【ネタバレあり】虎に翼スピンオフ感想

素晴らしいスピンオフだった…泣

よねさんの話がほとんどで、1945-1947年をよねさんがどうやって生きて抜いてきたのかが描かれていました。ネタバレめちゃくちゃある!

オープニングシーンの衝撃

もう、最初のシーンからインパクトが凄くて掴まれましたね。なんとよねさん、リヤカーで人間を運んでました。しかも手合わせられてるから、亡くなった人を運んでるのか…となるわけです。こんな始まり、ある?今回のストーリーの重さを伝える強烈なオープニングでしたね。

その後、物語は展開していくわけですが、戦後の東京上野の荒れ具合に圧倒されます。いま動物園がある土地ですよね?

朝鮮人と日本人の争い、慰安婦、慰安所の設置に関する議論、日本女性の地位向上を促進するGHQ女性、通訳の女性、立ちんぼ、日本人女性に腕を組ませるアメリカ軍人、門地による差別、戦争孤児…

想像を絶するほど壮絶で、一朝一夕じゃ解決できない問題がひしめいています。現代じゃ考えられません。でも、似てるところもあって焦燥感にも駆られる感じ。とにかく、これこそが「戦争の後」なのだと突きつけられます。

お姉さんの死

よねさんは「慰安婦紹介所をやりたい」というお姉さん(なつさん)の言葉と形見のヘアピンを持って犯人を探すために奔走します。

アメリカ兵が「あなたのように(Like you)、私も虐げられる側(oppressed side?)だ」と言った時のよねさんの表情が素晴らしかったですね。字幕で日本語訳はされていませんでしたが、like youが重要だと思います。戦勝国の男性兵士と一括りにされたよねさんは、何を思うでしょうか。
返答のセリフなく、よねさんとマスターの表情のみで次のシーンへ。すごい映像でした。

その後、水谷という街のボスが真犯人であり、大ボスは直接手を下していないと分かります。その時のセリフ、酒を吹きつける演出全て素晴らしかったです。「虐げられる側」は今回のエピソードの一つのキーワードかな、と思いました。

虐げられる側

水谷、水谷の側近、側近の手下
GHQ上層部、女性解放担当の女性幹部

どの組織にも上下関係があります。それによる、どうにもならない虚しさや悔しさを噛み締める場面が出てきました。ただしここで脚本が光るのは、どのグループにおいても虐げられた先には女性、ひいては女の子がいるということを視聴者に明確に示した点です。素晴らしい脚本です。

そして、そんな世の中に「おかしい、間違っている」と怒っているのがよねさんです。後半、お姉さんが妹(よねさん)が助けを求めてきたとき、それを「誇らしかった」と思っていたことを知ります。よねさんは感情を爆発させます。演技が素晴らしくて震えました。「怒りたくて怒ってるんじゃない」…本当にそうですよね。でも、マスターの言葉の通りよねさんのように怒ってくれる人がいるから「正しくなりたい」って周りの人間が思えるのでしょう。まさに、周りを照らす灯台のような人、として描かれているのがよねさんです。今回のスピンオフで細かな描写が加えられ、より「灯台」的なよねさんが見られました。嬉しい。

「よねさん」というキャラクター

特に印象的なセリフは、「助けられない手は掴まないでいいんですよ」ですね。戦後すぐ、よねさんが苗字変更の手続きの依頼に苦戦し、依頼主に「もういいんです」と言われてしまった時のセリフです。すごいセリフでした。

それでもなお、よねさんは子どもに食べ物を与え、「助けて」という女性の声が聞こえたら走っていきます。正しくありたい、正しい世の中であって欲しい、そのために理不尽から目を背けず、行動し、怒ります。よねさんすごい。

後半、轟さんが出てきてからは一気に笑える瞬間が増えて嬉しかったですね。姉とマスターを失い弔ったよねさんにバディができたこと、本当に嬉しかったです。イマジナリーとらちゃんが出てきた時は、「え、これは新しい映像!?」と嬉しくてたまりませんでした。とらちゃんはよねさんの人生の中で、すごく大きくて無視できない存在であることが、スピンオフで改めて示されましたね。

正しさとは?

戦後日本の市井で起こっていた現実にフォーカスした今回のスピンオフは、とっても「重い」内容でしたね。1時間ちょっととは思えないほどたくさんの問題が出てきました。その中で、「山田よね」というキャラクターの考え方や価値観が深掘りされ、彼女の魅力がより私たち視聴者に共有されました。そして視聴後、憲法の意味について改めて考え、議論したいと強く思いました。戦後のこんな状態の街が本当にあって、今までの価値観とは全く違う憲法が公布されて、声をあげた人がいて、裁判があって、……そして地続きで今があります。

100年後の私たち

不安定で、先が見通せない世界情勢の今、このドラマが放送されたことに”意味がある”と沢山の人が思うでしょう。
ニュースを見て、自分の頭で考え、調べて、自分の正しさと照らし、時には信念のために怒ること、その行動の一つ一つの重要さを改めて感じました。

映画が本当に楽しみ!🐯🪽

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