【ぜいキャラで学ぶ#02】所得税 - 『損益通算』
ぜいキャラで楽しく『税』について学ぼう!
ということで、今回は・・・
『所得税 - 損益通算』についてです。

このnoteは、『ぜいキャラ大図鑑(Web版)』に掲載している『税』について、さらにイラストで深掘り解説をするというコンセプトでお送りしております。

『損益通算』の概要

前回は、所得税の10種類の所得区分についてご紹介しました。
その続きとして、今回は、これらの所得区分での『損益通算』について紹介いたします。
『所得』と『赤字』のイメージ
『損益通算』のお話しの前に、『所得』と『赤字』のイメージについてお伝えいたします。
『所得』とは、いわゆる『もうけ』のことであり、例えば、事業をしていたら売上から経費を差し引いた金額となります。
『赤字』とは、『もうけ』を得るために事業をしていたけど、何らかの理由で売上よりも経費や費用が上回っているときの、そのマイナスの金額です。

このnoteでは、『所得』と『赤字』をスライムのような流体のようなイメージで説明をしていきます。
プラスである『所得』はプニプニしたスライム、マイナスである『赤字』はドロドロしたマグマのようなイメージでいきましょう。
『損益通算』のイメージ
さて本題です。
『損益通算』とは、10種類の所得区分のうち、一定のものが『赤字』の場合に、他の所得とそのプラスマイナスを通算できる。というものです。

上図のように、他の『所得(プラス)』が、『赤字(マイナス)』を取り込み吸収されて、『所得(プラス)』が小さくなるイメージです。
『損益通算』ができる所得区分
『損益通算』では、その『赤字』を通算することができる所得区分が限られています。
具体的には、以下の4種類の所得区分で生じた『赤字』について、『損益通算』が可能です。(総合課税の場合)
不動産所得
事業所得
譲渡所得
山林所得

前回の10種類の所得区分のキャラクターのうち、身体に色付けしている4体がそれらにあたります。
ぜひ、イメージ付けにお役立てください。
『損益通算』ができない所得区分
一方で、『損益通算』ができない所得は、残りの6つの所得です。
利子所得
配当所得(一定の場合には可)
給与所得
退職所得
一時所得
雑所得

これらの所得区分は、自らが『赤字』の場合には『損益通算』ができませんが、プラスの『所得』として、他のマイナスの『赤字』と通算することは可能です。
その場合には、『損益通算』順序のルールが明確に定められています。
『損益通算』の順序
『損益通算』順序のルールは、下図のとおりです。

各ルールを説明する前に、1つ呼び方のご紹介です。
図の中で『経常所得』という言葉がでてきますが、これは「通常の活動で生ずる所得」の集まりです。
具体的には、下記の6つです。
利子所得
配当所得
不動産所得
給与所得
事業所得
雑所得
また、『非経常所得』というグルーピングで、『譲渡所得』と『一時所得』がまとめられます。
『山林所得』と『退職所得』については、税額計算の方法が少々特殊なので、損益通算の順序ルール上も、別枠扱いとされています。
それでは、『損益通算』順序のルールをご紹介します。
不動産所得・事業所得の『赤字』

不動産所得または事業所得の『赤字』は、まず『経常所得』グループと通算します。
まだマイナスが残る場合には、『非経常所得』グループの『譲渡所得』『一時所得』と通算します。
それでもマイナスが残る場合には、『山林所得』『退職所得』という具合です。
譲渡所得の『赤字』

譲渡所得の『赤字』は、まず譲渡所得内で通算したうえで、同じ『非経常所得』グループの『一時所得』と通算します。
まだマイナスが残る場合には、『経常所得』グループと通算します。
それでもマイナスが残る場合には、『山林所得』『退職所得』と進みます。
山林所得の『赤字』

山林所得の『赤字』は、まず『経常所得』グループと通算します。
まだマイナスが残る場合には、『非経常所得』グループの『譲渡所得』『一時所得』と通算します。
それでもマイナスが残る場合には、『退職所得』と通算します。
なお、上記の『損益通算』をした結果、まだマイナスが残る場合には、そのマイナスのことを『純損失』といいます。
これは、一定の場合には、前年または翌年以後3年間で通算が可能です。
その他の『損益通算』
今回は構成の都合上で紹介しきれませんでしたが、これらの他にも損益通算の規定があります。
以下は、今回ご紹介できなかったものですので、ご興味ございましたら調べてみてください。(これ以外にも細かい規定がございます・・・)
居住用財産の譲渡損失の金額の特例(措法41の5①②③)
個人で住み替えなど一定の居住用財産の譲渡の『赤字』は『損益通算』の規定を適用するよ~という特例です。
特定居住用財産の譲渡損失の特例(措法41の5の2①②③)
個人でローンで買った一定の居住用財産の譲渡の『赤字』は『損益通算』の規定を適用するよ~という特例です。
上場株式等に係る配当所得の損失の金額(措法8の4①、措令4の2③)
上場株式などの配当は『分離課税』を選択すれば一定の『利子所得』と『損益通算』していいよ~という規定です。
特定株式に係る譲渡損失の金額の特例(措法37の13の2④⑤)
一定の非上場株式の譲渡の『赤字』は『分離課税』を選択すれば他の一定の上場株式などの譲渡所得と『損益通算』してもいいよ~という特例です。
いわゆる『エンジェル税制』と呼ばれているものです。
上場株式等に係る譲渡損失の金額の特例(措法37の12の2①③)
一定の上場株式の譲渡の『赤字』は『分離課税』を選択すれば一定の上場株式などの『配当所得』と『損益通算』してもいいよ~という特例です。
おわりに
今回は、所得税の損益通算について、その概要を書かせていただきました。
なお、このnoteでのご紹介はシンプルに、わかりやすさを重視したものとなっておりますので、一部簡略化している部分がございますことご了承ください。
ぜひ、イラストと併せて、イメージ付けしていただけますと幸いです。
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それでは、また次の投稿でお会いしましょう。
HAL
