【1日1銘柄 #145】Analog Devices (ADI):AIインフラを支える「黒衣」が魅せた、驚異のV字回復と強烈な価格決定力
こんにちは、ハルです。
このnoteでは1日1銘柄、米国株を分析しています。
今回取り上げるのは、アナログ半導体市場におけるグローバルリーダーの1社、Analog Devices(アナログ・デバイセズ)【ADI】 です。
注目する理由:Why this stock, Why now?
2026年2月18日に発表された第1四半期(11月〜1月期)決算において、売上高・利益が市場予想を大幅に上回っただけでなく、次四半期のガイダンスで「新たな高水準(new high watermark)」とも言える極めて強気な見通しが示され、株価が上場来高値圏へと急騰したためです。
過去数四半期にわたり半導体業界を苦しめてきた「深い在庫調整のサイクル」が明確に終了し、AI(人工知能)関連インフラへの旺盛な投資を追い風とした、新たな持続的成長フェーズへの突入が確認できました。高金利やインフレといったマクロ経済の逆風下でも難なく値上げを通せる「圧倒的な価格決定力」を見せつけた今、この銘柄の真の実力と将来性を深掘りする絶好のタイミングだと考え、今回取り上げました。
【どんな会社?】
光、音、温度、圧力、そして「電力」といった、現実世界の連続的な物理量(アナログ信号)とデジタルの世界を橋渡しする「アナログ半導体」の設計・製造を手掛ける企業です。市場シェアではTexas Instruments(TXN)に次ぐ世界第2位のポジションにあります。
特に、極限の精度と信頼性が求められる航空宇宙、防衛、医療機器、そして最先端の半導体テスト装置といったニッチ市場において圧倒的な強みを持ちます。デジタル半導体(GPUなど)が高性能化・大電力化するほど、ADIの高度な電力管理・制御ICが不可欠になるという構造を持っています。
【直近の決算概要と考察】
2026年度第1四半期の決算は、業績回復の力強さを市場に見せつける結果となりました。
売上高:31億6,000万ドル(前年同期比 +30.4%)
市場予想の中央値を上回りました。前四半期比でも+3.0%となり、成長軌道への回帰を示しています。
調整後EPS:2.46ドル(前年同期比 +51.0%)
こちらも市場予想を大きく上回る結果となりました。
第2四半期ガイダンス(売上高):35億ドル(±1億ドル)
市場予想(約32億3,000万ドル〜32億4,000万ドル)を圧倒的に上回る、驚異的な見通しが示されました。
ハルの「ショート・インサイト」:
単なる売上の回復以上に注目すべきは、「利益率(マージン)の劇的な改善」です。調整後営業利益率は前年同期比で5.0%も改善し、45.5%に達しています。これは、工場の稼働率上昇に加え、同社の製品が顧客にとって「代替不可能」であるがゆえの、強力な価格転嫁の成功を意味しています。
では、市場が驚愕した「圧倒的なガイダンス」の背景には何があるのでしょうか? そして、最大手の競合と一線を画す高い利益率とキャッシュ創出力の秘密はどこにあるのか?
ここから先は、決算レポートの深層データから読み解く「AIが牽引する産業・通信の爆発的成長」、「驚異の利益率を生むハイブリッド製造戦略と価格決定力」、そして「マクロ要因と車載セグメントの踊り場」について、私なりに分析した結果を共有します。
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