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Ep4 好きだった。でも、もう一緒にはいられなかった。

こんにちは、ハルトです。

前回は、「ありのままの僕で、“最初の彼”に恋をした」というタイトルで、はじめてパートナーと呼べる存在ができたことを綴りました。

今回は、その続き――“別れ”のお話です。


生まれて初めての“ありのまま”の恋

生まれて初めて、自分のセクシュアリティのまま、誰かを好きになれました。
好きな人と過ごす時間やスキンシップは、どれも今までに経験したことがないくらい僕の心を満たしてくれるものでした。

でも、ずっと順調だったわけではありません。

彼も僕も、家族や友人、同僚へセクシュアリティをオープンにしていたわけではありません。そのため僕たちの関係はごく限られた中でのものでした。
それでも、僕たちは一緒にたくさん旅をしました。

ギリシャ、クロアチア、オーストリア、ハンガリー、スロバキア、チェコ、ドイツ、ポーランド、インドネシア、台湾、ミャンマー、韓国、タイ。
国内旅行や登山旅行にもたくさん出かけました。

これだけの事実だと、とても順調に見えるかもしれません。
でも、実際の交際期間は1年〜1年半ほどでした。その中で、4〜5回は大きな喧嘩になり別れて、またくっついて……の繰り返しでした。


寮を出て、一人暮らしをしようと何度も考えました。


職場でも、寮でも、彼と顔を合わせる。
関係がうまくいっているときはいいけれど、不安定なときには本当にしんどくて、どこにも“自分だけの場所”がないように感じていました。
せめて、一人になれる時間と空間がほしい。そう思うことが増えていきました。

でも結局、僕は寮を出ませんでした。

僕自身、この街にいるのは一時的なつもりだったこと。
そして、家具・家電を一から揃えたり、賃貸契約の初期費用や水道光熱費、ネットの契約など――
金銭的にも手間的にも負担が大きすぎると感じて、寮に住み続けることを選びました。

会社でも、寮でも毎日顔を合わせる彼。
うまくいっているときの彼の優しさや、ふとしたスキンシップがとても好きで、心がほっとする瞬間も確かにありました。

そんなぬくもりを知ってしまったからこそ、関係が揺れたときも、簡単には離れられなかったんだと思います。

感情の波に疲れきっていた僕は、喧嘩のたびに「もう無理かもしれない」と口にするようになっていました。
でもそのたびに、彼は「別れたくない」と言って、関係はダラダラと続いていきました。


僕たちの関係に、未来は見えなかった

前にも触れたように、僕は“ストレートの自分”を演出して過ごしていました。
それでも、パートナー以外の人間関係も大事にしたかったのです。

一方で、彼は独占欲が強く、「周りの目なんて気にしなくていい。僕とふたりでの時間を少しでも長く過ごしたい」という考え方でした。

お互いを大切に思い付き合っている認識はあるものの、将来彼は「今は日本にいるけれど、いずれ日本を離れる」とも話していて、
ふたりの未来について、ちゃんと話し合うことはありませんでした。僕もこの場所にずっといるかはわからないと考えていました。それゆえ、それぞれがお互いに期待するものにはきっとズレがあったと思います。「今、特別な存在としてお互いを思っていられればそれでいい」――それが、当時の僕たちにできる精一杯でした。


転職を決めたとき、彼が言ったこと

そんな中、僕はキャリアを考えて東京に戻ることを決めました。

東京の生活を離れて地方に転職しましたが、地方の職場では東京の人ほどスキルアップやキャリア開発の機会が少ないことがよくわかりました。
彼との関係も不安定だったというのもあり、自分の人生を進めたい、そんな気持ちが芽生えていたのです。彼には転職しようと思っていることは伝えていました。

転職活動を始めて、転職先と入社時期が決まったとき。
その知らせが、僕たちの関係に終わりが訪れることを明確にしました。

転職先からオファーを受けたことを彼に伝えると、
彼は少し沈黙してから、絞り出すようにこう言いました。

「僕らはどうなるの?」

その言葉に、胸がぎゅっと締め付けられました。

彼と一緒にいられなくなるのは、正直、とても寂しかったです。
彼は、自分のありのままを受け入れてくれた人だったし、
ありのままの僕が、初めて“好き”になった人でもありました。

でも、浮き沈みの激しい関係は、この先も続けられないと感じていましたし、
彼との未来が明確に描けなかったことも、また事実でした。


最後の日、空港で交わした言葉

僕が東京に行くと決まった日からは、大きな喧嘩もなくなったように思います。

出発の日、彼は空港まで見送りに来てくれました。
僕はただただ、感謝を伝えました。
ふたりで過ごした時間や思い出は、どれも大切だったと。

「東京に行っても、日本にはいるし、また会おうね」
そう言って、最後にハグをして、僕は東京へ向かいました。


当時の僕に、今だから言えること

ほんの2年ほどの出来事でしたが、僕にとってはかけがえのない時間でした。

自分のセクシュアリティを初めて受け入れてくれた人がいたこと。
そして、自分を愛してくれる人がいるという経験ができたこと。
そのどちらもが、今でも僕の支えになっています。

その後、彼も日本を離れ、今は新しい土地で元気にしているそうです。
そして念のためですが、この話は現在のパートナーにも伝えてあります。秘密にしていることはありません。

むしろ、この経験があったからこそ、今の僕がいるのだと思っています。


今回も、ここまで読んでくださってありがとうございます。

次回は、「ゲイとしての自分を受け入れるきっかけ」について綴る予定です。
よろしければ、また読みに来ていただけたら嬉しいです。


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