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 毎週ショートショートnote|お題【おとぎ話診療所】

たらはさん、お題をありがとうございます。貼付記事以下、参ります。


「疲れました。もう……うんざりなんです。何が『めでたし、めでたし』なんですか。それで何でも収められるとでも、本当に思っているのですか!」

今まで本当に大変だったのですね。まずは、そのお茶でも一口飲んでください。

「ありがとうございます……。取り乱しました。でも……嘘は付いていないつもりです。『離れ小島で暮らす他民族の住処に押し掛け、財産を奪う若者』とか『浮世には存在せぬ財宝を持ってくるように頼み、あげくそれを放置して月に帰ってしまう女性』など。見方を変えれば暴虐非道ではありませんか。それを民草は『めでたし』で納めよと宣う。人が文字を綴って千歳ちとせを過ぎた今、もう終わりにしたいのです」

人の営みに寄り添いながら言の葉を紡いでいた者。言の葉のつかさとも呼ぶべき存在の語る言葉に、相談役はさもありなんと頷いた。

「めでたし」と記するにはめでたしに至るまでの道程が、客観妥当性を持って記述されねばなるまい。お伽噺と言えども。


かくて、「めでたく成敗」された筈の賊共に反撃され、這々ほうほうの体で逃げてくる若い武者や、「婚約不履行で訴える」との告発状を持つ代理人に責め立てられる姫君など、お伽話の住人が通う診療所に押し掛けてくる。

めでたさも中くらい也…… まずはお粗末にて、この小噺を終えることにする。おとぎ話診療所。ここで診るのは、主に言葉の困りごと。それを改善解消する術を患者と共に探るのが、この場所の役割である。

    (了)          


(614字)
よろしくお願い申し上げます。


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春永睦月 拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。

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