"編集"の妙〜新刊『夜の航海』のこと
行列に消えた女のように、わたしは試した。人びとの流れる様子を観察しながら、チャンスを待った。(守安涼「時計塔」より)
昨日は、「だから本にする仕事は、自分が良いと思う他人の作品にかんして、やればいいんだ、という気が私はしています」と書きましたけど、じゃあ、あんたが自分でつくっている本はどうなのさ? と言われたら、何も言えません、というか、たまに矛盾したことをやってしまうのが人間ってものなのさ、とか言っておきたい気分です。私は自分の書いたものを本で読みたいと人から言われて、でも誰かが出してくれるわけではないので、仕方なく自分でつくっていると言ってみたくもあります。でも、じゃあ、正直なところ、つくりたくないのにつくってるの? と言われたら、いや、つくりたくてつくってますよ? となるわけで、ナカナカ複雑ナンデスネ。
さて、先ほど、アフリカキカクの新刊『夜の航海』についての情報を、まずはウェブサイトに出しました。
ウェブでの【ためしよみ版】というのも、つくっているんですけど、ちょっと今日は間に合いませんでした。数日中には、と思っています。ウェブショップにもぼちぼち出しますので、お待ちください。

マニアな皆さんの中には、収録作品を全て読んだことある! とおっしゃる方もあるかもしれません。何を隠そう私がそうなんですけど(?)、でも、こうやって並べて読んでみて、ああ、そういうことか! と10年、20年ごしにようやく気づくようなこともありました。
"編集"ということばがありますけど、集めて、編むんですね、そうすると、バラバラの状態では見えなかったことが、見えてくる。スリリングな、というか、ワクワクするような体験です。
小さな本ですけど、編集した私にも、まだ気づけていないことが、あるかもしれません。今回は著者にも「ぜんぜんおぼえてない」ものがあるようですけど、そうすると、自分が書いたものなのに初めて読むようなことにもなるわけで、なかなか深いでしょう?
「水牛のように」2月号では、この本をつくることになった経緯を書いていますので、ぜひご一読ください。そこでは、「本をつくるということの中にはマジックが」ある、なんて書いてます。
(つづく)
ウェブマガジン「水牛」の毎月1日更新のコンテンツ「水牛のように」で、下窪俊哉が2021年7月から連載している「『アフリカ』を続けて」の(1)から(33)までをまとめた ① が1冊になりました! BASEショップを中心に少部数をじわ〜っと発売中。読んでみたい方からのご注文をお待ちしています。
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