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水消えて火、燃ゆる【毎週ショートショートnote:お題「惑星総転居」】

たらはさん、お題をありがとうございます。貼付記事以下、参ります。

(541字)


誰だって、巻き添えになるのは御免被るだろう。それがたとえ惑星であっても。

「暑いという言葉では、この異常高温を言い表すことはできない」
「もう限界だろう。このままでは、こちらが燃え尽きてしまう」
「一刻を争う事態だ。飛び火、貰い火となる前に手を打たねば」

木星、土星、水星が、膝をつき合わせて談判していた。もっとも、球体である惑星に手足はないから、その精神がそうした形を成しているということである。

「太陽系はここに存在することに意義がある」

鶴のひと声ならぬ太陽のひと声。

「惑星大移動など、時空をねじ曲げる行為だ。天の川銀河の動きに存在を委ね、推移を観察するより他に術はない」



「パパってば。わたしが読みたいのはそんな話じゃないの!」

娘から待ったが掛かる。
暑すぎる休日、物語をねだる娘におとぎ話を聞かせていた。小説家である父親に、お気に入りの漫画、最終回の続きを考えてくれとねだられて。ねだられるまま話を続けたが、暑さに萎えていた心は読み慣れぬ原作を手に取ることができなかった。私のサイドストーリーは、愛娘のお気に召さなかったようだ。

「わたしが教えてあげる。あのねパパ、火星、AQUAアクアは水の惑星なんだよ」

可愛い娘の声で、ひととき暑さを忘れるとしよう。親馬鹿の声はひとまず捨て置いて。



今回の掌編は、漫画及びアニメ「AQUA」をイメージに敷いて綴りました。

参考記事:


それでは、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。


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