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【#創作大賞感想】ホラーに内在する甘美な毒

本日2本目は、いしも ともりさんの「いびつな渇愛」の感想となります。

私は日常の中に見るふとしたズレが気になって仕方がない質です。しかし、私の周囲では目玉が飛び出すほどの大きなズレはそうそう起きず、平々凡々に時が過ぎていきます。

そのため、自分では考えられないようなズレを求め、小説を読むのです。小説内で描かれるズレは、私にワクワクを届ける極上のエンタメと位置付けられています。いしも ともりさんの「歪な渇愛」で描かれたズレは私をワクワクへと導き、ゾクゾクを体験させてくれました。

陽が当たれば、必ず影は作り出されます。このお話では、誰もがうらやむほどの美しい女性と過去を消し去るかのように外見を変えた女性が陽と陰のように描かれているのですが。

この物語には運命に翻弄される人々が幾人も現れ、プライドの高さや自己愛への固執、身勝手な愛により、負の連鎖が起き憎しみを生み出す様子が描かれています。悲劇の裏に潜む悲劇が明らかになるにつれ、胸が切ないです。何重にも仕掛けられた悲しみの構成に私は唸るしか術がありませんでした。

家庭内で起こる負の連鎖は、外から見えず、現実でも恐ろしい事件に発展することも。ゆえに小説の題材となりやすく、甘美な悲劇が生れる温床となります。本来なら許されず告発すべき出来事ではありますが、小説の中のできごとです。ホラーとサスペンスの中に潜む甘美な毒をじっくりと味合わせていただきました。

雪だるま式に大きくなり続ける悲劇は、まさにミステリー×ホラー。

負は恐怖や憎悪も生み出し、復讐に切なさも伴います。人生に翻弄された人々の切なさを思い切り堪能した今、キリキリと胸が痛んでおります。解毒剤が必要かもしれませんが、しばらく甘美な痛みに耐えてみるのもあり、と悩んでいる最中です。

この作品には百合子とゆりという女性が登場します。キャッチコピー「百合の花には毒があるって知ってる?」はどちらにかかった言葉か。それはお読になってからご判断ください。

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感想文の合間に他の作品も読みに行きたいです。
創作大賞期間中は読むものが沢山あって嬉しい悲鳴があがってしまいます♪