夜の底で【シロクマ文芸部:お題「深夜二時」】
小牧さん、お題をありがとうございます。貼付記事以下、参ります。
(723字)
深夜二時、朝や昼の喧噪が嘘のように街は静まりかえり、眠りにつき始めている。今の私のように、昨日を引き摺ったまま今を過ごす人たちの営み、その灯りが、眠る街の置き土産のようにチラチラと光を揺らしていた。
コツコツと自分の足音がアスファルトに響き、夜の底へと沈んでいく。ここまま歩き続けて朝を迎えてしまおうか。待っている人などいないのだから。
声に出さぬ筈の思いが、夜道、アスファルトにぶつかって、私の脳裡に反響する。真夜中は、自分と時間だけが近く、日中に私を取り囲むものたちからこの身を切り離す刻なのかもしれないと、詮なきことを思う。
日差しと共に暑さも沈み、少しだけ涼しさを取り戻した空気の中、漂う甘い香りが花をかすめる。青リンゴのようでいて、花の香もまとった香りが。
立ち並ぶ家屋の中、そのひとつ。その家の庭先にローマンカモミールが植えられているのが、淡く光る防犯用のライトに照らされて見えていた。雑草と見間違うほどに小さく目立たぬ花の香りは思いのほか強く、夜風に乗って街を静かに包み込んでいた。
明日は早く帰ろう。仕事が終わらなくとも定時で。久し振りにあのフラワーショップに足を運んでみよう。あの店はポプリ製作と販売も評判を呼んでいるから、ローマンカモミールの株なら売っているだろう。しばらく育てて、ドライフラワーを作るのも悪くない。ポプリサシェを作るのもいいだろう。
取らぬ狸の皮算用、ならぬ草算用。単純な思考に我ながら笑いがこぼれた。さて、早く帰るとしよう。今夜、眠る前に一杯のハーブティーを入れて、ティースプーン一杯のハチミツを落とすのだ。
ハチミツがカップに落ちるのを気長に待つ。そんなある夏、深夜二時の一人語りのように。
#シロクマ文芸部
#深夜二時
#お題で書いてみた
#掌編小説
#AIとやってみた
#AIでヘッダー画像をつくってみた
#LeonardoAI
© 2023-2025 HarunagaMutsuki.
いいなと思ったら応援しよう!
拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。