祠で宴《うたげ》【お題:狐火バーベキュー】
たらはさん、お題をありがとうございます。貼付記事以下、参ります。
( 498字)
肝試しをしようと最初に言い出したのは誰だっただろうか。
後悔している。めちゃくちゃしている。涼しくなりたいならエアコンつけたらいいじゃないか。ああ、ほら、夏のオアシス、コンビニとかさ。
心の中がうるさい。口には出さなかった。笑われるのが嫌だったから。
目指すは古びた祠だ。祠についたら証拠写真を撮る、それがルールだった。
莫迦莫迦しい。このお遊びも、それに振り回される自分も。怖さを通り越して苛立つ気持ちを抑えつつ、目的地に辿り着く。
生温い風が首筋を撫でる。生臭い匂いが鼻腔に拡がった。
生温い……いや、暑いと言うより熱い。
生臭く……はない肉の焼ける香ばしい香りが、夏バテで失せていた食欲を呼び起こす。
バチバチ、ボォボォ。橙色の炎が立ち上がり、それを青い炎が輪を作って取り囲んでいる。
おや。見られちまったものは仕方ない。お前さんも食っていくかい?
ふわり風に乗るように、アルミ皿が手元に運ばれる。乗せられているのは焼けたばかりのスペアリブ。
狐火だって納涼したくなるときはあるもんさ。とって食いやしないよ、安心しておあがり。
青い狐は、ゆらゆらと揺れながら、こちらを見てニィっと笑った。
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