【#下書き再生工場】参加作品2:はじめちょろちょろなかパッパ
本田すのうさんが経営する下書き再生工場へ就職したはそやmです。9月20日までの間、一工員として工場の稼働に貢献したいと思っております。すのう工場長!チェックお願いします!
「どうしても骨皮筋衛門を打ちのめしたい」
悪の集団「イービル・フラワー」のボスが歯ぎしりをする。いくら挑んでも負けの連続、悔しさで眠れない夜が続いていたからだ。
「ボス、俺達も必殺技があればいいのではないでしょうか?」
ひとりの部下が進言する。
「必殺技か。よし!筋衛門の「ヒラリ・クルリ・プルン・ボスン」に匹敵するものを開発しろ!」
「はっ!」
イービル・フラワーの愛されボスからの願いに部下達は日夜必殺技を研究した。どんなキメ台詞がいいか、どのような言葉で筋衛門の度肝を抜けるか、彼を動揺させる言葉はどのようなものか、過去の闘いを振り返ったり、帳面町の町立図書館で骨皮家に関する資料を漁ったり、骨皮筋衛門について調べまくった。
ただ、調べれば調べるほど、骨皮財閥がいかに帳面町で愛されているか町への貢献が素晴らしいかがわかるだけで弱点は全く浮かび上がってこない。絶望に打ちひしがれ、もう少しで必殺技を諦めようとした時ひとりの部下の腹が鳴った。研究に夢中で食事をとることを忘れていたのだ。
「あーばあちゃんの美味い飯が食いてぇ」
「飯なんてどこだって同じだろ?」
「ちっげーんだよ!ばあちゃんの白飯は土鍋炊きなんだよ!」
「土鍋?炊飯器じゃないのかよ。昭和かよ」
「あれ?お前、土鍋で炊いた飯の美味さ知らないかよ」
この会話から腹が減っては戦にならぬと土鍋炊きの飯を作ることになった。
はじめちょろちょろなかパッパ
はじめちょろちょろなかパッパ
ひとりが歌い始めるとあっという間にそのリズムが広がり部下全員の大合唱となる。
はじめちょろちょろなかパッパ
はじめちょろちょろなかパッパ
だんだんと楽しくなり手足が動き始めた。それを見たボスが
「こ、これだ!必殺技はこれにするぞ!」
と大喜びする。
「ボ、ボス!」
感極まった部下が思わず土鍋のフタを取ろうとすると、
「赤子泣いてもフタ取るな!」
との声が響き骨皮筋衛門がヒラリ・クルリ・プルン・ボスンと現れ、土鍋のフタを部下の手から守った。
「ボス!危ない!」
部下が条件反射で壁の脱出ボタンを押すとボスはそのまま遠くへと飛ばされた。
「お、俺も……ドナベダキノメシヲクイタカッタ~」
「なにも飛ばすことはなかったのではないのか?悪いことをしていないのに」
と骨皮筋衛門が気の毒そうに言うと、
「いやあ、つい条件反射で」
と部下が照れ笑いをする。
「ところで筋衛門さん、一緒にどうですか?」
「呼ばれてもいいのかい?」
ニッコリする骨皮筋衛門。その笑顔に部下達は思わず見とれる。今回、悪事を働いていないイービル・フラワーの部下達と筋衛門は仲良く土鍋炊きの白飯を楽しんだ。
