フリーランス薬剤師として「やっていけるかもしれない」と思えた日
前回、フリーランス薬剤師として入っていた薬局様との契約が終了した話を書きました。
契約終了は、その薬局様とのご縁の終わりだと思っていました。
でも、ある土曜日の午後にかかってきた一本の電話で、その見え方が変わりました。
今回は、前回のはなしの続きにお付き合いください。
引き継ぎに、魂を込めた
契約終了が決まってから、M&A先の新社長さんと名刺交換する機会がありました。
お互いの連絡先がわかったので、引き継ぎだけはできる限り丁寧にやろうと決めていました。
この薬局のために、何かしたい。
その一心でした。
引き継ぎをしながら、頭の中にいろんな顔が浮かぶ…。店の雰囲気。従業員さんの顔。前の社長の顔。患者さんの顔。
スピリチュアルとか、そういうことは基本的に信じない合理的な人間です笑。
でもあのときは、珍しく気持ちをかなり込めて引き継ぎをしました。
皆さんのこれからが良くなりますように、と。
我ながら、そこまで思える薬局だったんだと思います。
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土曜の午後、電話が鳴る
そんなある土曜日の午後のことです。
お気に入りのコーヒーを飲んでいたとき、電話が鳴りました。
画面を見ると、新社長さんの名前。
正直、連絡が来るとは思っていませんでした。
引き継ぎも終わって、もう連絡が来ることはないと思っていた。
だから、電話に出る前の一瞬、少し止まりました。
新社長さんは、前の社長さんとはまた違う雰囲気の方です。穏やかで、心が広く、大海原のような安心感を持った人格者。
その落ち着いた声で、こう言ってくださいました。
「また来てもらえませんか」
…
冷静に受け答えしようと思いました。
取り乱すのもおかしいから、ちゃんと落ち着いて話そうと。
でも、おそらく嬉しさが声に出ていたと思います。
電話を切ったあと、コーヒーを握りしめながらしばらくそのまま座っていました。
またあの薬局のために働ける。
あの従業員さんたちに会える。
あの患者さんたちにまた会える。
4ヶ月だけだったけど、心から応援したいと思える薬局でした。
心から応援したいメンバーがいる薬局でした。
そこに、まだ行ける。
それが何より嬉しかったです。
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評価されている意味が、自分でもわからない
新社長さんは、こんなことも言ってくださいました。
「東京に行ってしまわれるのがもったいない」
実をいうと、僕はいずれ東京に行くかもしれません。その話をしたときに、そう言ってもらえました。
こんなに嬉しいことはない、と思いました。
会社員時代、僕はずっと評価されていませんでした。昇格ゼロ、昇給もほぼゼロ。どれだけ頑張っても、何かが噛み合わなかった。
なのに今になって、こうやって必要としてもらえている。自分でもなぜなのか、正直わからないんです。
場所が変わっただけなのか。立場が変わったからなのか。それとも自分が少し変わったのか。
答えはわからないけど、ひとつだけ思うことがあります。
誠実にやっていれば、ちゃんと伝わるんだということです。
引き継ぎに魂を込めたこと。
現場で手を抜かなかったこと。
患者さんや従業員さんと真剣に向き合ったこと。そういう積み重ねが、どこかで見えていたのかもしれない。
会社員時代に評価されなかった自分が、フリーランスになってから「またお願いしたい」と言ってもらえるようになった。
場所を変えただけで、同じ自分が違う評価を受けるようになった。
それは、動いてみないと絶対にわからなかったことです。
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また、あの薬局へ
その薬局での契約は、今も続いています。
毎週あの薬局に向かうとき、玄関を開ける前に少しだけ気合いが入ります。
社長さん、従業員さん、患者さんの顔が浮かぶんです。
「助かった」と言ってもらえるように、今日も動こう、と。
会社員時代、仕事に行く前にそんなことを思ったことは一度もありませんでした。
フリーランスを選んでよかったと思う瞬間は、いくつかあります。でもあの電話が来た土曜の午後のことは、たぶんずっと忘れないと思います。
想定していなかった電話。
冷静にしようとしたのに、声に出ていた嬉しさ。電話を切ったあと、コーヒーを握りしめながらしばらく座っていたこと。
そういう瞬間が積み重なって、フリーランスという働き方が、自分のものになっていくんだと思っています。
そして、この経験をきっかけに
「フリーランス薬剤師としてやっていけるかもしれない」と初めて思えました。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙂↕️フリーランス薬剤師のリアルをこれからも発信していくので、よかったらフォローしてもらえると嬉しいです!
