Magical Benediction【短編小説】
attention:
This is a temporary number,temporary No.1.
Prologue:
魔法、あるいは魔導と呼ばれる力がある。超銀河系歴2000年、それまでは魔法と呼ばれ曖昧模糊とした概念であったそれに、物理学同様の定義がなされた。精密な計算による制御と統制の元、魔導は兵力同様の有効かつ巨大な物理力として運用されることとなった。
魔導、そして魔導師。そう呼ばれる彼らも、才覚を持つ者である以上に職業人であり、他の者と変わらぬ日々を過ごす。彼らの懊悩に魔導が手を差し伸べることはない。
魔法であれ、魔導と呼ばれるそれであれ、もはやお伽噺の出来事ではなく、人と人との対立構造を象徴する力として、その性質を変容していったのである。
それから数百年後。宇宙管理局職員として、ひとりの魔導師が活動していた。これは彼が辿った物語である。
preamble:
任務結果および演舞等から算定された魔法運用・身体能力、日常の実務処理。以上の項目を演算し、数値化する。この事項は各局員のステージ判定に用いられると共に、魔導力の基礎データとして厳重に管理され、運用される。
この世界において、物理法則を超えた力である魔導は、お伽話で語られる魔法ではなく、他へと影響を及ぼすことのできる強力な力である。諸刃になりうるそれは、慎重かつ重要に管理運用されねばならない。
Prologue:
「おい。何だか……気持ち悪ぃんだけどよ。お前の顔」
隊舎近くの飲み屋で同僚と一杯引っかけていると、横に座る悪友からそんな言葉が飛んで来た。
「いいじゃねぇか。明日はいよいよ、なんだ。だから笑ってんだ。辛気くさいのは御免だからな」
―どこが悪いってんだ、それの。―
だから開き直ってやった。
その俺の言葉を聞き留めて、友は苦笑いを浮かべ言葉を繋いだ。
「しょーがねぇ奴だ。まあ、いいさ。蛮勇だが英断でもある。戦友として、俺はそう思っているからな。お前の決断を」
その言葉に頷き、俺たちは手にしたグラスを軽く掲げて―
“俺たちの凸凹な日々に、乾杯!”
その言葉と共に、二人同時にグラスの中身を干した。
「俺は司令の下で働きたいと思っている。それは……あの人が有能なキャリアだからとか、そんな事じゃない。そんなのは関係がないんだ」
手にしたグラスを軽く揺らしながら 半ば独り言の様に呟いた言葉に、
友はふっと小さく笑いを零した後で言葉を繋いだ。
「惚れたんだろ、お前は……司令に」
告げられた言葉に、手元から隣の席、そこに座る奴へと視線を移す。幾つかの思いを折り畳んだ苦い笑みを浮かべる悪友に頷き返し、そこへ言葉を返す。
「ああ。その通りだ。上官として、管理局員として―」
「それだけか?……本当に」
「分からねぇよ……そこから先は」
遣り取りの締めに返した言葉に、友は苦笑いだけを浮かべて、視線を手に持つグラスに向けた。それに倣う様に、俺も手にしたグラスを見つめた。
硝子の縁から底へと水滴が滑り落ちる。それを指で掬い上げながら、次の言葉を繋いだ。
「分からんが、一つだけ確かな事がある。それは―」
俺が一番好きなのは、あの人の笑顔だ。それを ―
「支えたい。そのために力が欲しい。それが、俺の原動力だ」
己に言い聞かせる様に紡いだ俺の言葉を引き取り、友が言葉を繋ぐ。
「司令の能力は無論、人柄に触れれば、誰しもがそう思うだろう。あの人は、世界の希望だからな」
CASE1:
地下道を走っていた。どこまで続くのか、永遠に終わらないと思われる長い一本道を。魔導で補強した足で走る自分に併走するのは、これまた魔導強化されたローラーブレードを履き、滑るように走る管理局員。彼もまた自分と同じ魔導師だ。
「いつまでここで走るのかねぇ。いい加減嫌になってくるんだが」
地下道を覆う石壁に自分の声が反響して不気味に響く。任務とは言え、ただ走り続けていると、自分が何のためにこうしているのか分からなくなってくる。
「そう言うなって。それに、それはこちらの台詞だ。こっちはお前ほどの魔力はないからこそ、ブレードに頼っているんだからな」
続く地下道は、あと数百メートル。その先に見えている光を目指し、俺と相方は走り続ける。光の源、そこへ昇るには古い階段を上がらなければならない。長い階段を一気に駆け上がると地上に出た。
ビルの裏手に回る。前方50メートル先に人影が見えていた。
「止まれ、抵抗を止めろ」
俺たちの呼びかけに反応し、前方にいる男の足が止まった。それを見とめて、告げるべき言葉を続けた。
「武器を捨て直ちに投降しろ。そうすれば、お前には弁明の機会が与えられる」
「偉そうに言ってんじゃねぇ。うるさいんだよ、お前みたいな若造の言いなりになんか、誰がなるもんか!」
俺の言葉を否定した男が、ハンドガンの安全装置を外す。僅かにカチリと響く音がするかしないかの刹那、俺は男に向かって走る。手刀で男の手から獲物をたたき落とした。ガタンと金属音が低く響いた。
「上手くやったと思ってんだろ?お前。ご生憎様だぜ、それは」
不敵な笑いを浮かべ、眼前の男、その右腕が懐に伸ばされる。取り出されたダガー、その刃が鈍い光を抱き、切っ先が光り出す。
放たれた一条の光、それが向かう先にはビル街のエネルギータンクがある。
「思い知らせてやるんだ……俺を莫迦にする全てに」
男の愚かな叫びが、辺りに響いた。
(To be continued…?)
#今2000字で書けって言われたらどこからの発想で書き始めますか
僕以外の参加者を見てください。ヤバイメンツですよ!じわじわと祭りが始まってます!!興味ある方是非ご参加を!!
— コッシー (@kossiymonst) August 3, 2025
【超自然発生企画】今2000字で書けって言われたら……|豆島 圭 @mameshima_k https://t.co/nVPPOXlluj
コッシーさんのポストで豆島さんのマガジン(ハッシュタグ)を知りました。
未完のこの作、ここまでで2000字強(2214字)です。
元ネタは二次創作小説を書いていたときの作で、それをオリジナルとして改稿できないか、チラチラと考えていたのです。
少々見当違いかもしれませんが、ハッシュタグをお借りしました。
元型の二次創作小説、7万字前後。それを改稿するのは、ゼロから書き始めるより、想像以上にやっかいでした(;^^A
豆島さん、ご無礼をお詫び申し上げます(滝汗)続きが書けるとは申し上げられず、お恥ずかしい次第です。等、お目汚しにて。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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©2023-2025 Harunaga Mutsuki
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