温かな和音に落ち着いて全体を閉じます(102小節)。
五つの声部
トランペット1・2・3:上声の主役を三者で分け合います。音数はほぼ同数で、旋律を受け渡しながら対等に絡みます。
ホルン(F管):中声を支え、上のトランペット群と低音のあいだをやわらかくつなぎます。
チューバ:長めの音価で全体の土台を受け持ち、5声の響きに深さと安定を与えます。
吹きどころ
五声の対等性:上4声(トランペット3本とホルン)の音数はほぼ同じ。どのパートも「伴奏」ではなく、全員が主役として歌えます。相手の旋律をよく聴いて、自分の線を対等に差し出してください。
三声から五声への立ち上がり:薄い響きが数小節で満ちていく冒頭は、入りのタイミングと音量の合わせがそのまま曲の表情になります。加わる2声は、先に鳴っている響きへそっと溶け込むように。
書かれていない表情:原譜にならい、強弱記号は置いていません。これは制約ではなく余白です。フレーズの呼吸や抑揚を、奏者の判断で自由に描いてください。
溶け合う瞬間:5つの線が三度・六度で寄り添う箇所では、音程を丁寧にそろえると響きがひとつに溶けます。マドリガーレならではの、声部が混ざり合う美しさが立ち上がります。
楽譜のダウンロード
この楽譜について
「La giovinetta pianta(若木)」は、モンテヴェルディの原曲を音楽企画ハーモニーオンが金管五重奏のために編曲したオリジナル編曲楽譜です。
メンバーシップにご参加の方は、次の範囲で自由にお使いいただけます。
アンサンブルの練習
発表会・演奏会・コンクールでの演奏
演奏動画のSNS・YouTubeへの投稿
音楽教室・レッスンなどでの配布
演奏・印刷して、どうぞ楽しんでください。
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なお、楽譜そのものの販売・転売や、ファイルの再配布はご遠慮ください。
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